50音から探す

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行
わ行
榎木孝明 榎木孝明

榎木孝明俳優えのきたかあき

1956年、鹿児島県出身。83年「劇団四季」を退団後、84年、連続テレビ小説『ロマンス』でドラマデビュー。主な出演作に、ドラマ『浅見光彦』シリーズ、『無用庵隠居修業』シリーズ、『警視庁強行犯係 樋口顕』シリーズ、映画『天と地と』『半次郎』『みとりし』『峠 最後のサムライ』など。NHKでは『真田太平記』『柳生一族の陰謀』、大河ドラマ『太平記』『功名が辻』『八重の桜』『真田丸』『麒麟がくる』などに出演。

連続テレビ小説 ロマンス(1984)

加治山平七役

連続テレビ小説 ロマンス

インタビュー

 当時僕は26歳。前作の連続テレビ小説『おしん』があまりにも視聴率が良すぎたので、方向性を変えて男性を主人公に描こうと発想されたのが『ロマンス』でした。前年に劇団四季を退団した僕にとってはドラマデビュー作です。

東京で出世して大金持ちになることを夢みる主人公・平七

 映像の世界は初めてでした。とにかく初体験のことばかりで、それがとても新鮮に感じられて日々楽しんでいましたね。もちろんハードな撮影スケジュールや雪のなかの過酷なロケもありましたが、周囲から見ると大変そうに見えても、やっている本人にすれば楽しいことが多かった。だから、結果的にいい思い出しか残っていないんですよ。

 映像でご紹介しているのは初回放送のシーン。北海道の夕張でロケをしたのですが、当時はまだCGがないので、本物の熊を走らせて撮影しました。実際は熊との距離を少し離して、僕が走るところにワイヤーを張り、安全を確保した上での撮影でしたが、カメラワークを駆使して迫力ある映像に仕上げてくださいました。

北海道の雪山で熊に追いかけられる

 脚本の田向正健さんが描いたのは、大正から昭和を舞台に日本映画の草創期を生きた若者たちの物語。僕が演じた主人公の平七はやがて映画監督になる役でしたが、撮影に古い貴重な映写機を使ったりしたので、技師の人と親しくなって現場でいろんな知識を教わりました。また、辰巳琢郎さん、小宮久美子さん、樋口可南子さんら同世代のみなさんとの共演も思い出深いです。

 とにかくすべてが新鮮で、いろんなものを一度に吸収できた作品でした。いいデビューをさせていただいたと思っています。

妻であり平七の作る映画の脚本も手がける・さよ(小宮久美子)
真之助(辰巳琢郎)はる(樋口可南子)と映画に情熱を燃やす

新大型時代劇 真田太平記(1985)

樋口角兵衛役

新大型時代劇 真田太平記

インタビュー

 初めての時代劇作品で、父・真田昌幸を演じた丹波哲郎さんにお芝居のことを教えていただいたり、兄・信之役の渡瀬恒彦さんとはこの後も共演の機会があり、お亡くなりになるまでお付き合いさせていただきました。また、もう一人の兄・幸村役の草刈正雄さんとはすごく仲良くなり、オフの日にテニスを教わったりとまるで兄貴のような存在になっていました。

真田信之(渡瀬恒彦)幸村(草刈正雄)兄弟のいとこ・樋口角兵衛を演じる

 乗馬を習得したのもこの作品のおかげです。当時、第二の大河と呼ばれていた大型時代劇は撮影期間も長く、撮影のない日は御殿場の乗馬クラブに週3,4日ほど通っていたんですよ。そのうち、だんだんと馬に乗るのが楽しくなって、自分でも工夫をするようになりました。僕が演じた角兵衛は六尺棒を振り回す得意技を持っていたので、馬上でうまくできるよう、自分のベルトに針金でフックを付けて、それに手綱を引っかけ、手放しで棒を振り回して走りながら腰の動きだけで馬を操作する稽古をしました。馬から落ちて骨が見えるほどのケガをしたこともありましたが、それでも乗り続けていましたね(笑)。

