チャプターあらすじを読む
オープニング
ないようを読む

ここは、とある学校。やたらとカタカナ言葉を使いたがるオサダと、アナログ人間のマツオが、情報社会を生き抜く技をプロから教えてもらうお話です。

scene 01商店街の会長にインタビュー
ないようを読む

「マツオ、今度、ショッピングストアのチェアマンに、インタビューをDOするらしいな」。教室にやってきたオサダが言いました。「商店街会長のことだね、オサダくん。最近、商店街のお客さんが減ってるみたいだから、少しでも商店街を元気にできたらと思って」とマツオ。「よし、おれをその商店街の会長だと思ってインタビューをDOしてみろ!」とオサダ。「よし」と始めるマツオですが、ダジャレを入れて喜んだり、どうでもいい質問をしたり。「そんなことはどうでもいいんだ。相手からよりよい話を聞き出すためにはインタビューのスキルアップが必要だ」とオサダ。そう、きょうのテーマは、情報を上手に引き出す『インタビューのしかた』。

scene 02300人以上の著名人にインタビュー経験
ないようを読む

「そんな難しそうなことやりたくないよ」と言い出すマツオ。するとオサダが、「落ち着けマツオ。そんなこともあろうかと思って、心強い助っ人を呼んである。阿部せんせーい!」と呼びました。すると、「こんにちは」と阿部さんが現れました。「あ、新聞部顧問の阿部先生!」とマツオ。「雑誌のライターとして、俳優、作家、ミュージシャンなど300人以上の著名人にインタビューの経験があるんだ」とオサダが説明します。「すごい」。それでは、阿部さんのインタビューのプロセスを見ていきましょう。

scene 03相手について「リサーチ」
ないようを読む

ステップ1.リサーチ。「インタビューでいちばんやってはいけないこと。それは、調べてすぐわかることを聞いてしまうことです。本やインターネットなどで、話を聞く相手のことや、相手の仕事について調べておきましょう」と阿部さん。インターネットで調べたマツオが、「あ、商店街の会長さん、ブログやってる」と言いました。「“商店街日記”か。けっこういろいろ書いてあるな」とオサダもブログを見てみました。「事前に調べることで、より具体的な質問を考えることができるんです」と阿部さん。

scene 04テーマに向かって「質問を考える」
ないようを読む

ステップ2.質問を考える。「はじめに、インタビューのテーマを書き出します。次に、そのテーマに向かって何を聞きたいか、質問を箇条書きにしていきます。最後に、質問を並びかえます。このとき、1本の木をイメージしながら整理すると便利です。インタビューのテーマは、「幹」。絶対に外せない大きな質問は、「枝」。細かい質問は、「葉っぱ」、という具合です」と阿部さん。「葉っぱ」の質問は、時間に余裕があるときにしましょう。

scene 05インタビューは「質問」ではなく「会話」
ないようを読む

ステップ3.インタビュー中のテクニック。「おいマツオ、別の商店街の会長連れて来たから、インタビューしてみろ」とオサダ。さっそくマツオがインタビュー。「えっと、今、商店街が問題だと感じていることはなんですか?」。「高齢化でお店のあとを継ぐ人がいないことかな」。「高齢化でお店のあとを…」とメモするマツオ。ここで、「ピッ、レッドカード」と阿部さんがレッドカードを出しました。「インタビューは、質問ではなく会話です。いちばん大事なことは、言葉のキャッチボールを交わすことなんです。ポイントは、相手の顔をしっかりと見ること。そのためには、質問はなるべく覚えておく。相手の答えは、短くポイントのみを書くことが大切です」。聞き手と記録係と、役割分担するのも効果的です。

scene 06インタビューを深める「リアクション」
ないようを読む

ステップ4.インタビューを深めよう。「商店街で取り組んでいる工夫などありますか?」と質問するマツオ。「先月ね、古い喫茶店をカフェに改装してオープンしたんですよ」と会長さん。「喫茶店をカフェに、と。はい、会長さんの趣味は何ですか?」とマツオ。ここでまた「ピッ、残念!」とレッドカードを出す阿部さん。「インタビューを深めるテクニックその1は、リアクションです。リアクションすることで会話がつながり、具体的な答えを引き出すことができるんです」と阿部さん。たとえば…。「先月ね、古い喫茶店を改装してカフェを…」。「へえ、おしゃれですね」。「まぁ、メニューも若い人向けに…」。「そうなんですか」。うなずきながらひと言言えばいいのです。

