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タイトルタイトル: 「餓島 極まる飢え」 番組名番組名: [証言記録 兵士たちの戦争] ガダルカナル 繰り返された白兵突撃 ~北海道・旭川歩兵第28連隊~
名前名前: 中瀬 清造さん(旭川・歩兵第28連隊 戦地戦地: ガダルカナル島  収録年月日収録年月日: 2008年2月5日

チャプター

[1]1 チャプター1 未知の敵だった米軍  01:50
[2]2 チャプター2 帰国のはずが・・・ 戦場へ  03:39
[3]3 チャプター3 上陸~襲いかかる米軍機  02:07
[4]4 チャプター4 ジャングルを行軍 飛行場の背後に回った  02:36
[5]5 チャプター5 筒抜けだった日本軍の接近  01:00
[6]6 チャプター6 降り注ぐ弾丸の雨  07:18
[7]7 チャプター7 敗退~ジャングルで迷う  03:55
[8]8 チャプター8 日本をはるかに凌ぐ米軍の物量  03:12
[9]9 チャプター9 砲弾で「空気の色が変わった」  03:06
[10]10 チャプター10 極まる飢餓  03:21
[11]11 チャプター11 死体が点々と~まひしていく感覚  04:50
[12]12 チャプター12 兵士を踏みつぶす米軍戦車  02:52
[13]13 チャプター13 兵士のこころを追いつめていく猛砲撃  02:29
[14]14 チャプター14 戦争のことは話すな  02:48
[15]15 チャプター15 ガダルカナルを振り返って  02:13

チャプター

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そんなイメージなんていうのは、何も考えてなかったね。ただ上官の命令に従って、今でいったらロボットみたいなもんだ。それに従って動いて、命令に従って、上官の命令は朕の命令と思えっていって。一切口答えならんかったんだから。

Q:もうじゃあ、行けと言うところへ行くと。

はい。今こうやっておっても、朕(ちん)なんていうことばが出てきたら、すぐ不動の姿勢だからね。朕だとか君だとか。

Q:そのアメリカ軍が強いとか弱いとかいう感じはなかったですか。どういうイメージだったですか?

アメリカがどうのソ連がどうのなんていうことは、全然その、何ていうの、敵対教育はしてないから。だから基本…、戦争の・・基本教育ばっかりだからね。だからまあ、結局基本教育で、その動作があってね。
「弾が来たらすぐどう」とか、「伏せれ」とか、「手りゅう弾はこういうときに使え」とかっていう基本ばっかりだから。

いやあれ、グアム島警備しとってさ、そしてあれ、「もうとっとこ帰るんだ」とっていって、一度迎えにきたんですよね。あれ、ぼすとん(丸)っていうイギリスの船だったと思うんだよね(ぼすとん丸は日本の輸送船)、能力の悪い船に乗っけられて。そしてあれ、ちょうど正午に出発、昼に出発したんだよね。グアム島に向けて。日本へ向けて行ったわけでも、どこへいくかも見当つかんのだ。ただ「帰るんだ」っていうことで、喜んで乗って。そして夜中にあれだよね、寝とったとき、ずいぶん船ターンしたなと思ってたんだね。「どこへ方向で潜水艦でも出たんかな」なんて言って、軽い気持ちで考えとったんだよ。

したら、夜明けたら、まあ自分の班の分隊の兵隊が、若い兵隊が、「おう分隊長よ、もうサイパンが見えるぞ」って言うわけだ。「何、サイパン見えるわけねえんでか。おめえ、今、船出てから何時だと思ってるんだ」って、「何時間たったと思ってるんだ」って言って。そして、今度甲板(かんぱん)へ出てみたら、「おう、島は見えるけども、これもとの島だでや」っていうわけ。

「グアム島だでや」って言って。そしたら、今度命令が下ったんだよ。これから、まあ帰ろうと思ったけど、今度、まああれだな、ガダルカナルへ、戦場へ転進するっていうわけさ。そして、夕方までに全部武装せいっていうわけさ。そして、もらったのが、あれ弾がなんぼ、60発ぐらいだったかな、わしらてき弾筒だったから、120発ももらわないんだ。そして食糧があれ、かつお節だとか、食糧があれなんぼ、1週間分ぐらいもらったかな。そして、それだけで丸腰で今度すぐまた、向こうへあがったときには、あれ1週間も10日も、あれだよね、陸戦隊を船揚げ、陸揚げしとったんだけども、帰るとき3時間、4時間でものを積めったって積めるわけないわね。

Q:中瀬さん、その実際、もう日本に帰れるとみんな思ってたわけですよね、一時はね。それが急に、やっぱりもう1回戦場へ行けって言われたときのお気持ちは、どうだったですか?

