手伝ってあげてるのに、なにが不満なの?

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scene 01 アイが目を覚ますと

「ゆめの世界に行けますように、ゆめの世界に行けますように」と言いながらねむりについたアイ。ふと目をさますと、あの、ゆめの世界にいました。「やった、成功!」とよろこぶアイ。ベッドの中からあらわれたシッチャカとメッチャカ。「あれ? アイちゃん、また来たの?」とちょっとびっくり。「そうなの。なやみごとがあってね。早く歌おう! 早く~」とシッチャカをせかせるアイ。「うわ~、ここのルールになれてる~」とメッチャカ。「ほら、シッチャカ。早く演奏(えんそう)して! サン、ハイ!」とアイ。「それオイラが言うやつ~」。「いいから早く!」。「わかりました。じゃ、いくよ。サン、ハイ!」。

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scene 02 アイのなやみは…

「♪クラスメートのユウくんが 体が不自由なんだ わたしはいろいろ手伝って かわりにやってあげたり 荷物まとめたり くつをとったりしてるんだけど 最近なんだか不満そう わたしの手伝い方がわるいのかな?」。

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scene 03 お手伝いがうまくできていないのかも?

「ユウくん、生まれつき指が短いんだって」とアイ。「それでユウくんのお手伝いをしてるけど、うまくできてないのかもっておなやみ?」とメッチャカ。「うん、そんな感じかな」とアイ。「よし。じゃあさっそくこの…」と言いかけるシッチャカに、「ココロのでんわ! でしょ?」とアイ。シッチャカの“ココロのでんわ”を取り上げてさっそく電話します。「もしもし。ユウくん?」。すると、「はーい」とユウが電話に出ました。「アイだけどね。最近、わたしがユウくんのお手伝いしてもさ、なんか暗い感じっていうか、正直、なんか不満なところってある?」と話しかけるアイ。すると、「うーん…」とだまってしまうユウ。

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scene 04 「もっと自分でやってみたいんだ」

「なんでもいいから言ってほしいんだけど」とアイが言うと、ユウが口を開きました。「うん。アイちゃんにはほんと感謝(かんしゃ)してるんだけど…、ぶっちゃけ言うと、もっと自分でやってみたいんだ」と言います。「自分で?」。「そう」。「アイちゃん、理科の授業(じゅぎょう)で、ぼくの代わりに実験してくれたでしょ?」。「うん」。「あれ、ぼくやってみたかった」とユウ。「え、そうなの?」とおどろくアイ。「それに、帰るときにぼくの荷物を入れてくれるでしょ? あれも自分でやりたい」とユウが続けます。「え、あれも?」とアイ。「あと、くつ箱からくつを取ってくれるけど、あれもぼくやりたい」とユウ。

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scene 05 本当の気持ちを言えなかった

「自分でできることはできるだけ自分でやりたいんだよね」と言うユウ。「けどユウくん、実験するのむずかしくない? だからわたしが」とアイが言いかけると、「わかるよ。だからやりたいって言わなかったんだけど、本当の気持ちを言えなかったから暗くなっちゃってたと思う」とユウ。「うーん…、なんかモヤモヤする。やりたいんだったらそう言ってくれればよかったのに。わたしだってユウくんのためになればって、いつもいろいろ考えてやってるつもりなんだけど」と言うと、「それは本当に感謝(かんしゃ)してる。でも、ぼくのためにやってくれてるからこそ、自分でやりたいって言いづらかった」とユウが言います。

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scene 06 アイに悪いなぁと思っていたユウ

「え?」と聞き返すアイ。「だって、いつもアイちゃんにお世話になっちゃっててさ。お昼休みも、本当はほかの子と別の遊びをしたいんじゃないかなって思ったりして。手伝ってもらって悪いなぁ、アイちゃんごめん。そういう気持ち強いから、やりたいって言い出せなかった」とユウ。「ユウくん、そういう気持ちでいたんだ…」とアイ。「どう? 今度こそ本当にユウくんの理由は伝わった?」とシッチャカ。「うん」と大きくうなずくアイ。「よかったぁ」とメッチャカもほっとしています。するととつぜん「なるほどね~!」という声がしました。そしてテレビのスイッチが入り、画面にジロー博士があらわれました。

