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オープニング
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(オープニングタイトル)

scene 01今日のテーマは、「エネルギー」
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なんだか薄暗いスタジオ。「ちょっと暗くないかい?」とダルさんが言いました。すると、「いやあ、今日のテーマのことを考えてさ。『エネルギー』なんでしょ。だから省エネ」とタイイク。「そうだけど、さすがにテレビだから明るくしようよ」。「そう? じゃあ…」。タイイクが「パチン!」と指を鳴らすと、キラキラ輝く光で部屋中が明るくなりました。「うわー、なにこの電気? 何エネルギー?」とダルさんはびっくり。

scene 02火力発電に頼っている日本
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2018年9月に起きた「北海道胆振(いぶり)東部地震」。最大震度7を記録したこの地震の影響で、道内のほぼ全域で停電が発生しました。電車は動かず、信号も消えました。電力を失ったことで生活に大きな支障が出たのです。停電の主な原因は、大型火力発電所の火災。暮らしに欠かせない電力の供給が、危うさを抱えていることを痛感させる出来事でした。日本の発電方法は、ほとんどが火力発電です。東日本大震災以降、原子力発電は一部しか稼働していません。水力発電や再生可能エネルギーの割合も少ないことから、日本は火力発電に頼っているのが現状です。

scene 03化石燃料は地球温暖化の原因?
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「火力発電は石炭や天然ガスといった化石燃料を燃やすことで電力を生み出している」とダルさん。「でも、化石燃料って地球温暖化の原因っていわれているよね。いいのかな、そんなに使って?」とタイイク。「お、いいところに目をつけたね。実は、世界のエネルギー事情は大きく変わり始めているんだ」とダルさん。

scene 04温暖化への取り組み-ドイツ
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大雨や干ばつなど、異常気象が世界中で頻発しています。二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスが増え、地球温暖化が進んだことが主な原因といわれています。2015年12月、世界196の国と地域のあいだで結ばれた「パリ協定」。温暖化に立ち向かうことで各国が合意しました。各国の取り組みを見てみましょう。ドイツではすでに、発電量のおよそ3割が、太陽光や風力などを使った再生可能エネルギー。陸上だけではありません。海の上でも、洋上風力発電が行われています。

scene 05温暖化への取り組み-中国、アラブ首長国連邦
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二酸化炭素の排出量が世界トップクラスの中国も、老朽化した石炭火力発電所の運転を停止し、新たな火力発電所の計画をストップしました。代わりに力を入れているのが、太陽光発電。広大な国土を利用して大規模な発電所が建設されています。石油産出国のアラブ首長国連邦も、方向転換。砂漠の強い日差しを利用して、世界最大級の太陽光発電所を建設中です。東京ドーム165個分の敷地に300万枚以上の太陽光パネルを設置。原子力発電所一基分の電気を生み出す計画です。

scene 06二酸化炭素排出量ゼロをめざして
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グローバル企業も二酸化炭素排出量ゼロをめざして積極的に活動しています。「私たちはこの飲み物を作る過程で出る二酸化炭素を2020年までに25%削減し、最終的には排出量ゼロをめざします」(コカ・コーラ)。200以上の国と地域で宅配サービスを展開している大手物流企業も、2050年までに二酸化炭素の排出量をゼロにすると宣言しています。取り組んでいるのは、世界各地にある配送用の車両を電気自動車に替える計画。その数、9万台以上。そのために、自動車メーカーを買い取って自社で車を生産しています。二酸化炭素ゼロをめざして、世界のエネルギー事情は大きく変わり始めているのです。

scene 07日本の取り組みは?
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「日本も再生可能エネルギーにしたほうがいいじゃん。資源がほとんど無い国なんだし」とタイイク。「でも、大規模な太陽光発電所を作るには、広大な土地や莫大(ばくだい)な費用が必要になる。すぐにってわけにはいかないんだ」とダルさん。「でも、世界は動き始めてるよ。日本の技術力があれば、世界に追いつけるんじゃない?」とタイイクが言いました。

scene 08世界から非難された日本
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2017年、ドイツのボンで開かれた地球温暖化問題などを話し合う国際会議「COP23」。最新のエネルギー技術を披露する見本市も開かれ、会場には日本のパビリオンも。ところが、日本が浴びたのは大ブーイング。実はこの数日前、日本政府は石炭火力発電所の輸出を進めると発表したのです。日本が輸出を進めていたのは、燃焼効率を高め二酸化炭素の排出量を従来より16%ほど削減できる火力発電所でした。しかし専門家からは、「これは21世紀に向かうかわりに20世紀のテクノロジーに戻るということを意味する」という意見が。火力発電は世界の流れに逆行する技術。日本はその推進国だと非難されてしまったのです。

scene 09日本の再生可能エネルギーの問題点
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もちろん、日本でも再生可能エネルギーによる発電は行われています。しかし、その割合はまだまだ低い。なぜ普及が遅れているのでしょう。一つは、建設費用の問題です。たとえば太陽光発電。日本は外国に比べてとても高いのです。もう一つは、発電量が不安定なこと。たとえば火力発電は、発電量もコントロールしやすいので安定して電力を供給できます。対して太陽光発電や風力発電などは、気象に影響されやすい。不安定な電力は停電を招くおそれがあります。だから送電網への接続が制限されてしまうのです。

scene 10新しい発電技術への取り組み
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一方で、世界に遅れまいと、新しい発電技術への取り組みも始まっています。その一つが、海に設置する風力発電です。特徴は風車を海に浮かべること。この方法なら水深50メートル以上の深い海にも設置できます。大型の台風にも耐えられる結果を示すことができれば、水深の深い海に囲まれた日本でも普及が進むかもしれません。期待できる技術なのです。

scene 11日本の課題は…
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「エネルギーの分野で日本が世界から遅れているっていうのはショックだな」とタイイク。「でも、再生可能エネルギーの発電にはお金がかかるよ。太陽光発電は火力と比べると倍くらいになる」とダルさん。「えー、そんなに?」。「だからその分、電気料金も高くなるかもしれないよ」とダルさんに言われ、「うーん、電気代が高くなるのはなんともなぁ…。でも、地球温暖化は地球全体の問題だし、日本だけが化石燃料を使い続けるっていうのもなんだかなぁ…。なんだかなぁ、とぼくは思うよ…」。

アクティブ10 公民
理想のエネルギーってなに?
生活に欠かせない電気。世界の発電エネルギーは火力から、太陽光や風力などの再生可能エネルギーに大きくシフトしている。各国の取組みから日本が目指すべきことを考える。