うーん、気持ちはそんなに、うれしくもないし、ああ、やられたかっていうようなもんで。

Q:それでもやっぱり、がっかりはしなかったですか?帰りたかったっていうか。

うん、やっぱり、がっかりしたっていうのが本音だろうね。

兵隊におるっていうことは、やっぱりほとんどその、命なんていうことを考えてないから。「ああ、やっちゃるか」っていうようなもんでね。だけど、軽い気持ちでおったっていうのは、連隊長そのものでないですか。まあ、向こうへ、戦地行ってからの話だけれども、わしらは見えんけども、向こうのタイボ岬に上陸して、それから敵陣に攻撃するときに、4列縦隊で攻撃したって、攻撃っていうか進軍したっていうんだから、まるで平地の行軍だもんね。

はじめに偵察機が来たんだよね。「おお、アメリカの飛行機来たわ」って言って見とった。そのうちに、今度後ろから、あれ戦闘機だろうね、射撃しながら。いや、そのときの恐ろしさといったらないわね。そしてあの、えい光弾って、あの火のついた弾、弾着見るのに、あれ何発に1発入ってるのかね。そいつら飛んでくるんだよね。いや、気持ちの悪いことったらないさね。そうしているうちに、それが1機だけでない、次から次、3機も4機も来るんだよね。そしたら今度、「中瀬」っていって先輩たち言うから、「はい」って言って行ったら、「お前本部へ連絡に行け」って言うわけさ。そしたら、いや、その弾の初めて、わたしら戦争の初めてだから、ひざがたがたがたがた震えてるんだよね。それで「連絡に行け」って言うから、しかたないから「はい」って言って。そして、「これ持ってけ」って言うから、便せんに何書いてあったか知らんけども、後ろに下がって。あれでなんぼあっただろうな、400~500メートルあったんかな。その間の恐ろしいことったらないんだよね。そしてあとから、「おお、よく来たな」っていうわけであれしとったけれども、誰しもその1回目、2回目、3回目ぐらいまでは、ひざ小僧踊るっていうんだよね。わしらも3回目ぐらいになったらだいぶ落ちついて、「ああ、おれんとこ撃ってないわい」っていうようなことで。「やつんとこ撃ってんだ」っていうのが。落ちつきが出てきたわね。

もう今はそういうことないけれども、アメリカ給与・ルーズベルト給与になるんだって。1週間もすれば飛行場占領するんだ、っていう気だけだったよね。

「上陸地点から行く」って、あれ第1梯団(ていだん)がね、海岸のほうから攻めたんだけど、「これじゃあまずい」っていって、今度山手から攻めるというようなことになったわけさ。そしたら、結局、あれだろうね。やっぱり川は渡らならん、川も山も、向こうもやっぱりあるんだけども、そんな大きな高山はないけども。あるんだけど、その川を渡るのに、夜の川渡るの気持ちの悪いことはないわね。そして、何がおるか。ワニは人にかかってくるもんだと思っておったけどもね。まあ、そのときは見えんかったけども、相手はどこにおるかわからんのに、川を渡れって、これどうして渡るのかなと思ったよ。装具を解いて渡ったって、向こうに敵がおったらもうどうもならんし、そのまま渡ったらずぶぬれになるしっていうようなことで。そして、はじめは、あれ、1回目は上着を脱いで、頭にあげていった、渡ったんだな。腰から下はずぶぬれになったけど。でも、まあまあ、その程度。今度だんだんなれてきたら、そのまま渡って、向こうはそんなに寒くないから。ぬれとったって何もそんなに寒くないし、すぐ乾くから、そのまま渡ったけども。そして結局、あれだよね、山の中へ入ったり、川何本も渡って、峰を何本も越えたけども、あれどういう地形だったのかね。結局、飛行場は海岸のほうにあるんだから、岩場から来たら、川が何本も、支流があって合流しとったんだろうね。だいぶして寂しい、あれだねー、無言の業で、やっぱりあれだよね、ジャングルの中歩いておっても、だいぶあとになってからだけども、「マイクがあるからしゃべるな。足音たてるな」そんなこと言ったって、しゃべることはせんでも足音を消すわけにはいかんしね。

そして、飛行場近くなったら、やっぱりあれマイクの線の束が、このぐらい太いやつがあったわね。

マイクロフォン、それ、しゃべったり足音したら、敵が日本軍が結局どこに辺にどのくらいおるっていうのを調べるのに、マイクかけてたんでないかい。マイクの存在は見えんかったけども、「マイクがあるから気をつけれ」っていうようなことはあったけどね。

もうだいぶ飛行場近くなってから。発見したのが、その、全部束になって、黒になって下にあるから。わしは、「それをぶった切る」って言ったのさ。

今みたいに、それ、無線がなかったから、全部有線だったから。
「切る」ったら、小隊長「切ったらだめだ」って。「切ったら、切られたっていうの見にくるから、どこに来とるっていうのわかるから、なおだめだから切るな」って言うわけさ。

