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三田佳子 三田佳子

三田佳子女優みたよしこ

1941年生まれ、大阪府出身。映画・テレビ・舞台・出版等で幅広く活躍し、二度の芸術祭賞、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など賞歴多数。主な出演作に、ドラマ『外科医・有森冴子』シリーズ、映画『極道の妻たち・三代目姐』『遠き落日』、舞台『夢千代日記』『雪国』など。NHKでは、大河ドラマ『いのち』『花の乱』で二度の主演、プレミアムドラマ『すぐ死ぬんだから』ほかに出演。2014年旭日小綬章、2016年NHK放送文化賞受賞。

ドラマ 北越誌(1972年)

初音役

ドラマ 北越誌

インタビュー

 旅をしながら村々を巡り、三味線や唄を披露して報酬を得ていた盲目の女性たち、瞽女(ごぜ)の姿を描いた作品でした。舞台は新潟県上越地方。雪深い季節の物語だったので、新潟の山深い場所でロケーションしたことをよく覚えています。

雪深い新潟を旅する一行
先々で三味線と唄を披露してまわる

 ドラマに登場するのは瞽女の糸栄(奈良岡朋子)と歌春(関根恵子/現・高橋惠子)、そして私が演じた初音。盲目の役でしたので、終始、目をつぶってのお芝居でした。ドラマでも描かれたのですが、目が見えないと感覚が研ぎ澄まされるんです。どこに誰がいるか、風や雪の音、着物の生地がふれ合う音、匂い、肌の感覚まで、すべてを感じることができる世界なんだと思いましたね。表面的ではないもっと奥深いものを感じるといいますか。ですから、表情を含め、常に何かを探っている鋭さのようなものを表現できるよう心がけていました。

旅先での恋は厳しく禁じられる瞽女だが…

 作品では3人の瞽女さん、それぞれの恋愛が描かれました。初音の恋人を演じたのは岡田裕介さん。今は東映の会長をされていて、別の世界でご活躍なので、唯一の共演作品になりますね。

 また、三味線を弾いたり唄をうたうシーンがあり、実際の瞽女さんに教えていただいて練習したのも思い出深いです。独特の平らかな節回しでね。雪で閉ざされた世界で描かれる瞽女さんの文化を詩的に描いたすばらしい芸術作品でした。テーマ性が非常に大きい、素晴らしい作品だったので、広く知っていただけるとうれしいですね。

大河ドラマ いのち(1986年)

高原未希役

大河ドラマ いのち

インタビュー

 橋田壽賀子先生が書かれたオリジナル脚本の大河ドラマ。戦後40年の日本の歩みを主人公の女医・未希の目を通して描いた作品でした。それまで大河ドラマといえば、歴史としての下敷きがあった上で描かれるものでしたので、橋田先生の生きてこられた戦後のご経験をベースに、庶民を主役に描いた本作はとてもやりがいのあるものでした。

津軽で医療に情熱を燃やす

 演じた未希は優秀で優しく、理想的な女性。激動の時代の生き抜くなかで、涙を流すシーンが多く、それこそバケツ一杯、涙を流したんじゃないかしら。しかも、通常の大河ドラマは何人かで会話を繋ぎながらひとつのシーンを構成していくのですが、橋田先生が書かれる脚本といえば、何ページにもわたる長ゼリフが有名でしょう。私は主演でしたので、作品の90%に出ていて、1年3か月もの間、作品の収録に全力を注ぎ、ボロボロになるまで作品と向き合ったことを覚えています。当時はまだ若かったので何とかできたんでしょうね。

妻、母、嫁としての葛藤をかかえながら戦後40年を生き抜く様が描かれる

 当時の私は43歳。主人公の未希を20歳から演じることになり、果たしてやりきれるかというのが役作りのひとつのテーマでした。声はもちろんですが、最も大切にしたのは目の表現。それが功を奏したのか、あるとき移動のために東京駅にいたら周囲が騒がしくて、「何だろう」と思うと、私が演じる未希さんの追っかけだったんですよ。私はすでに結婚もしていて、子どももいたのですが、皆さんは20歳の女優をイメージされていたようでした。そのうち、いろいろと調べて私の年齢や経歴を知ったようですが、それでも何年かは追っかけてくださって。そんないい思いをさせていただいたので、命をかけて役作りをしたかいがありましたね。うれしかったです。

正月ドラマスペシャル マドンナは春風にのって
〜いま、女性がかんばるしかない!(1990年)

えり子役

正月ドラマスペシャル マドンナは春風にのって〜いま、女性がかんばるしかない!

