ぼくはデザイナー(クロアチア)

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scene 01 夢はファッションデザイナー

ぼくの名前はロブロ。12歳(さい)。夢(ゆめ)は、有名ファッションデザイナー。ピアニストと、写真家にもなりたい。4年前に服のデザインを始めて、今年は本格的(ほんかくてき)なファッションショーをやろうと思ってる。ぼくのいちばんの夢は、世界中にたくさんのお店を持つこと。ぼくの作った服をみんながすきになって、着た人が、しあわせで気分よくおしゃれになってくれたらいいな。ぼくがかいたデザインを、じっさいに仕立てて洋服にしたいんだ。

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scene 02 ファッションに革命を起こしたい

今日は、“お仕立てレディ”のサンヤのところに行く。ぼくがデザインしたスーツを、もう二着もぬってくれたんだよ。ほんとにすごい人なんだ。ぼくが大すきなのは一点もののオーダーメイドだけど、ふだんに着られる服をデザインするのもすきだよ。ぼくはファッションをかえたい。ただシャツをデザインするだけの人間にはなりたくない。革命(かくめい)を起こしたいんだ。「もう一着、すてきなドレスを作りたいんです。完全なオーダーメイドで。ここをもっと細くしぼって…。リボンをいくつかつけます…」。サンヤは、「わかったわ。まずは素材(そざい)を決めましょう。色を決めるのはそのあとね」と言ってくれた。

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scene 03 おこづかいをずっとためてある

両親が経営(けいえい)している老人(ろうじん)ホームでは、ぼくもお手つだいをして食事を運んだりしている。おそうじをしたり、何か用事がないか見て回ったり。ぼくのことを「かわいいね」って言っておこづかいをくれる人もいるよ。とってもうれしい。それと、誕生(たんじょう)日にもおこづかいをもらってる。もらったお金はずっとためてあるんだ。ファッションショーを開くときの費用(ひよう)の一部にしようと思ってる。大きなショーにはすごくお金がかかるけど、それだけの価値(かち)がある。

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scene 04 足りない分はパパとママが!

パパに、「いくらかかるんだ? お金あるのか?」って聞かれた。「1400クーナぐらい持ってる。少し足りないかも」って答えた。そうしたらママが、「全部でいくらかかるのか、それを自分でしはらえるのかどうかわからなくっちゃ、ほかの人をあなたの計画にさそったりできないでしょ」って言った。計算したら全部で4000クーナかな。「まずは自分のおこづかいから出しなさい」って言われた。足りない分は出してくれるって。「でも一部は、老人(ろうじん)ホームのお手つだいでかえすのよ。のこりはプレゼントしてあげるから」って。でも、お手つだい1か月だって。それも毎日。

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scene 05 モデルの費用が高すぎる

『質問(しつもん)があります。ファッションショーに出てくれる女性(じょせい)モデルが二人必要(ひつよう)です。いくらかかるか教えてもらえますか?』。モデルの会社にメールで問い合わせた。電話もしてみたけど、電話に出ない。『ご質問はお気軽に。平日の10時から1時にお電話ください』って書いてあるのに。学校の休み時間にもう一度電話してみた。「もしもし。こんにちは。ちょっとしたファッションショーを企画(きかく)してるんです。服は5着ほどで、モデルが二人必要です。…ありがとう」。モデル一人につき、500クーナから700クーナだって。ぼくにはちょっと高すぎる。

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scene 06 ザグレブの“花広場”で

ぼくが住むビェロバルは小さな町だから、モデルがういちゃうと思う。ザグレブみたいな都会なら、バッチリ決まる。たくさんの人に見てもらいたいから、ザグレブの“花広場”が最高(さいこう)だと思う。広いし、人がいっぱいだから。今日会うのは、親友のマリヤとラモーナ。二人とも、小さな仕立て屋さんなんだ。ファッションショーには目を引く作品が必要(ひつよう)だ。二人は仕立てができるし、ハンドバッグやお人形も作ってる。ぼくの強い味方だ。