いやいや、照明弾の明るいことったら、昼、昼間みたいなもんだよね。いや、そうしたと思ったら、弾の来るの来るのったら、動けん、身動きならんぐらい来るんだよね。

そして、攻撃始まったら、いやいや、相変わらず弾は来るわ、照光弾は向こうのやつはずいぶん長いんだよね。日本のやつは、本当にもう2分か3分だけども、向こうだったら5分も10分もずっとともってるんだよ。明るいの、あんた。
そしたら、弾は来るの来るの。そして、向こうは「ドジョウ防衛式」ってわしらが言っとったんだけども、奥のほうから、どんどこどんどこどんどこって、うまいこと兵隊引き寄せるんだよね。「遅れたらやられるぞ、遅れたら出れ、出れ、出れ」っていって。そしたら、だいぶ出てからだったな。イシダっていう兵隊が「潜る、班長潜るぞ」って言うわけだ。「だめだ」って言って。「今お前電気通っとったら困るから、待て」っていうわけで。そして、小銃をぶん投げたですよね。そしたら、もう「ああ、火出んから大丈夫だ。潜ってもいい」って。「よし」そしてそれを潜って、あとは「ずいぶん弾来るけども、おい、起きたらだめだぞ」って言って。そして走って、そして「出れ出れ出れ出れ」っていって。そして出てって、もう近くになってるの。そんで、もうあれだよね、あれ100メートルか150メートルもあったかな。敵さんの動くの、もう見えるようになってきた。

Q:あがったとき、どうされたんですか?

あがったときに、身動きとれんから、そのままぺたっとへばりついとるだけだ。

Q:そうしたら、撃ってきた。

いや、そのうちに消えるだろうと思っとるけども、あれ、実際はどのぐらいついとったものかね。長かったけどね。5分も10分もついとるような気持ちしとったけどね。

Q:その間は、アメリカ軍は撃ってこないんですか?

撃ってくる、撃ってくる。

Q:あ、うーん。どれぐらい撃ってくるんですかね?

どのぐらい撃ってくるっていったって、あんた、ザーってする音だ。パンパンじゃない。

Q:ザーってなるんですか?

だから、物資がすごいあるんだ。だから、飛行機でここへ来たときに、「ずいぶん撃つのう」って。「やつらどうやって弾撃ってんだ?」っていって見とったら、あんた、向こう、今あれだわね、弾だっていうことをわからんけど、弾だろうと思うんだけどね、トロッコで押してきてるんだもの。

Q:あー。トロッコ?

うん。トロッコ引いて、トロッコでずんずん補充してるんだね。

「おい、こんなに弾来たか」って言ったら、「まあ人間のするわざでねえぞな」って言って。

Q:人間のしわざでないと。

うん。「ずいぶん来るなあ」って言って。そして、「いやー、ノモンハンでもこんなに攻撃しない、間があったからいいけども、ここお前、見とるんだか見とらないんだか知らんけども、弾の切れ間ないから、どうにもならんもなー」って言って。

「突撃したって、お前、おれら3人で突撃したって、そこ行ったらやられるぞ」って言って。

「もうこうなったらな、誰もおらんのじゃから、どこで死んだって同じよ」って言って。「どこで逝ったって、もう戦病死にしかならんのだぞ」って。そして話しとったら、ナルミっていって、突撃した兵隊がおるんだ。

Q:その、突撃した人はどうなったんですか?

どうなったか、何言って、あらって言って、相手に、「わー」って喚声上げて突撃しているのをおれらも見とったんだ。そしたら、すぐぱたぱたっと、すぐやられちゃう。あれ3秒ももたんかったでしょう。

Q:立ち上がったとたん撃たれる。

撃たれるからね。その後、あれ、その後もう1組ぐらい行ったな、あれ。5人か10人ぐらいで行ったら。やっぱり、あれ、指揮刀持っとったから、将校しとったんだな。将校があれ、刀振り上げて行ったから。あれでやっぱり生きて帰れるはずだと思って、結局突撃したんだろうけどね。

これで自分が帰るとなったら本当にだめで。そこでもう、帰るぞとなったときには、一も、それこそね、1分もそこにおられないわね。そしたら「もうおい、それ、よし帰るぞ」となって。そしたら、帰るときになったらね、今まで、そこまで地べたにひっついて、腹、地べたにひっついてはっていったんだけども、帰るぞとなったら、そんなことしておられんのさね。それから今度、しかたないから、もう立って、もうばーっと走るの。

危ない。したら、敵がそれ、そうなったら、夜明けとるから、見えるから、敵もそんなむだ弾撃たんのだものね。夜は見えんから、どこにおるかわからんから、めちゃくちゃ撃っとったんだよ。いや、弾が切れるから、さっと立ってばーっと行った。したら、向こうは狙い撃って、こう、「あの野郎」、だーと追っかけて、・・を引いて弾が来るまでに伏せないかんわけさ。そんなら、何秒間だわね。走って伏せ、そして走って頭を伏せたら、頭の上ザーっと、それこそザーって来るんだわ、弾が。

Q:うわー。雨みたいな感じで。

うん。ザーって来る。「うおおおお」というわけで。そして今度、向こうがちょっと油断する間、間を置いて、また走る。ざあーっと来る。そうしてその繰り返しやって、そして……。

