チャプターあらすじを読む
scene 01「どうせぼくは子どもですよ!」
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「Q~こどものための哲学(てつがく)」は、一つのことを深~く考えるための番組です。考える少年・Qくんの部屋をのぞいてみましょう。「シュークリーム、イェーイ! シュークリーム、イェーイ!」。おやつを持ってはしゃいでいるQくん。でも、急にしずかになりました。「はぁ…。シュークリームくらいではしゃいじゃってさ、こういうところが子どもっぽいと思われちゃうのかな」と言います。「なんだい! どうせぼくは子どもですよ!」。そこで、「はい、ストーップ!」とチッチが時間をとめました。「Qくん、大すきなシュークリームを食べないなんて、一体何があったんだろうね。何かなやんでるみたいだよ」。

scene 02ルルちゃんに「子どもっぽい」と言われた
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「Qくん、何があったんだい?」とチッチに聞かれ、「実は今日学校でさ、ルルちゃんがさ」とQくんが話し始めました。…ビューン、ビューン。飛行機(ひこうき)のおもちゃで遊んでいるQくん。学校でルルちゃんが友だちと、「ポッくんは大人っぽいところがステキよね。それにくらべるとQくんは子どもっぽくてねぇ」と話していたそうです。「ガーン!」…。「どうせぼくは子どもっぽいよ。だって子どもだもん、仕方がないじゃん! ポッくんだってさ、ただおじさんくさいだけなんだよーだ。へっへー!」とQくん。すると、「そういうところが子どもっぽいなあ」とチッチに言われてしまいました。「ガーン!」。

scene 03“大人っぽい”ってどういうこと?
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「どうせこの気持ちはチッチにはわからないよ。大人でも子どもでもない、ただのぬいぐるみのチッチにはね!」とQくん。すると、「ただのぬいぐるみとはなんだよ。チッチはね、子どもの心も大人の心も両方持ってるんだ! みんなの心の友だちなんだ!」とチッチがおこりだしました。「で、Qくんは、本当は大人っぽくなりたいのかい?」とチッチ。「そりゃまあ、大人っぽいほうがカッコいいんじゃねーの?」とQくん。「ふーん。“大人っぽい”って、どういうことなの?」と聞かれ、「それはだから、大人みたいな人のことだよ」。でも、「大人みたいな人って?」とさらに聞かれて、「うーん…」と答えにつまってしまいました。

scene 04『どんな?』で考えてみよう
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そこで、本日の疑問(ぎもん)。『大人ってどんな人?』。チッチが、「こういうときはね、『どんな?』で考えてみるといいんでないかい?」と言います。「どんな?」。「Qくんが、『この人、大人だなぁ』って感じる人って、どんな人かなぁ?」とチッチ。「うーん…。そりゃあ、年を重ねてれば重ねてるほど、大人だなぁって感じるよ」とQくん。「なるほど。年をとってれば大人。そりゃそうだねぇ。じゃあ次の人たちは、どっちが大人っぽいか、答えてみてちょ!」とチッチは尋ねます。

scene 05どっちが大人っぽい?
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♪家庭を持ってる50歳(さい)のAさんと はたらき始めたばっかりの20歳のBさん どっちが大人っぽい? 「もちろんAさん!」 近所でちっともあいさつしないAさんと いつでもニッコリあいさつしてくるBさん どっちが大人っぽい? 「や、やっぱりBさん」 いろんなことを知っているAさんと ぜんぜんものを知らないBさん どっちが大人っぽい? 「やっぱりやっぱりAさん」 ちっちゃなことに文句(もんく)を言うAさんと めったに文句を言わないBさん どっちが大人っぽい? 「やっぱりやっぱりやっぱり…」

scene 06年は関係ない?
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「結局(けっきょく)、AさんとBさん、どっちが大人っぽいんだい?」とチッチ。「わかんないよー」とQくん。「年は関係(かんけい)ないのかもしれないな」と考えるQくん。「ポッくんみたいな大人っぽい子もいるくらいだしねえ」。「ぎゃくに大人でも子どもっぽい人はいるね。うちのお母さんだって、お友だちに『その服、にあうね』と言われただけですごくきげんよくなっちゃうし」とQくんが言います。「なるほど。でも、年が関係ないとなると、一体何によって“大人っぽい”って感じるんだろうね?」とチッチが言いました。「うーん…」。

