身のまわりの何気ない風景。「あたりまえ」なものも、「ミカタ」があれば…。ミカタがあれば、フシギが生まれる。「カガクノミカタ」。今回のミカタ、「マネしてみる」。

今回のミカタは、「疑ってみる」。身近にあるあたりまえなこと。疑ってみたら、何かフシギ、見つかるかな？　いつもお花を見ているお花屋さん。どんなふしぎを？ 「なんでそれぞれ形がちがって、さき方がちがうの？　一種類のお花だけでも生きていけるのに、なんでこんなにたくさんのさき方や、色になったのかな？」（お花屋さん）。「一番風呂（ぶろ）のときって、すごい体から泡（あわ）が出る。あれ何だろう？　家の湯船でお湯はって一番で入るとワサーッて泡出るのってあれ何だろうって、小さいころから思っていた」（男の人）。

「（空は）夜と朝で色が変わったりしてる。別に変わる必要ないよね」「人ってなんであくびするんだろう？」「地球にはいろんな人がいる。その人たちが地球にいなくたって別にだいじょうぶなんじゃない？　人がいたっていなくたって、地球の日常が変わらないと思う」（小学生の姉妹）。「自分で見る鏡の中の自分と、写真にとられる自分の顔って何かちがう。右手を上げたら、鏡の中の自分は左手を上げてない？」「上と下はいっしょ。だって（上が）頭、（下に）あご。なんで左右だけ反対？」「どういうこと？」（若い女性二人）。身近にあるあたりまえなこと、疑ってみたら、ふしぎがたくさん見つかりました。

あたりまえ　あたりまえ　わたし　あたりまえつこは　知っている　知らないこと　知らないほど　知りたくなっちゃう　あたりまえ　でも　知らないことってどうして　知りたくなっちゃうのかしら　すべてのものに　理由はあるの？　理由のないことってあるの？　もしも理由が　ないとしたなら　考えたって　ムダなの？　知りたいのは　宇宙のはじまり　お友だちのおこづかい　知りたいのは　どっちの「知りたい」が　えらいとかあるのかどうか　ああ　知りたい　知らないこと　全部　ああ　わかると　気持ちがいいね　ユリイカ！　気持ちよくなりたいだけ？　だって気持ちいいことは気持ちいい　それがあたりまえ　あたりまえ　あたりまえ　あたりまえって　なにかしら。

今回のミカタは、「疑ってみる」。身近にあるあたりまえなこと。疑ってみたら、ふしぎがたくさん見つかりました。たとえば、鏡。鏡の前で右手を上げると、鏡の中に映った人は左手を上げているように見えます。でも、上と下は反対になっていません。鏡に映った時計を見てみましょう。数字の位置はどうなっている？　９の位置は実物では左ですが、鏡では右。３の位置は実物では右ですが、鏡では左。反対になっています。でも12が上で６が下にあるのは、実物も鏡も変わりません。

文字はどうでしょう。「Ｒ」という文字で見てみましょう。実物の文字と鏡の中の文字と比べてみると…、右と左が反対になっています。でも上と下は反対にはなりません。鏡に映る像は、右と左は反対になっていますが、上と下は反対になっていません。一体なぜでしょう。

街の人たちに、このふしぎの理由を考えてもらいます。「目が横についてるから、左右のちがいしか理解できないんじゃないかな？」（若い男女）。「なんでだろうなぁ。目の錯覚（さっかく）じゃないよなぁ。片目で見てもいっしょ。なんでだろう？」（若い男女）。「折り紙がパッタンって折れるみたいに、パッタンってなったときが鏡に映っている。パッタンって自分もひっくり返ったり文字もひっくり返ったりする」（小さい女の子）。ひっくり返る？　文字を鏡に向けるときみんながどうやってひっくり返していたか見てみると…。みんな、横の方向にひっくり返していました。

横の方向にひっくり返すと、右と左が反対になります。では試しに縦の方向にひっくり返してみると、上と下が反対になりました。右と左が反対に見えていたのは、自分のひっくり返し方に原因があったのでしょうか。でも、本当にそれだけが、右と左が反対に見えるのに上と下は反対に見えない理由でしょうか。みんなはどう思いますか？　身近にある「あたりまえ」なこと。もう一度見直してみると、みんなもふしぎを見つけられるかもしれません。ミカタがあれば、フシギが生まれる。「カガクノミカタ」。