目上の人と話すとき

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scene 01 「村上さんはどうやって参ったのですか」

サトルたちの学校の創立者(そうりつしゃ)である村上さんが学校に来るそうです。「村上さんは、聞きたいことがあったらなんでも聞いてほしいとおっしゃっていました。何か質問(しつもん)したいことはありますか」と先生。するとサトルが、「どうやって来たの。やっぱ、自家用ジェット?」と言いました。「目上の方なんですから、失礼(しつれい)のないようにちゃんと敬語(けいご)で話してください!」と先生。サトルは「村上さんはどうやって参(まい)ったのですか」と言い直しますが…『え、ちがった?』。すると伝じろうがサトルを見つめました。「うん。ちがった」という声が…。

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scene 02 なぜ敬語を使わなきゃいけない?

サトルが“伝じろうの心の中”へやってきました。アシスタントのお伝が、人形を高く持ち上げたり、ぎゃくに、人形の高さはそのままで自分をひくくしたりしています。「伝じろうの心の中へようこそ!」。あらわれた伝じろうは、さっきのサトルの敬語(けいご)、『村上さんはどうやって参(まい)ったのですか』を思い出して大わらい。「だって、敬語なんかふだん使わないからしょうがないじゃん」と言うサトルは、「敬語って、なんで使わなきゃいけないの?」と伝じろうにたずねました。

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scene 03 人と人をむすびつける“のり”

東京大学大学院教授(現在は「国文学研究資料館長」)のロバート・キャンベルさんは、アメリカ出身。日本語にせっしていくうちに、敬語(けいご)は日本語特有(とくゆう)の便利(べんり)な言葉だと気づいたそうです。「ぼくからすれば、敬語というのは日本語の中のキラリと光る宝物(たからもの)なんですよ。なぜかというと、人は、人と出会ってすぐには相手を信用(しんよう)したり、安心してしゃべったりすることができない生き物なんですね。敬語は人と人をむすびつける“のり”みたいなもの。それが、日本語の敬語のいちばん大切な部分だと思います」。

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scene 04 敬語の種類-ていねい語

相手を思いやる気持ちをしめすことで人と人をむすびつける言葉、敬語(けいご)。そんな敬語には、大きく分けて三つの種類(しゅるい)があります。まずは、『ていねい語』。文の終わりに「です」、「ます」をつけることで、ていねいな印象(いんしょう)をあたえることができます。たとえば、「賛成(さんせい)だ→賛成です」、「開く→開きます」などです。

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scene 05 敬語の種類-そんけい語

相手に対してうやまう気持ちをつたえたいときに使うのは『そんけい語』。そんけい語は、相手の行いに対して使い、相手を高く持ち上げることで敬意(けいい)を表します。たとえば、うやまう気持ちを表すときは、「帰る→帰られる」、「開く→お開きになる」のように、「れる・られる」、「お~になる」などをつけます。また、「食べる」は、「めし上がる」というふうに特別(とくべつ)な言い方をすることもできます。このように、特別に言葉がかわるものには、「言う→おっしゃる」や「来る→いらっしゃる」などもあります。

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scene 06 敬語の種類-けんじょう語

同じ敬語(けいご)でも、自分の行いに対して使うのは、『けんじょう語』。今度は自分をひくくして見ると、そんけい語と同じように、相手が高くなります。たとえば、「とどける」、「もらう」では、とどけたりもらったりするのは自分。「とどける→おとどけする」、「もらう→いただく」と自分をひくくします。けんじょう語には、「お~する」をつける言い方のほかに、特別(とくべつ)な言葉を使った「もらう→いただく」、「あげる→さし上げる」、「行く→参(まい)る」などの言い方もあります。

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scene 07 「村上さんはどうやっていらっしゃったのですか」

ちなみに、さきほどのサトルのまちがい、「村上さんはどうやって参(まい)ったのですか」は、村上さんの行いに対してけんじょう語の「参る」を使っていたのでおかしかったのです。この場合はそんけい語を使って、「村上さんはどうやっていらっしゃったのですか」と言えばよかったのです。

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scene 08 敬語のレッスン

敬語(けいご)の使い方レッスン。『サトルはケーキをもらった。となりの家のスズキさんにひとつ分けてあげたい。スズキさんに何て言う?』。サトルが考えます。まず、自分が人からケーキをもらったから、自分をひくくすることで相手を高めるイメージで…、「もらう」をひくめて言うと「いただく」。だから、「おいしいケーキをいただいたんです」。そしてスズキさんにケーキをたべてほしいので、「食べる」をそんけい語で言うと「めし上がる」。つまり、「スズキさん、おひとつめし上がりませんか」でした。「トレビア~ン!」。

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scene 09 敬語は日本語の宝物

「サトルくん、よくできましたね。ぼくもけっこう苦労(くろう)しましたが、敬語(けいご)があってよかったなと思うこともあるんです」。キャンベル先生が日本に来て間もなく、コンビニでおにぎりを買ったときのこと。海苔(のり)をごはんにまくやり方がわからないでいると、となりにいたおばさんが「ちょっとよろしいですか」と、パパッときれいにつつんでくれたのだそうです。「『ちょっとよろしいですか』のひと言で、その人の『大切なことをこれから教えてあげますよ、安心しなさい』という気持ちがつたわったんですね。敬語を使うことで相手とのきょりがちぢまる。敬語は日本語の宝物(たからもの)です」。

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scene 10 やってきた村上さんは???

気がつくとサトルは教室にもどっていました。『よし。村上さんに敬語(けいご)でしゃべるぞ』。いよいよ村上さんが教室に入ってきました。白いスーツを着た村上さんは、ぼうしを取るとみんなに大声であいさつしました。「ブォンジョルノ ア トゥッティ! ソーノ イル シニョール ムラカミ」。ぽかんとするサトルたち。「外国人???」。