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松坂慶子 松坂慶子

松坂慶子女優まつざかけいこ

1952年生まれ、東京都出身。91年『死の棘』で自身3度目となる日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。主な出演作に、ドラマ『スミカスミレ』など。NHKでは連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』『あさが来た』など。大河ドラマは『国盗り物語』で初出演。その後『春の波涛』で主演。さらに『毛利元就』『義経』『篤姫』『花燃ゆ』『西郷どん』など多数出演。

大河ドラマ 国盗り物語(1973)

濃姫役

大河ドラマ 国盗り物語

インタビュー

 初めての大河ドラマ出演で、時代劇も初挑戦でした。当時はまだ二十歳でしたが、改めて映像を見返してみると、何だかしっかりして見えますね。いろんなことにとらわれず楽しそうに演じているように感じます。よっぽど稽古したのかしら。

 それに周囲のスタッフさんや監修の先生方が、大河ドラマの登場人物にふさわしいように仕上げて下さっていますね。所作もセリフも指導の先生にかなりみっちり教えていただいたんですよ。はじめての時代劇でしたので、一流の先生に手ほどきしていただけたことは女優として幸せだなと思いますね。また一日に何度も衣装替えがあるので、衣装部さんは一番近い存在だったのかなと思います。打ち掛けの裾さばきなどを教えていただいたり、ムードメーカーの方が揃っていて、ポンと背中を押してくれるような、ホッと一息つけるような所でもありました。励まして笑顔で送り出していただけたことは本当に感謝ですね。

信長(高橋英樹)は“美濃のまむし”と恐れる斎藤道三の娘を正室に迎える

 ドラマの舞台は戦国時代、美濃を治める斎藤道三(平幹二朗)とその後継者となる織田信長(高橋英樹)が主役でした。そのなかで私が演じたのは道三の娘で信長の妻・濃姫。実は当時、父親役の平さんに顔が似ているとよく言われました。また、夫となる信長を演じた高橋さんがとても凜々しくて、野性味のある奔放な信長像を演じていらっしゃったのを覚えています。そうしたキャラクターもあってか、現場もまた堅苦しくなく、おおらかな気持ちになれる雰囲気で、私も演じやすかったです。

1582年 明智光秀(近藤正臣)が本能寺の信長を包囲し…
濃姫はなぎなたを手に戦う
“止めはせん、勝手に死ね!”

大河ドラマ 春の波涛(1985)

川上貞奴役

大河ドラマ 春の波涛

インタビュー

 私が演じた川上貞奴は日本の女優第1号と言われる方。そんな大役を演じさせていただけて本当に光栄でした。元は芸者さんだったので、お三味線から唄、踊りまで、それはもうお稽古づけで、無我夢中でしたね。この時も超一流の方々がご指導くださったので、先生方のエネルギーや芸風を間近で感じながらお稽古を重ねられたことはすごく貴重な経験だったと思っています。

 また、芸者時代は貞奴のために用意された美しく贅沢な着物をたくさんご用意いただき、また女優になってからはドレスを着る機会もあって衣装の変化も楽しいドラマでした。そういった面でも貞奴と演じる私を応援してくださって感謝です。

貞奴は伊藤博文(伊丹十三)お気に入りの売れっ子芸妓
川上音二郎(中村雅俊)との出会いからやがて女優の道を進むことに…

 当時の映像を見てみると、なかなか自然に演じられていますね、私(笑)。シーンの中で描かれていない普段の暮らしや、定奴の幸せな様子が全部感じられますものね。それもこれも、じっくりと時間をかけたリハーサルや、さまざまな指導の先生方との特訓、読み合わせのおかげ。大河ドラマはいつもそうですが、たくさんの時間を費やして役を丁ねいに作り上げていった作品でしたね。

 この作品ではフランスのパリに海外ロケにも行きました。アレクサンドル3世橋を馬車で渡るシーンがあったんですよね。毎日、夜明け前に支度して日の出と共に撮影がスタート。スタッフ皆で移動していたので“川上音二郎一座”ならぬ“春の波涛一座”のようでした(笑)。