scene 07インタビューを深める「Why?」
ないようを読む

「インタビューを深めるテクニックその2は、“Why?=なんで?”で相手の気持ちを引き出す。“Why?”を聞くことで、相手の気持ちや思いが見えてくるんです」と阿部さん。たとえば…。「なんでカフェを作ったんですか?」。「まあ、若い人たちにも商店街に来てほしいし、商店街もこれから変わらなきゃいけませんしね」。阿部さんのお手本を見て、「なるほど、ぼくもやってみる!」とマツオ。「なんで空は青いんですか? なんで夏は暑いんですか? なんで? なんでなんですか?」と会長さんに詰め寄ります。「落ち着け、落ち着け、おい」となだめるオサダ。

scene 08プロのプレゼン「人生でいちばんがんばったこと」
ないようを読む

今回のプロは、会社の経営者。情報を伝えるためにどんなテクニックを使っているのか、注目して見てみましょう。「私が人生でいちばんがんばったこと。それは語学教材の販売です。実は、世界142か国のグローバル企業の中で、販売実績第2位になったことがあるんです。気が弱くて人と話すのがすごく苦手だった私が、なぜそこまでがんばれたのか。それは、子どものころに母にかけてもらった言葉を支えに生きてきたからなんです。運動会でビリになった私に母は言いました。『たとえ一番になれなくても、最後まで走り切ることがすごいんだよ』って。母は若くして亡くなりましたが、この言葉があるからこそ、私はどんなときもあきらめずにがんばることができてるんです」。どんなテクニックがあったかな?

scene 09プロのツール「スマートフォン」
ないようを読む

「やあみんな。僕が作ったアイテム『プ』で、プロのツールに使いかたを聞いてみよう!」とオサダ。『プ』についている吸盤をツールに貼ると、『プ』がしゃべりだすのです。「僕の名前は『スマートフォン』。プロはインタビューするとき、僕の録音機能を使うんだ。使い方は簡単、ボタンを押すと録音が始まり、もう一度押すと録音が終わる。しかーし、プロは録音ボタンを押す前に、あることを確認する。僕の“耳”の場所だ。話を聞く人のほうにこの耳を向けると、よりきれいに録音することができるぞ。さらに、相手にも必ず確認のひと言、『録音してもよろしいですか?』。そして、プロは録音したデータに名前をつける。あとで聞き直すとき、すぐ見つけられるだろ。さっそく練習だ。僕の声を録音しろよ。あ、やばい、充電が切れる。うー」。

scene 10事前にインタビューの約束を
ないようを読む

「これでインタビューの準備はバッチリ。それじゃあ、会長のところに行ってきます」と立ち上がるマツオ。すると、「マツオ! 会長がインタビューの約束聞いてなくて、温泉旅行中だって」とオサダが言いました。「えぇっ?!」とマツオはびっくり。「もしかしてアポなしか」とオサダ。「アポ?」とマツオ。「アポ。アポイントメント」。「アポイントメント?」。「約束」。「やくそく?」。「オウムかおまえは」。インタビューの約束は事前にとっておきましょう。『インタビューのしかた』。質問するだけではなくて、会話を楽しむことが大事なんですね。

scene 11身の回りの仕事のプロの『インタビューのしかた』
ないようを読む

みんなの身の回りの仕事のプロも、インタビューは大切だと言っています。体をケアする整体師さんです。「生活のスタイルですとか、姿勢ですとか、自分が今まで気づいていないところを聞き出すことが、治療計画を立てる上で最も重要なことだと思っています」。問診票や診察で、患者から直接情報を聞く。治療中も会話をしながら情報を引き出し、改善するためのアドバイスをする。

アクティブ10 プロのプロセス
インタビューのしかた
さまざまな仕事のプロから「情報の集め方」や「分析のしかた」「発表するテクニック」などを学ぶ。今回のテーマは「インタビューのしかた」。