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草笛光子 草笛光子

草笛光子女優くさぶえみつこ

1933年生まれ、神奈川県出身。主な出演作に、ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』シリーズ、『菊次郎とさき』、映画『犬神家の一族』『沈まぬ太陽』など。NHKでは連続テレビ小説『澪つくし』『あぐり』『まれ』『55歳からのハローライフ』など。大河ドラマは『翔ぶが如く』『八代将軍吉宗』『利家とまつ』『真田丸』など多数出演。2017年、プレミアムドラマ『定年女子』では、主人公・麻子の元姑・深山登美子を演じる。

連続テレビ小説 どんど晴れ(2007)

カツノ役

連続テレビ小説 どんど晴れ

インタビュー

 老舗旅館の大女将の役だと聞いた時は、「これは大変だな」と思いましたね。大女将の雰囲気をどんなふうに出したらいいのかしらって。そこで、まず髪型からこだわり、レトロな空気を醸し出す“ひさし髪”の全かつらにしてみたら、これがとても着物に似合ったんです。また大女将にふさわしい素晴らしい着物も着させていただきました。京都から取り寄せた高価な着物、かつらの白髪……すべてがこの役の持つ貫禄と粋を表現するために考えられていました。さらに私に似合うようにとスタッフが工夫を重ねてくださった。役を演じるうえで、外側を作ることがいかに大事かということを改めて知ることができた作品でもありました。アップで映し出されてもかつらの生え際がまったく見えない精巧な技術、いまだに着物関係の先生方からほめられる素晴らしい着物。この作品で橋田壽賀子賞をいただいたときには、「この方たちが作ってくださった役なんです」と、かつらさんと衣装さんに壇上に上がっていただいて感謝を伝えたんですよ。

カツノは盛岡市の老舗旅館「加賀美屋」を取りしきる七代目大女将
夏美(比嘉愛未)にもてなしの心を伝える

 印象に残っているのはカツノの最期ですね。プロデューサーが「どう死にたいですか?」と聞いてくださったので、「夏美(比嘉愛未)と柾樹(内田朝陽)の結婚式を見てから死にたい」と伝えたんですよ。結婚式には参列しないけれど、〽高砂や〜というのを聞きながら死んでいくというのが、すごいでしょう。セリフの岩手弁も手間がかかりましたね。「声を鼻から抜いてください」と指導を受けて、本番前にセリフを5回くらい繰り返して撮影に臨むという日々でした。そのかいがあって、地元の方から「きれいな岩手弁を使ってくれてありがとう」と言っていただいたときには、とても嬉しかったですね。いまだにこの役は大好きです。

夏美と柾樹(内田朝陽)の結婚式の日
女将の環(宮本信子)と式の始まりを待つ

ドラマ10 セカンドバージン(2010)

眞垣秀月役

ドラマ10 セカンドバージン

インタビュー

 ちょっと不思議な役でしたね。文壇の重鎮で、るい(鈴木京香)たちの出版社の看板作家。ずけずけとものを言うのだけれど、それがまたなんとも自由奔放。人間としても女性としても、何ものにも捕らわれることのない生き方をしてきたのかしらというイメージでした。

 そんな女流作家の役を演じるにあたって、私が頭の片隅に置いていたのは有吉佐和子さんでした。
 舞台『芝桜』(1985年)のころから仲良くしていただいたのですが、ちょうど姉が妹に接するようにいろいろなことを教えてくださったのが有吉さんです。一流中の一流の方とお会いするときに、よく一緒に連れて行ってくださったり、素晴らしい経験をたくさんさせていただきました。一方で子どもっぽいところもおありになるなど、とても魅力的な方でした。そういえば有吉さんが文士劇に出演されるときには、お化粧のことを相談されました。有吉さんは私のお化粧をすごく認めてくださっていて「あなた、顔を描くのうまいから、絵もうまいでしょう」って(笑)。

 どこかで有吉さんをイメージしながら演じさせていただいた役ですが、関西弁のセリフは苦手でしたね(笑)。食事シーンがとても多かったことも覚えています。「きょうはお寿司です」「来週は中華です」「その次は鉄板焼きです」って、本当にしょっちゅう食べていました(笑)。

出版社の敏腕プロデューサー・るい(鈴木京香)を信頼していたが…

連続テレビ小説 まれ(2015)

ロベール幸枝役

連続テレビ小説 まれ

インタビュー

 私は強い人の役が多いですね。この時も、パティシエ修業のために娘を置いてフランスに渡ってしまった女性で、そのため家族とは絶縁状態という役でした。日本に帰ってきて、同じくパティシエになっていた孫の希(土屋太凰)を「痛いけど我慢しなさいよ」と言って叩くシーンがあって、これは辛かったですよ。本当に、私にはあまり優しい人の役が来ないわね(笑)。

孫娘の希(土屋太凰)にケーキの作り方を指導する
幸枝はフランス帰りの有名パティシエ

 番組に参加したとき、たとえば素晴らしいセリフとか、セットとか、何か一つ心に引っかかるものがあると、その作品が大好きになるんです。このときは、希のお守りとして登場した“魔女姫人形”。ひと目見たとたん「これ、いいわ!」って。結局、最後にはもらってしまいました(笑)。