うん、おっかない、おっかない。その、命失ってしまったら、そのおっかないことってないわね。それを繰り返し、で、川の中に飛び込んだんだわね。そして、「うおー、助かった」って言って、そのときに初めて大息ついてさ。

狙って撃っとるわけじゃないんだよ。

Q:もうそこらじゅうに。

そこらじゅうに撃ってるんだと思うよ。

やっぱり向こうも恐ろしかったんだよ。それ、日本がそれ、肉薄攻撃してて。もう黙ってこそっと来て、うわっとやられるからと思っとったらしい。だから、それを寄せつけんがために、どんどこどんどこ撃ってたんだ。

「こっちの方向から来たんだから、まあ、ジャングルふたりで、しょうない、行くべ」っていって。そしたら、3時間か4時間ジャングルの中歩いたかな。もう日はかんかんと、お昼近くだったから、あれ夕方じゃなかったのかな。ぽかーっと。
だから、そのジャングルに入ったときのね、まあ寂しさっていうものは、ふたりきりでしょ。どこへ行くもんだか、見当つかんのだね。「こっちのほうから来た」っていう報告だけれど、自分の居場所がわからんのだから。どこ行くかわからない、心細いの。そして、心細い思っとるときに、ぽかーっと草原に出ちゃったんよね。「おい、来たときこんな草原なかったぞ、なあ、おい」って。「どこへ行くんだべ」って。「どこへ出たって、浜へ出たってしょうないわ。それよりも腹減ったのう」って言うわけだ。「おお、腹減ったけどよ、何も食い物ねえわ。」そして、ちょっと、ひょっと見たらね、パパイヤの木が1本あるのさ。ふっと見たらまあ、黄色い実が3つなってるんだ。「おお、天の恵みじゃわ、これ」っていうわけで。そして、「おお」って、それをふたりで分けて食って、「おい、腹の皮張ったら、目の皮たるんだの」って言って。「寝るべ」って言うわけで。「おお、寝るべ」って言って。そしてふたりで寝たんだけども、あれ、なんぼ寝たかな。30分寝たんか1時間眠ったんかな。
それから、その草原を渡ったら、小さい草原だったんだよね。
それ渡って、そのジャングルへ入ったら、パーンって小銃の音するんだ。

そして、さっと行ったら、あんた、あれだね、やぶの中から、「おいおい」って言うんだよね。いや、そのときの驚きようっていったら、あれだよね。敵に初めて空襲受けたときの恐ろしさどころでなかったね。やっぱり、身の毛がよだつっていうけどもね、毛が立つのわかって、腰の抜けるのわかったもんね。よたよたっとね。ああ、こんなことになるのかなって思って。だけど、「待てよ。おいおい」って言うんだから、日本だな、日本の兵隊だなと思って。「おい、だれだお前」って言って。「おれ歩哨(ほしょう)だ」って言うわけよ。「お前らどこ行くんだ」って。「どこ行くんだっていったって、お前ら、お前、人の背のうかっぱらいやがって、お前、何か食い物よこせや」って言ったら、「食い物なんかあるわけねえでねえか」って。もっとも3日の攻撃予定が1週間かかってるんだから。

あがって3日の予定だったんだよ。3日で占領、飛行場占領するっていう予定だったの。いや、7日かかってるんだ。

弾が来るの恐ろしさでだろうね、腹が減ったっていう感じはなかったんだよね。あれ、3日ぐらい前までは、「腹減った」と、「腹減ったの、おい」って言っとったけども、それぐらいになったら、それ、戦闘が激しくなってきたら、腹減ったなんていう考えは、余裕はなかったんだよ。

そもそも飛行場を攻撃するときだって、あれだよね、あれ、打ち合わせよりも1日、わしらの部隊が遅れて。結局、あれは歩兵砲や機関銃が援護射撃するのに、出れんかったんだから。1日遅れて単独攻撃になった。それよりもまだ川口支隊が遅れとったんだから。

Q:ああ、1日遅れたんですか?

1日遅れた。

Q:ああ、道に迷ってっていうことですか?

そうそうそうそう。

Q:それは、でも、作戦としては、かなりまずいですよね?

まずいどころでない。はじめから、もう戦争にならんのよ。

Q:それは、でも何とか時間に間に合うように行こうとはしたんですか?