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scene 07 ジロー博士のアドバイス

「どうも、ジロー博士じゃ。今回のユウくんのように、だれかに手伝ってもらったとき本音を言えなくてこまっているというケースは、実は多いんじゃよ」と言います。「たとえば、目の不自由な人が横断(おうだん)歩道をわたれずにこまっているとしよう。こんなとき、案内してあげようとしていきなり手を引っぱる人がいる。でも目の不自由な人からすると、とつぜん手を引っぱられるとびっくりするし、こわいんじゃ。でも、『それはやめてほしい』とか言えない人が多い。助けてくれた人に悪気はないし、親切でやってくれているからのう。だから、相手がしてほしいことを勝手に決めずに、本当の気持ちを知ろうとすることがとても大事なんじゃな。さらばじゃ!」。そう言うとジロー博士は消えてしまいました。

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scene 08 本当の気持ちを知ろうとすること

「本当の気持ちか…」と考えこむアイ。「すなおに言うのはむずかしいかもね」とメッチャカ。「じゃ、ユウくんもこの場で伝えられてよかったね」とシッチャカが言うと、「うん」とすっきりした感じのユウ。「ユウくん、何でも言ってね。手伝ってほしくないなら、そう言ってくれて全然いいから」とアイ。「うん。でも手伝ってほしいときあるから、そのときはおねがいできる?」。「もっちろん!」。「ありがとう」。そこでアイは受話器を置きました。「おー、無事解決(かいけつ)って感じ? じゃ、アイちゃん。さっそくゆめからさめてもらって、ハイ!」とシッチャカ。ところがアイは何か考えこんでいます。

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scene 09 アイの本当の気持ちは…

「あれ? どうかした?」とメッチャカ。するとアイが、「わたしの本当の気持ち、言えてないかも」と言いました。「ユウくんを手伝いたいっていう気持ちは本当なの。でも、お手伝いしていて、つらいなって思うときもあるんだ。それに、休み時間も本当はわたしもほかの子と遊びたいなって思ったり…」とアイ。「そうだったんだ」。「最初は、ユウくん助けたいって思いで自分から手伝い始めたのね。そしたらいつからか、自分がユウくんを手伝うのが当たり前って感じになって、クラスの子もわたしに、『ユウくんがこまってるよ』とか言ってくるようになって。いつもわたしが、“ユウくんの手伝いをする人”になっていったの」。

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scene 10 アイも本当の気持ちを伝えよう

「今も、手伝いたいって気持ちあるよ。けど、めんどくさいって思うこともあって。でもそういうふうに思うのって、悪いことなんじゃないかなって感じちゃって」とアイが言います。「悪いこと?」とメッチャカ。「うん。こまっている人手伝わないのって悪いことでしょ」。「うーん…」。「わたし、どうしたらいいんだろう…」とアイ。「じゃ、その気持ちをユウくんに伝えてみたら?」とシッチャカが言いました。「そうだよ。ユウくんも本当の気持ち伝えたんだから、アイちゃんも本当の気持ち、伝えてみたら?」とメッチャカも言います。「でも…」とまようアイ。

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scene 11 「アイちゃんの正直な気持ち聞けてよかった」

「だいじょうぶ!」とはげまされ、アイはもう一度ユウに話しかけました。「もしもし、ユウくん?」。「はーい」とユウ。「本当のこと言うね。わたし、ユウくんの手伝いしてるとき、たまに、遊びに行きたいなって思うことある」とアイ。「そうなんだ」。「うん。こんな気持ち持っちゃってごめんね」とあやまるアイ。すると、「なんで? ぼくがアイちゃんだったら同じこと思うと思う」とユウが言いました。「へ?」。「ぼくはアイちゃんの正直な気持ち聞けてよかった」。「え、どうして?」。「だって、アイちゃんは本当はがまんしてるんだろうなって思ってたから。本当の気持ち聞けてうれしい」とユウ。「そう? よかったぁ」。

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scene 12 無理をしないで気持ちを伝えよう

「本当の気持ち、伝えてみるもんだね」とホッとするアイ。「じゃあ、これからはどうしていこうかねえ」とシッチャカが聞くと、「それは、今まで通り手伝うよ。でも、わたしがほかに遊びに行きたいときは、『ユウくん、遊んでくる』ってすなおに言うね」とアイ。ユウも、「ああ。それ、うれしい。無理しないでことわってくれるんなら、ぼくもおねがいしやすい」と言いました。「でも、わたしが手伝えないとき、だいじょうぶ?」。「うん、だいじょうぶ。心配しないで」。「わかった!」。なやみが解決(かいけつ)してうれしそうなアイでした。