scene 07大人っぽく感じるのはどんなところ?
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「さっきのAさんとBさん、それぞれに感じた大人っぽいところって、『どんな』ところ?」とチッチ。「Aさんは、世の中のいろんなことを知っているところ。Bさんは、しっかりあいさつができて、文句(もんく)も言わないところ」とQくん。「物知りなこと。あいさつができること。文句を言わないこと。こういうのを“大人っぽい”と感じるんだねぇ」とチッチ。「そう考えると、大人っぽいなあと思える人は、ほかにもいろいろいそうだなあ」とQくん。「ケンカをしても相手をゆるしてあげられる人とか、自分のお菓子(かし)を人に分けてあげられる人とか、エレベーターのボタンをおして、『どうぞ』とゆずってあげる人とか…」。どんどん出てきます。「みんなは、大人っぽいなあと感じる人って『どんな』人?」。

scene 08かぞくでこたえよう
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家族で答えよう。ねえみんな、みんなが“大人だなあ”って思う人ってどんな人? 家族で考えよう。「大きい人です」。体の大きさか。たしかに、大きいほうが大人に見えるよなぁ。「会社ではたらいてお金をかせぐ人です」。仕事をする人か。子どもは仕事しないもんなぁ。「善悪(ぜんあく)を持って行動する人です」。ちなみにご自分を大人だと思いますか? 「そうですねぇ、むずかしいけどがんばってます」。「ルールを守って、自分でせきにんをとる人です」。ご自分は大人ですか? 「子どものときもありますが、できるかぎりがんばろうと思ってます」。大人もいろいろがんばってるんだなぁ。いろんな答えがありますが、Qくん、答えは出ましたか? 「へー、大人でもまだ“自分は大人だ”って思ってないんだなぁ」。キュキュキュみんなの答え、キュキュキュそれぞれちがう。キュキュキュきみならなんて答えるの? キュー!

scene 09かもしれないアニメ:どんな?
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強くなりたい。だけど、強い人ってどんな人だろう。やっぱり、力持ちは強い人かもしれない。力持ちでも、なき虫だったら強くないかもしれない。力がなくても、なき虫でも、挑戦(ちょうせん)しつづける人は強いかもしれない。力もなくて、なき虫で、失敗(しっぱい)ばかりしても、それでもあきらめない人は、もっと強いかもしれない。自分のことをしんじてがんばっている人が、強い人かもしれない。

scene 10きいてみなくちゃわからない
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♪みんながうわさで言ってる あいつはこわくて悪いやつ だけどもだけどもほんとかな だれも見たことないのにな ほんとかどうか聞いてごらん 勇気(ゆうき)を出して聞いてごらん 「ねえ、君っておばけ?」 なあんだ、おばけじゃないじゃんか てゆーか、とってもこわがりじゃん ほんとにあいつはこわいのか ほんとにあいつは悪いのか 聞いてみなくちゃわからない 聞いてみなくっちゃ わからない

scene 11みんなの心の中にある理想のすがた
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「さあ、Qくんの答えを聞かせてもらえるかな。大人って、どんな人?」とチッチ。「ぼくの今のところの答え! みんなが“大人っぽい”と思うのは、みんなの心の中にある『こういう大人になりたいなぁ』っていう理想のすがたのことなんじゃないかな」とQくんが答えました。「なるほど。ちなみに、Qくんの理想の大人ってどういう人?」。するとQくんは、「心が広くて、やさしくて、くよくよしない。そういう大人だね」と言います。そして、「チッチ。さっきは、ただのぬいぐるみだなんてひどいこと言ってすまなかったね。これからもなかよくやろうね」と言いました。「いやあ、Qくん。とっても大人っぽいよ」とチッチは喜びます。

scene 12大人っぽくなったQくんが…
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「そんな大人っぽいQくんに、お知らせがあります。さっき、チッチがとびだしてきたとき、うっかり、Qくんのシュークリーム、ふみつぶしちゃいました。ごめんなさい」。チッチが見せたのは、ぺちゃんこになったシュークリームです。「えーっ! 何やってんだよ、チッチ! ぺっちゃんこじゃないか! ぼくのシュークリーム返せよ! ぼくのシュークリーム、ぼくのシュークリーム!」とおこりだすQくん。「ぜんぜん大人じゃないなぁ」とつぶやくチッチでした。

scene 13Qエンディングテーマ
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♪なぜなぜってきになったら ふかくふかくかんがえてごらん ほら さっきまでみえなかった あたらしい けしきがひろがるよ こたえはみんなちがうから キミのなかにもあるのさ みつけにいこうぜ こころのとびらをひらいて ほら みつけにいこうぜ キミだけのものさしを みつけにいこうぜ!

scene 14おさらい
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「今日のQワード、『どんな?』。ふだんなんとなく使っている言葉も、『どんな?』で考えてみると、新しい発見があるかもしれないよ。じゃ、またね~」というチッチからのメッセージです。

Q~こどものための哲学
大人ってどんな人?
こどもっぽいと言われ、落ち込むQくん。だが、年が上だからといっても、「大人」とは言えないこともある。自分にとって「大人」とはどんな人なのかを深く考えていく。