行動はしたんだけど、あせってあせってしたんだけども、何せ、あれジャングルで身動きならんし、地図はないし。わしらが迷っておるんでない、上から迷っておったんだから。

それは、ダメージが大きいわね。向こうは、用意する弾薬だって・・・。向こうならその、それ無尽蔵にあるけども、こっちはさ、20発か20発しかないんだから。持ってっただけしかないんだから。そいつを援護射撃で撃ってしまっとるんだから。打ち合わせして、「これを、援護射撃するから、そのときにこっちが攻撃する」ってことになっとったんだから。前の晩に、一生懸命援護射撃の音は聞いていたんだ。まあ、だから、いや、あせったあせった、わしらもあせったけども、どうしようもないわね。

まあ、どだいこだい、もうあれでないかい。日本はもう戦争のあれでないかい、戦場に行く過程でもって、もう全然もう引けをとってるんだから。

だから、作戦が結局、日本はもう、それこそあれだよね。敵前上陸だなんてわしら聞いとったけども、向こうがもう構えておるところに、こっちから行くのかと思ったら、向こうに何にもおらん、遠くのほうにこそっとあがって攻撃するんだけど。アメさんはやるのは、あれだよな、わしらが見とったら、はじめ、あれだよね、飛行機でばんばかばんばか山の変わるぐらい、変わるぐらい撃ってさ。「何人もおらんのにばかやろう」って言っておれは見とったんだけどね。

Q:人がいないようなところも撃ってるわけですね。

そう、撃ってる。それから今度、艦砲射撃ばんばかばんばかやるんだよ。そして、真っ昼間、堂々とあがってくるんだよね。

Q:全然、こう戦い方のスタイルが違うわけですね。

戦い方のスタイルが違うどころか、結局、あんだけ物資の違いっていうのは、あれだよ、大人と子どもっていうけど、大人、子ども以上に違うんでないかい。

日本軍がやるのは、日本の艦砲射撃は見たことがないけれども、野砲なんか撃つのはあれだよね、3発で当てるんだよね。1発は遠くへ撃って、2発は近目に撃って、ああ、この差がなんぼだからここへ撃てば当たるっていう戦法なんだけれども、アメリカはどんどこどんどこ撃ってくるから。

Q:うーん、もうとにかく撃ってくるわけですか。

とにかくもう数でこなすから。だけども、あれもまたうまくいくと、わしらみたいに運のいいやつっていうのか、悪いやつっていうのか、まあ、あれだわね、艦砲射撃やったときに、みんなもう近く行ったら来んから、その時は、「今度わしはどこへ行ったって死ぬんじゃわ」って、もうふてくされになっとるから。「ええい、ここにおったって死ぬんだわ」って言って、「死ぬときは死ぬんだし、当たらんときは、当たらんのじゃわ」って言って、しておったんだけどもね。艦砲射撃来て、今度どんどこどんどこ近くなってきたんだ。
してそれが、今度来るぞっていって。したら案の定、すぐそばにあった木に当たったんだよね。そして木の枝が、大きな木の枝がどさあっと落とされたら、「おお、来たわ、おおい。今度来るぞ、おおーい。ちゃんと座っておれよ」って言って、うちのナカムラとふたりだったの。したらね、案の定、座ってすぐそばへ来た、もう1メートルぐらいのところにね。それが今度やっぱり運のいいっていうのか、自分の当たったものがね、不発弾だったんだよ。それを不発弾ってはじめからわかりゃあいいけども、時限でないかなと思ってね、あの…。

空気の色が変わるっていったって、わからないでしょう。

Q:空気の色?

あの、弾の光跡でね。

Q:空気の色が変わるんですか。

あの飛行機雲みたいに結局、あれの小さいやつが、シューシューシューシューと撃ったの来ると、全部色、白くなるんですよ。それが数多く来るからもう真っ白になって、霧みたいになっているの、ぐるぐるたまってくるから。艦砲射撃はそんなことないけどね。

Q :その機関銃の弾で、空気の色が変わるんですか。

そう。艦砲射撃だと、弾は今度大きいからね、やっぱり戦闘でわしらいちばん恐ろしかったのは、やっぱり艦砲射撃だね。飛行機なら2分か3分だけども、艦砲射撃がなんぼ、ずいぶんやられたりとか1時間30分やられたからね。

Q:1時間30分も、ずっと。

うん。向こうは船で持っているから弾は豊富だから、そして日本とは違って、やっぱりあれなんぼでも撃ってくるからおもしろいの、こっちもまた抵抗もないし、おもしろがって撃つんだろうね。

いちばんつらいっていうのは、やっぱり食料、食べ物のないことだね。まあ、幸いあそこのところで水がよかったから、川の水がね。山の中に入ってないときには、まあ向こうは必ず雨降るから、テントと雨受けて、水の不足して困ったということはなかったね。だからほとんど、水と、馬でないけども、草の芽食ってね、草つまんで食って、苦く(にがく)もからくもなかったら、「ああ、これ食えるわ」っていうような調子で。だけどそんなものだから腹いっぱいとか腹ふくれたっていうぐらいの食事はないんだよね。ジャングルに入ったとき、むろんもう食事ももらえるとも思わんし、腹減ったっていうやつもおらんし、ものしゃべるやつはもう、うるさかったよね。「何こんなこと言っているんだ。しゃべったら腹減る」っていうようなね。ただ黙々と、それ前の人のついていったあと探ってついていくっていう状態だからね。

だから、あれだよね、わしらもよっぽどやっぱり腹減ったら、「いやあ、これアメリカさんだったら食えるけれども、日本人ばっかりだから食えんもんな」と思って。人間食ったことないけども、あれアメリカさんがおったら食っとったかもしれんね。

