「にしきの中の仙女」 中国の昔話(語り:日色ともゑ)

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scene 01 うつくしい絵(え)をにしきに

むかし、中国(ちゅうごく)のある山のふもとに、年おいた母おやと三人のむす子がすんでいました。ある日、母おやはおったにしきをまちへうりに行ったかえりに、あるみせさきで美しい絵(え)を見つけました。それはりっぱな家(いえ)の絵でした。思いきってその絵をかった母おやは、家にかえり「こんな家にすみたい」と言ってむす子たちに見せました。しかし長男(ちょうなん)と次男(じなん)はあいてにしません。三男(さんなん)は、その絵を大きなにしきにしておると、家があかるくなるだろうと母おやに言いました。

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scene 02 とんでいったにしき

母おやは一日中、絵(え)を見ながらにしきをおりました。長男(ちょうなん)と次男(じなん)はもんくを言いましたが、三男(さんなん)は、母おやをかばってはたらきました。それから三年、みごとなにしきがおりあがりました。三人のむす子たちはそれを見てかんどうし、母おやをほめました。その時、とつぜんつむじ風がふいて、にしきをさらっていきました。母おやはおいかけますが、にしきは東(ひがし)へとびさり、母おやは気をうしなってたおれてしまいます。きがついた母おやは、すぐに長男のロウモににしきをさがしに行くようたのみました。

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scene 03 長男(ちょうなん)のにしきさがし

ロウモが東(ひがし)へ東へとひと月ほどあるくと、大きな山が見えてきました。その山のふもとにいたろうばが、にしきは太陽山(たいようざん)にいる仙女(せんにょ)のもとにあるとおしえてくれました。しかし、太陽山に行くには火の山をこえ、こおりの海をこえなければならないとしったロウモは、太陽山に行くのをあきらめ、ろうばから金かのはこをもらってかえりました。なまけもののロウモは「この金かがあれば一生(いっしょう)あそんでくらすせるぞ」と、まちへ行ってしまいました。

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scene 04 次男(じなん)のにしきさがし

いくらまってもロウモがかえってこないので、こんどは次男(じなん)のロウトがたびだちました。しかし、兄(あに)とおなじようにろうばから太陽山(たいようざん)の話を聞くとこわくなり、金かのはこをもらうと大よろこびでまちへ行ってしまいます。そうとはしらない母おやは、まちくたびれてとうとうびょうきになってしまいました。そして、三男(さんなん)のロウロは、母おやにかならずにしきをもってかえると言って、いそいでたびだちました。

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scene 05 三男(さんなん)のにしきさがし

山のふもとにつくと、ろうばはロウロにまた金かをあげようとしました。でもロウロはそれをことわり、太陽山(たいようざん)にのぼるろうと、うまでしゅっぱつしました。もえさかる火の山がせまってきます。こわくなったロウロでしたが、まっている母のことを思い、はをくいしばって火の山をこえました。こんどはいきもできないくらいさむいこおりの海です。ロウロは、流氷(りゅうひょう)のあいだに見えた母のやさしいえがおにゆうきをもらい、こおりの海をこえました。やがて波のむこうに太陽山が見えてきました。

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scene 06 にしきをおる仙女(せんにょ)たち

ロウロは太陽山(たいようざん)のごてんに入って行きました。中には母のにしきを手本(てほん)に、にしきをおっている仙女(せんにょ)たちがいました。ロウロは仙女たちに、にしきをかえしてほしいとつたえました。すまなく思った仙女は、こんや中にしあげるのでまってほしいとたのみました。あんしんしたロウロは、つかれが出てねむってしまいました。

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scene 07 にしきの中の仙女(せんにょ)

その夜ふけのこと、一人の仙女(せんにょ)が、にしきを見て「こんなところにすんでみたい」と思い、じぶんのすがたをにしきの中にぬいつけてしまいました。ロウロが目をさますと、まわりにはだれもいません。ロウロはにしきをもって山のふもとにもどりました。ろうばは「はやく家(うち)におかえり。お母さんのいのちがあぶないよ」とおしえてくれました。

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scene 08 しあわせをくれたにしき

いそいで家(いえ)にかえったロウロは、母おやににしきをわたしました。すると、うっとりするようなかおりの風(かぜ)がふいてきて、にしがひろがりはじめ、さいごにはあたり一めんが、にしきとそっくりになりました。池(いけ)のほとりに立っていた仙女(せんにょ)は、にしきをかりてしまったことをあやまりました。そして母おやに「にしきのおりかたをおしえてください」とたのみました。ロウロはこの仙女とけっこんし、母おやと三人でいつまでもなかよくくらしました。