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オープニング
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(オープニングタイトル)

scene01 平安時代の政治と文化
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今からおよそ1200年前、都が、奈良の平城京から長岡京を経て、京都の平安京に遷されました。400年ほど続く平安時代が始まります。今日は、平安時代の中ごろに有力な貴族が行った政治、「摂関政治」と、この時代に生まれた国風(こくふう)の文化を見ていきます。

scene02 藤原氏の隆盛
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794年、桓武(かんむ)天皇は、それまでの政治のあり方を変えようと、都を京都に遷しました。平安京です。それからおよそ200年経った平安時代の中ごろ、奈良時代以来実力を高めてきた藤原氏の政治の実権が頂点に達していました。なかでもひときわ大きな権力を持っていたのが、藤原道長(ふじわらのみちなが)です。道長はどのようにして権力の座についたのでしょうか。

scene03 天皇の親戚となって権力を握る
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道長は、まず自分の娘を天皇の后にして、天皇家の親戚(しんせき)になります。后である娘と天皇のあいだに男子が誕生すると、その子を即位させます。こうして天皇の祖父となった道長は、天皇に代わって政治を行う「摂政(せっしょう)」となり、さらに大きな力を持ちました。道長は息子も重要な役職に就かせることで、藤原氏の権力をより強いものにしました。摂政の職を息子の頼通(よりみち)に与えたのです。頼通はその後、天皇が成人すると「関白(かんぱく)」となり、天皇を補佐し、政治を続けました。

scene04 天下を意のままにする絶大な権力
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この「摂政」と「関白」が実権を握る政治のしくみを「摂関政治」といいます。摂関政治の権力の絶頂にあった道長が詠んだ歌です。『この世をば わが世とぞ思ふ 望月(もちづき)の 欠けたることも なしと思へば』――「この世は私の天下のように思う。まるで満月のように、私の権力に欠けたところはないのだから」。摂関政治によって、藤原氏が大きな権力を握る政治が続きました。

scene05 天台宗と真言宗
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西暦804年、平安時代最初の遣唐使が中国をめざしました。その中に、日本の仏教を担うことになる二人の僧がいました。最澄(さいちょう)と空海(くうかい)です。二人は中国でそれぞれ新しい仏教を学びました。帰国した最澄は、今の滋賀県の比叡山(ひえいざん)に延暦寺(えんりゃくじ)を建て、「天台宗」を開きました。空海は、今の和歌山県にある高野山(こうやさん)に金剛峯寺(こんごうぶじ)を建て、「真言宗」を開きます。平安時代に生まれた仏教が、1200年の時を経て今に伝わっています。

scene06 ひらがなの誕生
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この時代、日本の風土や日本人の暮らしに合う文化も生まれます。その一つが、かな文字。漢字をくずした「ひらがな」がこの時代に誕生します。安心の「安」がくずれて、「あ」の字に。「は」と読む「波」の字がくずれて、「は」の字に。ひらがなができたことで、日本語を話し言葉でそのまま書けるようになります。感じたままを表現する言葉として、特に女性に広まりました。その一人、天皇の后に仕えた紫式部は、『源氏物語』を書きました。身分の高い貴族、光源氏(ひかるげんじ)を主人公に繰り広げられる恋の物語です。

scene07 貴族の恋を細やかに描く『源氏物語』
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「どの時代でしたか、天皇に仕える大勢の女性のなかで、さほど身分が高くはなくて、特別天皇に愛されている方がいました」。その女性、桐壺(きりつぼ)に、光り輝くような男の子が生まれます。光源氏(ひかるげんじ)です。光源氏は学問にも音楽にも優れた才能を持つ美しい青年に成長します。そして、さまざまな女性との出会いと別れを繰り返します。紫式部は、登場人物の気持ちを細やかに描きながら、54帖(じょう)にも及ぶ壮大なストーリーを書き上げました。

scene08 鋭い感性でつづられた『枕草子』
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紫式部と並び称されるのが、清少納言です。清少納言も天皇の后に仕えていました。宮廷の暮らしで感じたことを書きつづった随筆が『枕草子(まくらのそうし)』です。およそ300の話が収められています。そこには、清少納言が鋭い感性で見つめた平安時代の季節や自然、人々の気持ちが生き生きと描かれています。

scene09 貴族の暮らし、優雅な文化
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貴族の女性が着る物も変わりました。「十二単(じゅうにひとえ)」です。色とりどりの着物を重ね合わせ、襟元やそで口に現れる重なり方の美しさで個性を表現しました。貴族が住む「寝殿造り(しんでんづくり)」が生まれたのもこのころです。建物の中は壁がなく、大きな部屋が広がっています。そこに屏風(びょうぶ)や、几帳(きちょう)といわれる布で間仕切りをして生活していました。

scene10 寝殿造りの厳島神社
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その寝殿造りを今に伝える建物があります。水に浮かんで見える神社、世界遺産に登録されている広島県の厳島(いつくしま)神社です。寝殿造りは、中心となる建物とその左右の建物を通路で結んだ左右対称の形が特徴です。寝殿の前には舞や儀式の場となる庭や池がつくられました。厳島神社は、海を庭や池にたとえてつくられています。建物や着る物、文字…。貴族が大きな力を持っていた平安時代、日本に優雅な貴族の文化が花開いたのです。

10min.ボックス  日本史
摂関政治と国風の文化~平安時代~
政治の刷新のために都は平安京に遷されたが、やがて実権は藤原摂関家の手に握られる。この時代に花開いた国風の文化についても紹介する。