Q:ああ、そうですか。

ああ。食った人もおるかもしらんよ。わしは聞いたことはないけど。

いや、地獄って、地獄だと思ったね。食べたいっていったってない、飲みたいったらないでしょう。だれも身内はおらんしょ。病気になったっていったって、医者はおらんのだしね。医者はおるけど、薬がないんだわ。で、わしは運よくあれだね、キャベジン1瓶拾ったんだよね。あれでだいぶ助かったけど、あれ半分ぐらい飲んだとき、それをまたかっぱらわれたんだ。
でも、あれキャベジンはあれ、大きな医薬用のこんな大きいやつだったから大した助かったね。何にもないから、かっぱらうやつは、体の強いやつはかっぱらうんだよね。

Q:ああ、仲間同士でじゃあ、とる、盗みみたいなのもあるわけですか。

あるね。わしらも、あれ、ライターも、あれ火のないのにライター拾ったんだよ、火の出ないやつね。綿糸にぼっと火つくだけで炎の出ないやつね。これはいいもの拾ったと思ったら、それ使っとったらやっぱりだれかれ好ましかったんだろうね。「ああ、これでマッチがなくでも大丈夫だわ」と思ってだいぶ安心しておったんだけども、それもかっぱらわれちゃった。

歩いていると、それ、向こうわしらの行ったところは、夜中には1回か2回、昼も降るんだけれども、あのスコールっていうやつが降るんですよ。それいやで、結局、民家の、そのあいているところに入って寝ようと思って入るんだよね。そうすると、結局そこへ入ったら、床でもあるかと思って、今度真っ暗い中の家の中だから、なお暗いんだよ。しかたないから自分の足でこう探るんだよね。そうしたら死体がなかったら、そこのところでごろんと寝るんだ。朝起きてみると、その辺にごろごろ死体があって、ハエがいっぱいぐじゅぐじゅたかっているの。「ああ、こんなところへよく寝たな」っていうもんで。はじめ戦死者が出たときなんかだったら、だれかひとり死んでおったらくさくてどうもならなかったんだよね。死体を見んでももう、そこらへ行ったら、もうくさくて、だれかどっかで死んでいるぞっていうような話だったんだけれども、そうなってきたら死体のにおいなんかもばかになっちゃってわからないんだよね。においなんか。

Q:ああ、感じないんですか。

感じないの。みんながそんなにおいになっているから。で、いやあ、もうおったなあって、外へ出ると、外でもそうなんだよね。ヤシの木があるんだけど、夜になると、それでさっき言ったとおり雨が来るから、下手するというと河原のあのあたりで寝ていると水、増水してくるから。してさ、少し高いようなところを狙って寝るんだ。いっぺん死体の上で寝ておったことあるけどね。あれ向こうで土なんかかけんのに、死体よく、あれどこか大阪の兵隊かだれかがやったのかね、土かかってた。それで、夜明けてみたら片手出とるから、「ああ、苦しい、その上で寝ておったんだな、重かったべ」なんて言ってきたけれども、そのぐらいまひしているんだよね。

Q:ああ、もう驚きはしないんですね。

何も驚きはしない。死んでいるのが当たり前になっているようなところでね。で、家の中なら、あれだよね、人間が、その兵隊が死んでいるのがみんなもうウジたかって食って、がいこつになっておるのがいっぱいあるし。外ならカエルの干したのみたいになってね、日当たりのところだら3日もしたらいいかげん乾くんだよね。とにかくやっぱりあれ赤道直下じゃないけども、なんぼも離れてないから暑いんだよね。

Q:じゃ、どんどん腐るわけですね。

そうだね。腐るっていうか、ひなたは干せるの、日陰は腐るんだけど、腐るって、ウジに食われるんだな、ハエに。ハエがまた早いんだよ。生きとるうちにもう、ハエつくからね、ウジがつくから。

そのウジがまた大きいんだよ。

Q:どれぐらいの大きさなんですか?

まあ、こちらのウジの3倍はあるだろうね。
1センチぐらいはあるんでないかな。

Q:それが死体を食べるわけですか。

死体を食べるの。それを人間が食べる、食べたという人もおるんだけども。わしはウジは食ったことなかったけどもね。

まひしているの。まひしているっていうか、人間が狂ってるっていうか、きちがいっていうか。まあ、普通の人間でないだろうね、あのときの状態は。まあ、あんた方も聞いておるだろうけれども、そのあとの戦場を片づけるのに、全島でないだろうけども、アメリカさんはそんなひとりひとり片づけられんからブル(ブルドーザー)持ってきて、ブルで穴掘って、ブルで死体を押しつけて燃えたっていうんだから。だからブルで集めるほど死んだんだっていうから、相当なもんでしょう。まあ、夜、月夜の晩なんか歩いたら、月夜の晩で歩いておってもひと晩歩いておったら1回や2回じゃないもんね、死体につまづいたのは。自分の寝るところをさ、死体のないところを探すのに苦労するぐらいだから大したもんだ。やっぱり向こうにおるとき島にもう、兵隊のおるところないっていうくらい一時はあがったんだけどね。

Q:戦車は、そこから突っ込んできたわけですか?また。攻撃してきたんですか?