海外興業に向かう川上音二郎一座
“マダム貞奴”はパリでも大喝采を浴びる

大河ドラマ 篤姫(2008)

幾島役

大河ドラマ 篤姫

インタビュー

 前の作品と比べると随分と頼もしくなりましたね〜(笑)。『篤姫』で演じた幾島は太鼓をドンッと叩いたような力強さと潔さのある女性。そんな女優冥利に尽きるような、面白くて素晴らしい役を演じさせていただきました。でも、普段の私はどちらかというとのんびりしているので、役をいただいたときは「できるかしら?」と不安になりました。そんなとき、監督から「松坂さんくらいふわっとした方が、こういう役を演じるとちょうどいいのでは?」と言っていただき、思い切って挑戦しました。

島津斉彬(高橋英樹)の要請で篤姫(宮﨑あおい)の教育係となった幾島
将軍・家定の正室となる篤姫に厳格な“姫様教育”をほどこす

 当時、ドラマの舞台となった鹿児島に行き、監修の原口泉先生に幾島のことや当時の薩摩について色々と教えていただきました。幾島は元々薩摩出身ですが、京の近衛家に仕えていたこともあり、政治力を持った女性。大変賢い方で、あの西郷隆盛をも頭ごなしに叱りつけることができるほどの実力者だったようです。そのお話を聞いたときは本当にビックリ。知らないことばかりで驚くことがたくさんありました。

 また、原口先生を通して出会った「島津いろは歌」のなかに見つけた「心こそ軍(いくさ)する身の命なれ そろゆれば生き そろわねば死す」という歌は、幾島を演じている間ずっと私の心のなかにありました。篤姫と幾島が大奥へ入っていったときもきっとこういう気持ちだったのだろうなと、繰り返し繰り返し読みながら演じていましたね。そういう意味では、幾島と篤姫は女性でありながら、まるで戦場にいる武将のようだったなと思います。

 撮影でよく覚えているのは篤姫が徳川家に輿入れするため、薩摩を出立するシーン。鹿児島ロケでしたが、幾島が「立ちませい!」と号令をかけるセリフがあったんですよ。この時も「上手く言えるかしら?」とドキドキしていたら、渡邊良雄監督が「眉毛を描けば大丈夫」とおっしゃって(笑)。実は自分と全く性格の違う幾島を演じるにあたって、監督やメイクさんのアドバイスもありキリリと鋭角に角度を付けた眉を描くことにしていたんです。監督のおっしゃる通り、眉を描くと本当に勇ましい気持ちになれ、そんな風にメイクにも衣装にも助けられました。私自身も身体中の情熱をかき集めてワンシーン、ワンシーンを積み重ねて作品を撮っていった、体当たりというか、一生懸命というか、いつも勝負しているような撮影の日々でした。

江戸に向かう篤姫 生家の両親の前で幾島はしばしの間、駕籠(かご)を止めさせる
“立ちませ-い!”幾島の号令で行列は再び動き出す

大河ドラマ 西郷どん(2018)

西郷満佐役

大河ドラマ 西郷どん(2018)

インタビュー

 『篤姫』で幾島を演じた後、何だか節操がないような感じもしますが(笑)『花燃ゆ』で長州の女性を演じ、『西郷どん』で再び薩摩おごじょの役をいただきました。西郷どんこと、西郷隆盛の母・満佐さんを演じたのですが、この時もまた監修の原口先生を訪ねて、今度は薩摩おごじょの資料をいただいたんですよ。

 西郷さんの母上ということで、地元の方に愛されている存在ともうかがいました。そのお話の通り「きちっと着付けを」とか「凜として武士の品格を持って演じてほしい」など、様々なご意見をいただき身の引き締まる思いでした。ですから、演じる上で、立派な薩摩隼人を育てるんだという薩摩おごじょの心意気を大切に、そして貧しくとも気高く武士であることを誇りに思いながら演じました。また、男性を立て、一歩控えながらも志は高く持っていて、愛情も深い。そんな母上だったからこそ、凜として強く、心優しく、懐の深い西郷隆盛が育ったのではないかと思っています。