希を見守る魔女姫人形  

 パティシエも初めての役だったので、製菓指導の辻口博啓さんのお店に習いに行きました。舞台があるので、日ごろ甘い物は抑えていたのにね(笑)。あとは衣装ね。ワンショルダーのエプロンを作ってとお願いして、胸元にはブローチを留めてフランス風の雰囲気を出しました。ブラウスはすべて自前、私はブラウスだけでなく、アクセサリーなんかもよく自前のものを使うのよ。家にいろいろあるので、映画などやる時も、衣装さんたちが見せてくださいと言って家にやって来ることがあるほど。私もこのときは、夜中にこの役にふさわしいものがないかと探し回りました(笑)。

希の作ったケーキの味は…

大河ドラマ 真田丸(2016)

とり役

大河ドラマ 真田丸

インタビュー

 三谷幸喜さんは、私がいろいろな役で出演した市川崑さんの映画を全部見ていらして、そのうえで「強いけれど、おおらかで人の気持ちがよくわかる田舎の肝っ玉ばあさん」という人物を書いてくださったの。

 本当に楽しい役で、同じ孫でも次男の信繁の言うことは聞こえるのに、兄の信之のことはちっとも聞こえない。三谷さんに「耳が遠いからなのか、それとも信繁への愛情のほうが深いからですか」と書いてメールしたら、「両方です」って(笑)。いろいろな場面で、どう演じようかと考えさせられることが多かったけれど、そこで「それなら、こうしてみよう」とアイデアがわくんです。三谷さんの書かれたものを、ひっくり返してみたり、面白がるところがあって、そのことを私自身は気づいていなかったのに、三谷さんが見抜いているんです。だから、とにかく一生懸命やれば、それでいいのね。

 印象的なシーンはたくさんあって、たとえば浜松城で人質になっていたとき、山菜を採ってきたとりが庭で家康と出会っても歯牙にもかけない。そのあまりにも堂々とした態度に家康役の内野聖陽さんが笑ってしまって、思わず「何がおかしい!」とアドリブが出てしまいました。とりの臨終のシーンも、どう演じようかと考えました。一同が、とりは息を引き取ったと思った瞬間、「ちと、早すぎた」と意識を取り戻すのですから(笑)。ここは笑わせてはいけない。まじめにやったほうがいいと思い、プロデューサーにも相談して何気なくセリフを言ってみたんです。そしたら稽古場でバタンと音がしたの。堺雅人さんが笑いすぎて倒れちゃったんです(笑)。

 本当に、どう飛び跳ねたらいいのかわからないシーンがたくさんあったけれど、それも結局は“役者の腕”ということになるのでしょうね。ただ、最期のとりの「見ておるぞ」「怠るな」というセリフは、大勢の方が心に残ったと言ってくださいました。あれはテクニックではなくハート、私ではなく三谷さんが言わせてくれた言葉ですね。

病床から起き上がり、信繁(堺雅人)・信之(大泉洋)に遺言を伝える名場面
“ばばは見ておるぞ…怠るな”

 三谷さんは私のことを「お嬢ちゃんがそのまま大きくなっておばあちゃんになったような人だと思っています。みんなに愛されてください。これは重責です」って。そんな恐ろしいことをメールに書いてくる方で、困ってしまいますよね。でも、とりがドラマを去った後に和歌山で開かれたイベントに行ったところ、“おばばロス”の方がたくさん集まってくださり、これから子どもが生まれるという若いご夫婦からは名付け親になってくださいと頼まれたほど。本当にすてきな役を演じさせていただきました。

プレミアムドラマ 定年女子(2017)

深山登美子役

2017年 プレミアムドラマ 定年女子

インタビュー

 私が演じる深山登美子は、とにかく明るくてマイペースな女性ですね。息子が離婚した相手、つまり元嫁の家に当たり前のように出入りしては何かしら騒ぎを起こしている(笑)。元嫁と元姑なんて、ふつうなら疎遠になっても不思議ではないのに、この人はそういう型にはまった人間関係をしない人なのね。言いたいこと、やりたいことをストレートに出して生きている“自由人”という感じでうらやましいくらい。私もこんなふうに生きられたらいいなと思うし、珍しくやりやすい役ですね。

登美子は元・嫁である麻子(南果歩)の家をたびたび訪れ…

 出演されている皆さんも本当に明るい方たちばかりで、撮影の合間は本番を忘れるくらいおしゃべりに力が入って笑いが絶えません。そうした撮影現場の空気はドラマにも反映されるもので、生き生きとしたやりとりを楽しんでいただけると思います。

 ドラマは、50代の女性たちが直面する仕事や家庭の問題をユーモアたっぷりに描いていますが、とても社会性のある内容で胸にずしんとくる作品でもあります。その中で、私の役割は50代をとっくに通り越した“人生の水先案内人”といったところでしょうか。そのあたりは見て感じていただけるといいですね。

孫の葵(山下リオ)の結婚式
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