(オープニングタイトル)
「わたし、カモカモ! 今日予想してほしいのは、『空気をあたためたとき』のこと。まずはこれを見て!」。せんをしたつつに、とうめいなふくろをつけ、空気をとじこめました。せんの上には、細かく切った金の紙を置きました。このふくろをおしつぶすと…。「飛んだ!」とカモカモ。では、これはどうでしょう。フラスコの口にせんをして、中に空気をとじこめました。用意したのは、お湯です。フラスコにお湯をかけると…。「おしてもいないのになんで飛ぶの~?」。
さらにこんなことも。へこんでいるボールにお湯をかけると…、ボールがふくらみました。お湯をかける前とあと、くらべると…? お湯をかけたとき、どうしてせんが飛んだり、ボールがふくらんだりしたのでしょう。「今日は、『中の空気がどうなってボールがふくらんだのか』予想してほしいの」とカモカモ。
予想には手がかりが必要です。「これを見て!」とカモカモが見せたのは、湯のみ、せんこう、おもち。ものがあたためられたときの様子を見てみましょう。まず、熱いお茶を湯のみに注ぎました。湯気は…。どうなっている? せんこうのけむりは…。どこに向かう? おもちはどうでしょう。おもちを焼くと…? これらは手がかりになるかな?
こんな実験も手がかりになるかもしれません。少しへこんだボール。今度は、これに冷たい水をかけます。すると、どうなると思いますか。5℃の冷たい水をかけると…? さらにへこみました。中の空気はどうなったのでしょう。これは、予想の手がかりになるかな?
福岡県北九州市立藤松(ふじまつ)小学校でも予想に挑戦(ちょうせん)しました。まずはどんなことに気がついたかな? 「おもちは、最初は平べったいけど、焼いたら空気が入ったみたいに上の部分がふくらんだ」と気づいた子。せんこうのけむりとお茶の湯気について、「くねくね出ていった」、「上に向かっていた」と気づいた子。
ほかにも、自分の生活のなかから手がかりをさがしました。「すいはん器は開けたときに湯気がすごく出る。お米がたけたら湯気が上にいく」と言う子。さらにこんな体験も。「サッカーボールをへこんだじょうたいで冷とう庫に入れたら、ボールがへこみだして、冷やすと空気はぬけるんじゃないかと思った」と言います。「そんな経験(けいけん)も手がかりになるカモ?」とカモカモ。みんなが予想を書き始めました。「いっただっきまーす! もぐもぐもぐ…。今回もすてきな予想がたくさん生まれたよ!」。
まずはこれ。『ボールが丸くなるのは、あたためると空気が、あったかくなって上にいくからだと思う』。どうしてそう思ったのでしょう。「お茶も温度が低かったら湯気が出ないけど、あたためると湯気が出て、ボールも同じで」と考えました。お茶の湯気と同じように、あたためられた中の空気が上にいくことで、ボールを中からおしてふくらませると考えたのです。
チョコレートがとけたときの様子と重ねて考えた子もいました。「湯をかける前は空気が固まっていると思ったから。空気はあたたまるとチョコレートのようにとけて、全方向にふくらむと思います」と言います。固まっている空気が、あたためるとチョコレートのようにとけて、全方向に広がると考えたのです。「おもしろいカモカモ!」。
予想図に動物の絵をかいた子がいました。ハムスター? どういうことでしょう。「ハムスターは寒いときは集まってあたたまるけど、暑いときははなれて生活する。空気も同じで、お湯をかけると空気どうしがどんどんはなれてボールがふくらんでいって、水をかけると寒いから一気にみんな集まる。だからへこんだりふくらんだりする」と言います。かっているハムスターの様子に、空気の動きを重ねて考えたのです。
最後は、『ボールの中にけむりが入る』という予想。どういうことでしょう。「お湯をかけたあとは、お湯からけむりが出てくるはずだから、けむりが細かなすきまから中に入ってきている」と言います。けむり、つまり湯気が、ボールの表面にある小さなあなから中に入ってきて、もとの空気がおしのけられてボールがふくらむと考えたのです。「ものをあたためたときの様子や、冷やしたときの様子を手がかりにすると、いろんな予想ができそうね。みんなの予想は?」とカモカモ。