インタビュー

 中学1年生の息子を育てる42歳の未婚の母を演じました。フリーランスの記者として自立して生きる女性でしたね。ドラマの演出は大原誠さん。当時の世相を反映した作品で、息子役をドラマ初出演の香取慎吾くん、かつての恋人で息子の父親を大林宣彦監督が演じていました。

記者として、シングルマザーとして

 香取くんはまだ小学6年生でしたが、背が高くてランドセルが小さく見えたのを覚えています。私が抱きしめるシーンでは、緊張で硬直しちゃって(笑)、かわいかったなぁ。実はそのとき、ジャニーさんがまだマネージャーとして現場に来られていて、楽屋に「香取慎吾をよろしく」とごあいさつにみえたんですよ。亡くなられてしまいましたが、頂点を極めるだけの熱心さを感じました。

 また、この作品を見た演出家の蜷川幸雄さんが「ぜひ一緒にお仕事をしたい」と私にラブレターを下さったんです。厳しい目を持った方に認めていただけたのがとてもうれしく、今もいい想い出です。その後、一緒にお仕事をすることになったのだけれど、スケジュールが合わず実現しませんでした。映画『Wの悲劇』で共演させていただきましたが、ぜひ舞台にも出させていただきたかったですね。

香取慎吾さん演じる息子の父親役は故・大林宣彦監督

大河ドラマ 花の乱(1994年)

日野富子役

大河ドラマ 花の乱

インタビュー

 二本目の大河ドラマ主演作です。演じたのは希代の悪女といわれた日野富子。夫である将軍・足利義政(故・市川團十郎)との間に起こる夫婦のすれ違いを軸に、10年に渡って世の中を揺るがした応仁の乱を描きました。

夫で8代将軍・足利義政に代わって政治を動かしていく富子

 夫・義政を演じた團十郎さんは以前からファンで、ご一緒したいと思っていたんですよ。共演させていただき、親しくさせていただきうれしかったですね。当時は新之助を名乗ってらした市川海老蔵さん、松たか子さん、松岡昌宏さんら16歳だった3人フレッシュな役者さんたちとの共演も印象的でした。まだお若かった野村萬斎さんも迫力がありましたしね。

 日野富子は悪女の代名詞のようにいわれますが、演じれば演じるほどそうではなくて、時代を先駆けた先進的な人だったんだと思うようになりました。そうした生き方が時代に合わず、悪女といわれただけ。そう確信していたので、カリカチュアライズして演じることはできなかったんですよ。もしかしたら視聴者の方は、悪女らしい悪女を期待されていたかもしれませんけどね。

 映像でご紹介しているシーンは、いがみ合って違う方向を向き続けていた夫婦が、死を前にして許し合うシーン。オリジナリティのあるとてもいいシーンですよね。前半はとにかくぶつかり合う2人でしたが、ここは穏やかに演じることができました。作品全体を通して、あらゆることを覚えてすぐに対応していくことが求められた作品でしたが、役者としてこうした作品に出演できたことは忘れられません。

プレミアムドラマ すぐ死ぬんだから(2020年)

忍ハナ役

プレミアムドラマ すぐ死ぬんだから

インタビュー

 主人公の忍ハナさんは78歳。私、三田佳子も同じ78歳です。「何かすてきな役と出会いたい」と思っていたとき、「佳子さんにぴったりだよ」と息子が紹介してくれた原作と出会って、「面白い!やりたい!」と即座に思ってしまって。年齢も同じで運命を感じました。それで、すぐにNHKの小松昌代プロデューサーにご相談したんですよ。小松さんも「面白いじゃない!」と賛同してくださって。そこからはトントン拍子でドラマ化が実現しました。

おしゃれして同級会へ

 内館牧子さんが書かれた原作がすばらしいのはもちろんですが、脚本をご担当された長田育恵さんが珠玉のセリフを生かしつつ、原作のニュアンスを損なわない全5話の魅力的なドラマにしてくださいました。また、松岡錠司監督は庶民の細やかな心情を表現するのに、ちょっとしたセリフまで逃さず、投げ出さずに手引きしてくださった。それが作品の深さに繋がっていると思っています。

酒屋は息子夫婦が受け継いでいる

 私が演じた忍ハナさんは、商店街で長く続く酒屋を夫と一緒に切り盛りしてきた人。あるとき、自分の身をまったく構わずに生きていることの損失に気づいて、おしゃれに目覚めます。「すぐ死ぬんだから」、それなのにどうして自分を見ることを忘れて過ごしてきちゃったんだろう、今からでも遅くないってね。だから、タイトルはちょっと刺激的ですが、実はとっても前向きな意味合いが込められているんですよ。

 ハナさんのおしゃれについては、原作を読んだときにカッコ良くてセンスがいい衣装をと随分夢を持ちました。だけど、実際に演じることになって気付いたの。一般の生活者なのだから、セレブのおしゃれとは違うのよね。自分でカーテン地を買ってきて洋服を仕立てたりして、無理のないおしゃれを楽しんでいるんですよ。

 一度、脚本の長田さんが現場にいらしたことがあり、演技の雰囲気を見て「商店街で懸命に店を支えてきた女将さんの話だという実感が持てた。今風のドラマとして提供できると思う」と言って下さって、安心しました。また、ドラマのクライマックスシーンで、迫力あるセリフを話す場面を撮っていたところを原作の内館さんがご覧になって、「怖かった」と言ってくださったとか。コロナ禍で撮影の中断がありつつも、忍ハナさんのキャラクターを自分のなかに保ち続けていたので、キャストの皆さんときたんなくセリフのやりとりができたのかなと思います。

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