わしらの方に突っ込んできたわけでない。その辺にその兵隊がおるやつをわしらに言わせたらつぶして歩いたんだね、はいずっているの。

Q:つぶしたんですか。

はい。で、その戦車もその、たーっとしているわけでねえんだ。向こうもそれ、わしらはアンパン、アンパンって言っておったけれども、戦車地雷だわね。それを恐ろしがっているんだと思う。向こうの兵隊先について歩いて、そのあとをその戦車が来るような状態さ。

Q:日本兵をつぶしていってたんですか?

日本でつぶしたって?

Q:いえ、日本兵を、こう倒れている日本兵を。

そうそうそう。倒れているやつとか、まだ生きてその辺にはいずっとるやつっていうか、何ちゅうか、おったんでないかい。

撤退、走って帰るときに、結局わしらの犠牲になったんだろうね。わしらが立って走って伏せたときに、ばあっと弾来るときに首に当たって、「げふっ」っていっていっぺんに死んだ兵隊おったけどね。だけど、自分で分隊長でおって、自分の分隊の兵隊の死んだの確認したのひとりもいないんですよ。どこでどうやって死んだかわからないんです。

Q:もう気がついたら部下がいなかったっていうことですか?

そうそうそう。どこで死んだか、どういうふうになったか、全然わからないの。で、あれで軍隊は気の毒なんだよな。結局わからんということは、犬死にさせたということなんだよね。結局あれ、確認する人がおらんかったら戦死にならんからね。

あの司令部のほうに出したのは、何もわからんから全部、戦死にして出したんだ、って。そうしたら、「向こうでお前、ずいぶん餓死したっていうのおる。そんなことない。ちゃんと別にして、ちゃんと調べてよこせ」って返ってきた。書類返ってきたっていうのね。もうしようがないから、「このページは戦死。このページは戦病死」っていって、1枚めくりで交互にしてね、そして出したっていうんだけどね。

だけど、まあ戦死も戦病死も扱いは同じだけども、故郷におるわれわれは、やっぱりうちの息子は戦死したんだっていうのと、戦病死だったらイメージが違うからね。戦死にしたいんだよね、やっぱり。

向こうで撤退する前なんかでも、その艦砲射撃やるようになったりなんかしたら、やっぱりきちがいが出るんだ。あれ、砲弾の音が、爆弾の音が、あれお祭りの太鼓に聞こえるんでないかい。「お祭りだから行こう、行こう、行こう」って言うんだよ。「お祭りってお前どうして、ここお前どこだと思っているんだ」って言ったら、「あれ、お祭りの太鼓鳴ってるしょ」って言うんだ。

Q:砲弾が落ちている音をお祭りだといって、出かける人がいるんですか?

うん、どかどかどかどかするからね。太鼓の音に、まあ聞こえるんでないかい。

頭おかしくなってるんだ。頭がおかしくって、わしらもよくそのきちがいって言われんかったなって思っておるだけであって、よっぽどそれに近かったんでないかい。

で、兵隊のことは、何とかおさまりつくんだ。将校がきちがいになってくると、あの軍刀を持っているでしょう、あいつ振り回してやるんだから、どうしようもないんだよね。

1日に1回の急襲ならいいけども、急襲の連続、迫撃砲は来るわ、艦砲射撃は来るって、砲弾の音の聞こえない、どかどかどかどかや、夜も昼もやられたらきちがいになりますよ、考えてみたら。少し楽しいことが間にあればね、いいんだけども。朝から晩まで、晩から朝までどかどかどかどか、砲弾の音聞こえないことっていうのはないんだから。
それだけもう、向こうはもう物資がずいぶんあるもんだって思ってね。

日本から行ったら、あんた、砲弾でも機関銃でも弾に限度があるんだから。

Q:こっちはね、日本軍はね。

うん。30分撃ったらなくなるんだから。

帰ってきたら、あれ帰ってくるのは、昔わしらの若いときには、兵隊さんが帰ってくるっていうのは、音楽隊で迎えに、部落の人が迎えに、華やかに迎えに出てきたもんだけども、わしらのときは、こそっと帰ってきて。だれも知らんはずなのに警察が「来い」っていうわけさね、部長が。だから、わたしは「何のことかな?」と思って。してから、「『この駐在所から来い』って、連絡あったわ」って言って、「『来い』って連絡あったよ」って言うから、「何のことかな」と思って行ったら、「お前な、ガ島から帰ってきたけどな」って言うわけさ。「お前何も言うなよ、いらんことを」って言うわけさ。「いらんことって何かい?」って言ったら、「いや、向こうの戦場のことを言うんでないよ」って言って。ちゃんと警察ガードしてるなっていうわけさね。

Q:ガードしていると。

ああ。まあ、「向こうも見とる、全部見とる」っていうわけさ、ついて歩いて。「お前の行動、全部見とるからな」って言うわけさね。そして、それを今度、戦友会に行って、だいぶあとになるけど話したら、「おお、そうよなあ」って言って。

Q:中瀬さんは、警察にずっと見張っているぞって言われて、どう思われました?