満佐は貧乏な西郷家を切り盛りする肝っ玉母さん
肺結核の病状はしだいに進み…

 そんな満佐さんを演じていて印象的だったのは、家庭内だけでなく地域中で子どもを育てる郷中教育(ごじゅうきょういく)。ドラマでも西郷家に子どもたちが集まって、勉強したり遊んだり、いろは歌を暗唱したりする場面があって、ステキだなと思っていました。

 そんな薩摩は何度行っても発見のある場所。『篤姫』の時に出会った「いろは歌」や郷中教育が今でも根付いて生きていることにも驚かされます。当時は“江戸から一番遠くて外国に一番近い所”だと言われていたのだとか。そういう危機感を持ちつつ、海外からさまざまな情報を取り入れることによって先見性が養われたのでしょうね。薩摩の女性を演じる度に様々なことを知り、いつもワクワクさせられます。

吉之助(鈴木亮平)は“桜島が見たい”という満佐を背負って海辺へ

連続テレビ小説 まんぷく(2018)

今井鈴役

連続テレビ小説 まんぷく

インタビュー

 多くの大河ドラマに出演し、いつもその時出せる全ての力を振り絞って、全身全霊で役を演じさせていただいてきました。そしてまた、大河の現場では様々なことを教えていただき、身につけながら今があると思っています。朝ドラ『まんぷく』の現場でもやはり、随分育てていただいたなと思っているんですよ(笑)。

 大河とはまた違った密度で撮影を進めているのですが、本当に月から金曜まで毎日、ほとんど同じメンバーで一緒にお芝居をしているんですよ。奇しくもクランクインの際に、福子役の安藤サクラさんが「これから10か月、家族よりも長い時間を一緒に過ごすので、皆さんと家族のようになっていきたい」とおっしゃっていましたが、本当にその通りだなと。撮影開始から5か月ほど経ったころには、それぞれの役への取り組み方もみえてきて、まさに同じ釜の飯を食べていた仲間です(笑)、まるで“まんぷく劇団”のようになっていました。

口癖は“私は武士の娘です”

 いつもそうなのですが、実は今回も鈴さんという役をどう演じたらいいのか、手も足も出ないと思ったものです。でも、監督から「鈴さんはお母さんだけど、時には娘たちと四姉妹のような感じでもいい」、「振り幅は大きく」「自分がこう思う。ちがう? あそう?と、いろんなものが混在してていいと思いますよ」などとヒントをいただき、鈴さんが出来上がっていったように思います。

 また、鈴さんを演じるにあたって心に浮かんだのは、90歳を超えた私自身の母でした。戦争を体験したこの時代の方は生命力が強く、生きる直感を持っていると思うんですよね。自分の足で生きていかなくてはという前向きさもある。まるで私の母は鈴さんで、私は福ちゃんみたいだと重なる部分がありました。私は福子と同じように「またお母さんあんなこと言って」と思うのですが、思えば母は母で自分の経験値から思ったことを言っているだけなんです。世代が違うからビックリすることもあるけれど、実は一貫して自分の考えを言っている。鈴さんの場合は自分の考えを言うだけで、人の話をあまり聞いていないキャラクターですけど…(笑)。だけど何よりも子どもたちのことを心配しているお母さんでもあります。そんな鈴さんに意見を言わせてくれる娘たちやお婿さんたちも偉いなと感じます。

たちばな塩業の慰労会で“国定忠治”を演じる鈴
熱演で“塩軍団”の心をつかむ!

 共演の安藤さんはおおらかに自然体でお芝居されるので、一緒にいるだけでこちらも自然体に。また、萬平さんを演じる長谷川博己さんには、いつも本気で笑って本気で怒ってました。会話のキャッチボールの際に面白いボールを投げて下さる。おかげでこちらも本当にムキになったり、笑わされたりと色んな感情を引き出していただけました。みなさんとのお芝居からも鈴さん像が作られていく、そんな密度の濃い現場ですね。

福子(安藤サクラ)が臨月を迎え、萬平(長谷川博己)は体調を気遣う
福子の分も働くことになった鈴はストレスがたまる一方
“源義経は私のご先祖様よ”という鈴に萬平は大笑い
腹を立てた鈴は家出してしまう…
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