オープニングタイトル
とある住宅街(じゅうたくがい)にある家。この家の部屋の形は、ちょっと変わっています。リビングルームも地下室も、それぞれ、四角形と三角形を組み合わせたような不規則(ふきそく)な形。では、このリビングルームと地下室、どっちが広いのでしょう。みんなの予想は、「地下室」です。
たとえば5円玉と50円玉、文庫本とはがき、どっちが大きいのでしょう。これは円や四角など、同じような形どうしをくらべるので、二つを重ね合わせてみるとはみでるほうが大きいとわかります。でも、カエデの葉っぱとイチョウの葉っぱ、クマの足あととカバの足あと、サッカー場と野球場、淡路島(あわじしま)と佐渡島(さどがしま)のような場合は、重ねてみても形が合わなくてくらべられないので、どっちが大きいのかわかりません。
イッシー人たちが、青い図形とピンクの図形の大きさをくらべています。二つの図形を重ね合わせてみました。でも、不規則(ふきそく)にはみでる部分があって、うまくくらべることができません。イッシー人たちはちょっとこまってしまいました。
リビングルームと地下室では、地下室のほうが広いというみんなの予想でした。子どもたちはバットを物差し代わりにして、地下室の広さをはかり始めました。バットで部屋のまわりの長さをはかるのです。地下室をはかったら、次はリビングルームの部屋のまわりの長さを同じようにはかります。部屋のまわりの長さは、リビングルームが「30バット」、地下室が「29バットと少し」でした。ということから、広いのはリビングルームのほうだと考えました。
一方、お母さんたちは、部屋のかべの長さを、メジャーを使ってはかっています。子どもたちと同じ方法ですが、より正確(せいかく)にはかれそうです。結果は、リビングルームのまわりの長さが、2348cm。地下室のまわりの長さが、2364cmでした。お母さんたちがはかってみたら、地下室のほうが広いという結果です。子どもと大人で別々の答えが出ましたが…。
青い図形とピンクの図形の大きさをくらべていたイッシー人たちは、図形のまわりを歩いて長さをはかり始めました。すると、青い図形のほうがまわりが長いことがわかりました。図形のまわりの長さをはかることで、広さをくらべられるのでしょうか。1本のひもでできた「星」の形があります。このひもの形を変えると、ひもの長さは変わらないのに、ずいぶん広さが変わりました。まわりの長さをはかっても、広さをくらべることはできないようです。
畳(たたみ)をしいた日本間。畳が四枚(まい)半で「四畳(じょう)半」。六枚で「六畳」。八枚で「八畳」。十枚で「十畳」。十八枚で「十八畳」。三十二枚で「三十二畳」。七十二枚で「七十二畳」。このように、畳の数をかぞえることで広さをはかることができます。イッシー人たちは畳を図形にしいて広さをはかろうとします。でも、不規則(ふきそく)な形なので畳がぴったりおさまらず、畳の数をかぞえることができません。そこで、正方形の小さな畳を使いましたが、それでもぴったり畳をしくことができません。
イッシー人は、自分たちの体を使ってかぞえることを思いつきました。たくさんのイッシー人をよび集め、図形の上にならばせます。イッシーたちは、不規則(ふきそく)な形にぴったりならぶ大きさでした。青い図形の上にならんだのは、全部で32イッシーです。もう一方のピンクの図形には、一人あまって、31イッシーならびました。ということは、広いのは青いほうの図形です。イッシー人の体を使って、広さをくらべることができました。
部屋の広さをくらべる場合はどうでしょう。新聞紙とかふとんを部屋にしきつめて、その枚数(まいすう)を調べてくらべればいいという意見が出ました。そこで、みんなで新聞紙をしいていきます。リビングルームのゆかにしきつめられた新聞紙は、68枚。地下室のほうは、58枚と半分。広いのは、リビングルームでした。みんなは新聞紙で、部屋の広さをくらべることができました。