わたしは歌手になりたい

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scene 01 セリは歌がすき

海ぞいの道でおじさんがウクレレをひきながら歌っています。そこを通りかかった小学4年生のセリは、立ち止まるとおじさんの歌に耳をかたむけました。そして道ばたにランドセルをおくとその上にこしをおろし、おじさんの歌にわりこむように勝手に歌いだしました。「♪かなわないゆめ おいかけつづけ …ながれるけしき そびえる富士(ふじ)が…♪」。おじさんはちょっとびっくりして、そんなセリの歌をだまってきいています。

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scene 02 へたな歌はがまんならない

教室でおどりながら歌うクラスメートを、セリがつまらなさそうに見ています。アイドルグループの写真を見ていた友だちがセリにも見せてくれました。ところが、「なんで全員おんなじ髪形(かみがた)してるの。それに、歌へたすぎ。この前の生放送なんて口パクだったよね。歌手としての自覚(じかく)ってものがないのかね」というセリ。「ひどーい、セリ」。「セリ、はっきりものいいすぎ」といわれます。そんなみんなをのこして、「ばっかばかしい」とトイレに行くセリです。

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scene 03 「おなかいたい」というウソ

放課後(ほうかご)、“一年生をむかえる会”の合唱(がっしょう)の練習です。「♪太陽と土と水を この手でさがそう 太陽と土と水を この手で持とう♪」。でも、歌はばらばら。声も出ていません。「そんなんじゃ1年生にバカにされるよ。あと10日しかないんだから!」とおこるリーダー。するとセリが、「いたたた、おなかいたい」と言い出して帰ろうとします。「先生にあいさつしておいてね」といわれ、「はーい」と出ていくセリ。ところが、ろうかに出たセリはけろりとしています。おなかがいたいというのはウソでした。

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scene 04 「今日もさぼった?」

職員室(しょくいんしつ)の前までくると、セリはおなかをおさえ、いたいふりをして入っていきました。するとそこはいつもの職員室ではありません。黒板に大きく書かれた“迷ってる?”の文字。そこにいたのは、まよってるときに時々あらわれる“時々迷々(ときどきまよまよ)”でした。「練習は?」と時々迷々に聞かれ、「いっしょに歌ってたらわたしのレベルが下がっちゃうよ」とセリ。「今日もさぼった?」。「合唱(がっしょう)とかダサいし。あんな歌かっこ悪い」。セリは職員室のドアをしめて帰ってしまいます。

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scene 05 オーディションの通知

家に帰って発声の練習をしていると、「セリに手紙来てたわよ」とお母さんがいいました。いそいで手紙を読んだセリは、「すごいんだよ! すごいよ、すごいんだよ!」と有頂天(うちょうてん)です。次の日、セリは学校でみんなに手紙を見せました。『明日のスターは君だ!』と書かれたその手紙は、オーディションの一次審査(しんさ)を通ったという通知でした。「すっごーい!」とみんなもおどろいています。「というわけで、帰って練習しなきゃ」と、今日もセリは合唱(がっしょう)練習をしないで帰っていきます。

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scene 06 なんでわたしが不合格?!

オーディションの日がやってきました。会場にはおおぜいの女の子が集まっています。いよいよセリの番です。セリはブルースを歌いました。「♪かなわないゆめ おいかけつづけ あいつすてて 電車に乗った…♪」。ところが、合格(ごうかく)者のなかにセリの番号はありません。審査(しんさ)員にかけより、「なんでわたしが不合格なんですか」と聞くと、「君の歌には、つやがない」といわれましたす。「つやって何? どういう意味ですか」。「わかるようになるよ。君がちゃんと心で歌っていればね」。審査員はそういいました。

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scene 07 またウソをついてしまった

次の日、セリが学校へ行くと、クラスの女の子たちが口々に聞きました。「二次審査(しんさ)、どうだった?」。セリはだまっていましたが、笑顔(えがお)でピースサインを出しました。「なあんだ。不合格(ふごうかく)だと思っちゃったじゃん」。「次はスタジオオーディションなんだ」。セリはウソをついてしまいました。「すごい。いつ?」。「4月20日」。4月20日は“1年生をむかえる会”の日です。「早退(そうたい)しますって、先生にたのんでみなよ。きっと先生もゆるしてくれるよ」と、みんなはこうふんしています。

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scene 08 見送ってくれたみんな

時は流れて…。理科室を出たセリに先生が声をかけました。「いよいよオーディションだね。みんなおうえんしてるから、一生けんめい歌ってきなさい」。教室ではクラスのみんながおいわいしてくれました。「今日の“1年生をむかえる会”で発表する歌、これからセリのために歌うね」。セリをかこんでみんなは歌いました。そして、「はい。スイートピーの髪(かみ)どめ。花言葉は“新たな始まり”だよ。オーディションでつけて」。みんなはおくりものまでくれたのです。だまって受け取ったセリは、にげるように帰っていきました。

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scene 09 「あんなウソつかなきゃよかった」

海ぞいの道で、あのおじさんがウクレレをひいています。海を見ていたセリはウクレレに合わせて歌い始めました。「♪太陽と土と水を この手でさがそう…♪」。すると、「まよってる?」と時々迷々があらわれました。「あんなウソつかなきゃよかった」とセリ。「もうあとには引けないよなあ」。「みんながあんなにおうえんしてくれた。なんか感動した」。「みんなと歌いたい? でも今行ったら、ウソついてたことみんなにばれちゃうし。今さらいえる?」と時々迷々。セリはもらった髪(かみ)どめをじっと見つめていました。

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scene 10 みんなと歌いにもどってきた

体育館で“1年生をむかえる会”が行われています。次は4年3組の合唱(がっしょう)です。みんなが舞台(ぶたい)に出ていきました。すると舞台のそでにセリがやってきて、みんなをじっと見ています。やがてセリも舞台に上がり、みんなとならんで立ちました。「セリ? どうしちゃったの?」。みんなおどろいています。「みんなと歌いにきた」とセリ。合唱が始まりました。「♪太陽と土と水を この手に持とう この手に持とう♪」。セリもはればれとした顔でみんなといっしょに歌っていました。

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scene 11 「わたし、本当は…」

“1年生をむかえる会”が終わりました。みんな教室にもどります。「セリ、練習してないのに本番であんなに歌えるなんてすごいね」と友だちがいいます。そして、「ねえセリ、オーディションは? 2時からでしょ。だいじょうぶなの?」といわれました。ちょっとだまるセリ。するとそこに、「まよってる?」と、時々迷々があらわれました。考えこむセリ。そして、「わたし、本当は…」と、正直に話し始めたのでした。