上杉の攻撃で出陣命令がくだった信之にお供し初陣を果たす

 ほかに時代劇ならではの経験といえば、鎧兜を着てのお芝居。当時の兜は鉄でできていてとても重く、一日かぶっていると首が曲がってしまいそうなほどでした。でも、ビシッと甲冑を着込んで動いてみると不思議と重さは感じなくなるもの。体の一部になってしまうような感じなんです。だから、実際の武将もあまり重さを感じずに戦っていたのかなと思いました。

 1年間放送されたこの作品に携わったことで、着物でお芝居をすることや、殺陣についても、自然と自分の身についたような気がします。最近ではなかなかそういう経験はできないでしょうが、まさに『真田太平記』は僕に時代劇の真髄を叩き込んでくれた記念すべき作品です。

信之・幸村兄弟の父、真田昌幸(丹波哲郎)

大河ドラマ 太平記(1991)

日野俊基役

大河ドラマ 太平記

インタビュー

 『太平記』で演じた日野俊基役は実在の人物。鎌倉にあるお墓にお参りにも行きました。真田広之さん演じる主人公・足利尊氏が成し遂げることになる討幕のきっかけを与えたキーマンで、動画でご紹介しているのは後に尊氏が何度も思い出す2人の出会いのシーンです。

山伏になりすまして尊氏(真田広之)に声をかける

 この出会いを経て、2人は志を同じくしていくのですが、放送の第三回で尊氏が敵に追われる俊基と、馬を2人乗りして逃げるシーンがあったんです。僕が真田くんの乗る馬に後ろから飛び乗って、障害物を飛び越え、駆けていくという流れでしたが、実は乗っていた馬が指示を聞かなくなり、カットがかかっても止まらずに走り続けてしまうというハプニングがありました。馬が一種の興奮状態になると、壁があっても突っ込んでしまうような制御不能に陥るんですよ。不慣れな人なら大けがにつながる大惨事ですが、僕も腕に覚えがあり、真田くんは日本でも指折りの馬乗りだと分かっていたので、あまり心配せずに済みました。「止まらないね。しょうがないから疲れるまで走ろうか」と真田くんと話しながら、2キロくらい走ったのを覚えています。現場は誰もそんなことに気付いていなかったので、「なんで帰って来ないんだろう?」という感じだったようです(苦笑)。

六波羅探題に捕らえられそうになったところを尊氏に助けられる

 この作品では緒形拳さんや児玉清さんと共演させていただいたのも貴重な経験でした。特に印象深いのは緒形さんに初めてごあいさつをしたときのこと。化粧中の緒形さんに「この度、日野俊基役をやります」とお声がけしたら、立ちあがってこちらを向き「緒形拳です。よろしくお願いします」とおっしゃられた。あれだけ立派で著名な役者さんが、きちんと対峙してくださったことに感動し「俺も、年を取っても絶対にこういうふうにしよう」と決意しました。本当に素敵な人でした。もちろんお芝居もさりげなくて、すごく説得力があって、緒形さんは僕のひとつの目標になりました。

都の風雲児・日野俊基は尊氏が見守る中、鎌倉で処刑された

大河ドラマ 武蔵 MUSASHI(2003)

吉岡清十郎役

大河ドラマ 武蔵 MUSASHI

インタビュー

 まだ市川新之助を名乗っていた頃の海老蔵さんが宮本武蔵を演じられました。僕はその宿敵とも言える吉岡清十郎役。足利将軍家の兵法師範・吉岡憲法の当主です。

吉岡一門の当主・吉岡清十郎

 動画では武蔵と清十郎の決闘シーンをご紹介していますが、たまたま光が当たった瞬間の隙につけ込まれるという設定がおもしろい演出ですね。殺陣師の林邦史朗先生さんが考えてくださったのですが、清十郎は武蔵よりも腕前は上だったと言われる人物なので、「なるほど成り立っているな」と思いました。林先生は大河の草創期からご活躍されてきた重鎮。大河ドラマの立ち回りシーンを充実させてきた第一人者でしたので、亡くなってしまったのが惜しいです。