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scene 07 美しくなきゃ意味がない

「ほら、花広場って外でしょ。だからモデルさんたちのために何か用意しないと」とラモナが言う。次々に服を着がえるための楽屋だ。「テントをかりたらいいんじゃない?」とマリヤ。「だけどテントは美しくない」とぼく。「全部かんぺきにしなくても…」ってラモナが言うけど、「だめだよ」とぼくが言った。そしたら、「なにもかも豪華(ごうか)になんてむりよ。王様じゃないんだから」ってマリヤが言う。でも、ぼくは言った。「全部美しくなきゃ! ビェルバロでやって見にくる人いる? だれも来ないよ。ザグレブでやらなくちゃ意味がない。世界の中心で、クロアチアの中心だもん」。

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scene 08 モデルはいとことその友だち

いちばんこわいのは、高いところから落ちていたい思いをすること。それと、クモ。あと、ごそごそはいまわるもの。すごくこわい。いちばん心配しているのはショーを開けないこと。広場を使う許可(きょか)が取れなかったらどうしよう。いとこのアントーニアとアントーニアのお友だち二人にモデルをたのんだ。モデルははじめてだけど、きっとがんばってくれる。リハーサルだ。「ドレスがひらひらするように、こしをゆらしてほしいんだ。ここまで来たら立ち止まる。わかった?」。アントーニアたちが歩く。「かみの毛にさわって、生き生きと、楽しそうに。こしをゆらす。そう、それでいいんだ!」。

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scene 09 ぼくは孤独がすき

自分は孤独(こどく)がすきなんだと思う。一人でいても平気だし。でも、だれかに自分の気持ちをわかってほしいなって思うときもある。…老人(ろうじん)ホームの仕事のお手つだい。ファッションショーの服の打ち合わせ。新しい服の試着(しちゃく)、ぬい直し。いろいろな準備(じゅんび)を進める。あぁ、つかれちゃった。

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scene 10 ザグレブの花広場で

いよいよファッションショーの当日。みんなでザグレブへ。花広場に着いた。すぐにショーの準備(じゅんび)。仕切りのパネルを運びこむ。モデルの歩くコースを確認(かくにん)していく。「モデルは両サイドから出てきて、歩く。ここから歩いてきて、ここでターン。それからまた歩いて、歩いて…」。地面に目印(めじるし)のテープをはって、真ん中にお花もかざろう。「かんばんも、二つか三つ、立てておいたほうがいいだろうな」とパパが言ったので、みんなでかんばん作り。パネルに切りぬいた金文字をはっていく。「モッソ・クチュール」って、“イケてるファッション”っていう意味だ。

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scene 11 みんなに気づいてもらえるかな

アントーニアたちがパネルで仕切った楽屋に入って着がえ始める。広場にはまだほとんど人がいない。「心配なのはね、警察官(けいさつかん)とかが来て、『ここにこんなものおいたらダメ!』ってどなられること。あと、みんなショーに気づかないで通りすぎちゃうんじゃないかっていうのも心配。だけど、テープもはってあるし、女の子たちがかわいい服を着てるんだから、気づいてほしいな」。

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scene 12 ショーは大成功!

いよいよ開始。「ゆっくり歩いてね。いい? 『今だ』って合図するから…。行って!」。モデルが歩き出す。広場にいた人たちから拍手(はくしゅ)が起こる。服を着がえて次々に三人がコースを歩く。だんだんお客さんもふえてきた。拍手も大きくなってくるみたいだ。「ブラボー!」。「すばらしい!」。「すてきよ!」。見ている人が声をかけてくれる。大成功(せいこう)だ。みんなで記念(きねん)写真。最高(さいこう)! お客さんの反応(はんのう)と拍手、すっごくうれしい。ほんとに楽しかった。アドレナリン出まくっちゃった。しんじられないくらい、いい気分。まだたくさんショーの計画があるんだ。