いや、どうも思わない。見張りたけりゃ、見張っとれっていうようなね。
いや、結局まだ、わしら帰ってきたときには、戦争継続中だから。結局向こうが一生懸命うそ言っているのを、真実を言われると、結局銃後の結束というのか、何というか、世論というか、こわされちまうでしょう。「戦争負けているんだ。負けて帰ってきたんだ」なんて。ミッドウェーの戦闘でさえ、何か海軍の被害は軽微て言ったっていうんだから。ほぼ全滅しておるのにね。全滅するって、あれ駆逐艦が3隻帰ってきた、逃げたということかい。

わしらもまあ、本当に降伏するとは思わんかったけどもね。まあ、「いつかどうにかなるだろう」っていうね。まあ戦争負けるころになると、まあ、「日本はアメリカに負けて、日本はアメリカ日本州になるわ」っていって、言っておったんだけどね。

どういう戦いだったといったって、わしが好きでしたわけでもないけれども、命令によって動いただけの話だけれども。まあ、あれだね、戦いのまずさもあるし、やっぱり軍の整備というか装備というか、雲泥の差だもんね。まあ、まともにしたって、あれ勝てっこはないわね。わしの見た範囲内では、あんだけの物資あんた、道路にだっていたるところにガソリン置いてあるんだから。いつ何時、自動車がガス欠になっても送られるように。

やっぱりあれだよね、ガ島ばっかりじゃなくって、やっぱり戦争するときには、まあ普通のけんかも子どものけんかもそうだけどさ、結局相手の力と自分の力と見比べて、自分が勝てるというようなけんかはするもんじゃないんだよね。

結局、人が死んでいく、死んでいくといったって、あんな惨めなのないよね。人間が生きとるうちにウジたかってんだから、かわいそうな、それもひと言も何もしてやらんのだから。もう生きとるうちからもう目、鼻。結局体動かんからこの辺の下のまわりにおまえ、うじゃうじゃと白くなったウジたかるんだから。

あの戦場のありさまを見たら、とてもじゃないけども、親にこの場所を見せたら気絶するな、というような自分で感じは持ったわね。まあ、映画になんかに出てくる地獄絵図なんていうのは、あんなもんでないもの。

出来事の背景出来事の背景

【ガダルカナル 繰り返された白兵突撃 ~北海道・旭川歩兵第28連隊~】

出来事の背景 写真太平洋戦争開戦から半年、日本軍は南太平洋のガダルカナル島に前線基地として飛行場を建設。制空権を握り、米軍とオーストラリア連合軍の連携を絶とうとしたのだ。それに対して、米軍は、日本軍への反撃の第一歩としてガダルカナルを攻略することを決定し、昭和17年(1942年)8月7日、ガダルカナル島に上陸、圧倒的な兵力で日本軍から飛行場を奪い、その日の内にガダルカナルを占領した。

占領された飛行場の奪還を命ぜられたのは、歩兵第28連隊の兵士を中心に編成された「一木支隊」だった。米軍は攻勢を強めていた日本軍を警戒し、11000人の兵力を持ち、周到な準備で日本軍が来るのを待ち構えていた。一方日本軍は、日露戦争以来採用してきた、銃剣を持って敵陣に突撃する「白兵突撃」で向かっていった。しかし、米軍の圧倒的な火力の前に白兵突撃は無力だった。

8月18日から10月24日まで、日本は3度にわたり総攻撃を仕掛け、その度に犠牲を積み重ねた。日本の輸送船は米軍機の空爆を受けて沈められ、補給が絶たれた。ジャングルをさまよう兵士は、飢えと病に苦しみ、兵士の多くが戦わずして死んでいった。やがて、ガダルカナル島は飢餓の島、“餓島(がとう)”と呼ばれるようになった。

昭和17年12月31日、ガダルカナル島の日本軍に撤退命令が下されたが、撤退が実行されたのは、翌年2月。この時、一人で歩くことができない兵士の多くはそのまま島に置き去りにされた。ガダルカナル島に投入された日本軍、3万1千人のうち、5千人が戦死、1万5千人以上が飢えと病で命を落としたとみられる。
ガダルカナルの戦いののち、日本軍は南太平洋の島々で次々と敗走していくことになる。

証言者プロフィール証言者プロフィール

1918年
北海道上川郡當麻村にて生まれる。
1939年
現役兵として歩兵第28連隊に入隊。
1941年
満期除隊。
1942年
召集され再び入隊。第2悌団の歩兵としてガダルカナル島上陸。
1943年
船でガダルカナル島を撤収。ブーゲンビルの陸軍病院でアメーバ赤痢・マラリア病の治療を受けた後帰国。防衛隊として終戦を迎える。

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ガダルカナル島

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