武者修行にやってきた武蔵(市川海老蔵)と勝負する

 主演の海老蔵さんは歌舞伎役者で、にらみの表情が代名詞のような方。ですから『武蔵』でも、敵をにらみつける場面がとても多かったんです。でもあるとき話をしていて、「若いころはそれでもいいけど、本当の剣の達人になったら、そういう目じゃないと思う。本当に強い人はそんなににらまないよ」と生意気なことを言わせていただきました。武術をやるなかで感じるのは、にらむ人は弱い人だということ。一番怖いのはスーッと冷めたような目で周囲を見ている人なんです。海老蔵さんは晩年を演じたとき、そういう演技に変えていらした。目の表情に武蔵の変化が表れていたなと思いました。

京・蓮台寺野 武蔵との決闘に敗れる

大河ドラマ 麒麟がくる(2020)

山崎吉家役

大河ドラマ 麒麟がくる

インタビュー

 『麒麟がくる』で演じる山崎吉家は朝倉家の家老。朝倉義景を含め三代の当主を支えた朝倉宗滴に鍛えられた人物です。宗滴はとても慕われており、非常にいい時代を築いたようですが、義景になると文化に重きを置いて花開かせた反面、戦いの面がおろそかになってしまったのかなという印象を受けます。そんな朝倉家の変遷を見てきた吉家は、資料によると和歌に通じていた一方、武術的にも優れ、交渉ごとに長けた一面を持った人物だったようです。

大河ドラマ出演10作目は朝倉家の家臣 山崎吉家を演じる

 でも、今回の「麒麟がくる」で描かれる登場人物は、新解釈がなされていますので、吉家も史実通りのキャラクターではなく、どちらかというと戦争を避けようとする側の人物として登場します。しかし主家を存続させようとする武士の心得は同じですから、そこを軸に役を作れるかなと思っています。最後の戦いで活躍を見せ、戦闘で死んでいく。そんなシーンを期待しています。やはり武士ですから、腹のすわった存在感をお見せできればと思っています。

光秀(長谷川博己)から越前を出て松永久秀(吉田鋼太郎)に会いに行きたいと詰め寄られる

 主役の長谷川博己さん演じる光秀、染谷将太さん演じる信長など、これから新解釈で描くそれぞれの人物像が「本能寺の変」に向かって動き出します。長谷川さんもオリジナルの光秀像を楽しんで演じられているようなので、どんなふうにドラマが展開していくのか、僕も楽しみです。

光秀は、覚慶(滝藤賢一)は次の将軍の器ではないと明言する

BS時代劇 雲霧仁左衛門5(2022)

藤巻直七郎役

BS時代劇 雲霧仁左衛門5

インタビュー

 『雲霧仁左衛門』シリーズは好きでずっと見ていたので、第5シリーズになって出演がかない、うれしかったですね。長年、雲霧仁左衛門(中井貴一)を追い続けている火付盗賊改長官・安部式部(國村隼)に加え、江戸の取り締まり強化をはかるため同じ役職に就いて二人体制を務めるのが藤巻。安部にかわいがられている弟分のような人物でしたが、正義感が強すぎて行き過ぎた行動をとったことで、味方の裏切りにあい2話で落命してしまいました。面白い役どころだったので、とても残念です。

まっすぐな正義感の持ち主、藤巻直七郎

 撮影が行われた京都の撮影所に行くようになってもう30年ほど経ちますが、いつ行っても懐かしい場所です。若いころお話こそできませんでしたが、萬屋錦之介さんや勝新太郎さんと同じ化粧前に並び、胸を高鳴らせていました。日本酒の酒蔵に菌が住みついているように、京都の撮影所には時代劇菌のようなものが住みついていて、その空気が醸し出す雰囲気が時代劇の世界観を作り出すのではと思うほど。寂しいことに今ではあまり時代劇が作られなくなってしまいましたが、そんな特別な空気感が大好きでロマンを感じます。

火付盗賊改・安部式部(國村隼)の弟分

 今回の撮影でも京都の撮影所が時代劇の街として華やかだった頃からある旅館に泊まり、当時の空気を感じながらスタジオに通いました。また、雲霧役の中井さん、安部役の國村さんのお二方とは以前ご一緒したこともあり、気心の知れた関係でしたので、スムーズに“雲霧”の世界観になじめたのではと思っています。

雲霧仁左衛門(中井貴一)と対決
その他の出演番組を見る ※類似の氏名が検索される場合があります。
一覧から探す

敬称略

」の検索結果(0件)

お探しの検索条件では見つかりませんでした。
人物名を入れてください。