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(オープニングテーマ)

scene 01『源氏物語』と「ひらがな」の関係…
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およそ1000年前、『源氏物語』を書いた紫式部。この『源氏物語』の誕生には、私たちが毎日使っている「ひらがな」が大きく関係しています。

scene 02ドキリ★平安時代に「かな文字」が誕生した
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『源氏物語』の作者紫式部は、天皇の后(きさき)に仕えていた女性です。今から1000年ほど前の平安時代、京の都では貴族たちがはなやかな暮らしをしていました。この時期に、日本の風土や暮らしに合った文化が生まれます。その一つが「かな文字」です。漢字を基にしたひらがなとカタカナが誕生(たんじょう)しました。たとえば、「安」をくずしてひらがなの「あ」の字に。「江」の一部を使ってカタカナの「エ」となりました。ひらがなは、自分の気持ちが自由に表せる文字として、貴族女性のあいだで広まりました。

scene 03全五十四帖の『源氏物語』
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この「ひらがな」を使って紫式部が書いたのが、『源氏物語』。全部で五十四帖(じょう)からなる長編小説です。第一帖「桐壺(きりつぼ)」の書き出しです。「いづれの御時(おんとき)にか女御(にょうご)更衣(こうい)あまたさぶらひ給(たま)ひけるなかにいとやむごとなき際(きわ)にはあらぬがすぐれて時めき給ふありけり」――いつの時代でしたか、天皇に仕える大勢の女性のなかで、それほど身分が高くなくて、特別天皇に愛されている方がいました。

scene 04宮廷を舞台にしたはなやかな物語
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その女性、桐壺(きりつぼ)に、まぶしいほどかわいい男の子が生まれました。それが、主人公の光源氏(ひかるげんじ)です。美しく成長した光源氏は学問にも音楽にもすぐれた才能を発揮し、宮廷(きゅうてい)を舞台(ぶたい)にさまざまな女性との出会いや別れをくりかえしていきます。この物語は宮中に仕える女性たちのあいだで大人気となり、紫式部は有名になります。そして1000年あまりたった今、『源氏物語』はおよそ20をこえる言葉に翻訳(ほんやく)され、国境をこえ、時をこえ、読みつがれています。

scene 05ドキリ★ひらがなの発達で『源氏物語』などが誕生
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当時、紫式部と並び称(しょう)されたのが清少納言(せいしょうなごん)です。清少納言も「ひらがな」を使った作品をのこしました。随筆(ずいひつ)『枕草子』です。清少納言が見た宮中での暮らしや季節の移り変わりなどの話が収められています。「ひらがな」の発達で、『源氏物語』や『枕草子』などが誕生したのです。

scene 06日本独自の文化
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貴族たちの優雅(ゆうが)な暮らしを今に伝える『源氏物語絵巻』。この絵巻に見られるような、やわらかな線とはなやかな色でえがかれた日本風の絵も、平安時代に誕生しました。こうした日本独自の文化が誕生した理由は何だったのでしょうか。もともと日本は、奈良時代より前から中国に使節を送り、政治のしくみや仏教などを学んできました。しかし平安時代になってしばらくすると、使節を送るのをやめてしまいます。

scene 07優雅な暮らし、日本風の服装
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中国との行き来がとだえたことで、日本特有の文化が誕生します。それは、貴族の優雅(ゆうが)な暮らしから生まれました。たとえば、女性が身に着けた衣装「十二単(じゅうにひとえ)」。色とりどりの着物を重ねることであざやかさを競ったそうです。一方、男性が儀式(ぎしき)のときに身に着けた「束帯(そくたい)」。頭には「冠(かんむり)」を着け、手には「笏(しゃく)」を持ちました。貴族たちの暮らしや宮中での行事のなかから、日本風の服装が生まれました。

scene 08『小倉百人一首』
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当時、貴族のたしなみだったのが和歌をよむことでした。和歌で四季の移ろいを表現したり、自分の気持ちを相手に伝えたりしました。鎌倉時代にまとめられた『小倉百人一首』には各時代を代表する歌人の歌が百首選ばれています。そのなかの紫式部の歌「めぐりあひて見しやそれともわかぬ間(ま)に雲がくれにし夜半(よわ)の月かな」――お会いしたのに、あなたかどうかもわからないうちに、雲にかくれた夜中の月のように、あっという間にいなくなってしまいましたね。

scene 09ドキリ★貴族の暮らしから日本風の文化が生まれた
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文学や絵画、和歌など、貴族の暮らしのなかから生まれた日本風の文化は、今の時代に受けつがれています。貴族の暮らしから、日本風の文化が生まれたのです。

scene 10年号ごろあわせ
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1008年は、『源氏物語』のことが初めて文書に記録された年。こうやって覚えましょう。「祝(いわ)おおや(1008)、光源氏の誕生よ」。

歴史にドキリ
紫式部・清少納言~国風文化の誕生~
遣唐使廃止以来、徐々に育まれていった「国風文化」。紫式部の「源氏物語」や清少納言の「枕草子」などの仮名文字による文学を例に、その特徴や影響を見る。