一覧に戻る

50音から探す

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行
わ行
丘みつ子 丘みつ子

丘みつ子女優おかみつこ

大河ドラマ 『勝海舟』

大河ドラマ 『勝海舟』

 私が演じたおたみは辰巳芸者で勝海舟の妻になった女性ですが、二人の最初の出会いがとても印象的で今もよく覚えています。おたみは軒先で雨宿りをしていた麟太郎(海舟)さんを濡れるからと家の中に招き入れたんですね。でも二人はとくに言葉を交わすわけでもなく、おたみは黙々と縫い物をしていて聞こえるのは雨の音だけ。そんな中、おたみが脇に置いたお皿から豆を取り、ぽつりぽつりと食べるというシーンでした。ぴーんと張り詰めた緊張感、静かな中で豆をかむ“パリッ”という音の響き。音がするたびに、ふとお互いを見る。これから二人はどうなっていくのかと気になるし、そんなふうに音だけで心の動きや状況を表している。倉本聰先生の脚本の見事さを体感できた大好きなシーンでした。

祝言のシーンも素敵でしたね。海舟さんはきちんとした家の方ですから、芸者のおたみと一緒になるのは覚悟がいることだったと思います。でも短期間の間に婚礼までいけたので私はうれしかったですね(笑)。残念だったのは海舟役の渡哲也さんが、ご病気で降板しなくてはいけなくなってしまったこと。もちろん、ご本人が一番悔しかったと思いますが、私も切なくて涙が止まりませんでした。撮影が始まって2か月たつかたたないかという頃で、すでに海舟さんと結婚して一段落ついた時でしたからショックでした。二代目の松方弘樹さんとは再婚したような妙な気持ちになったことを覚えています(笑)。でも松方さんとは初めての共演でしたが、素敵な海舟で登場してくださったので撮影はスムーズに進行しました。松方さんは酒豪で知られているので杉純道役でご出演の江守徹さんとは意気投合して、よくお二人で飲んでいたようですよ。底なしと言われるお二人でしたから(笑)。もう時効だと思いますが、撮影の前夜に松方さんが飲み過ぎて階段から落ちてしまったことがあるんです。顔に青あざができてしまい、撮影では松方さんの顔を正面から撮らないようにしたなんてエピソードもありました。

青年・勝海舟(渡哲也さん)とおたみ

  • 勝海舟の壮年時代を演じた松方弘樹さん
  • 江守徹さんは勝塾 塾頭・杉純道役

このドラマに出てくる女性はみんなカッコよくて素敵でした。海舟さんにはおたみだけでなく愛人もいて、同じ屋根の下に住んだり。いまでは考えられないですよね(笑)。でも、きちんと家の中を切り盛りして夫のために尽くす。おたみのような女性にあこがれます。他の女性たちもそうですが、あの激動の時代、国のために身を粉にして働く男の人を支えた縁の下の力持ち的存在。表舞台に出ることなく控えている姿が美しいなと思います。個人的に時代劇が好きなので、もし私がこの時代に生きていたらどうだったのかしら、なんてことも考えてしまいました。たみさんは最初から最後まで出演したので、1年間、やり遂げることができて、その達成感は大きかったです。役者冥利に尽きる充実した1年でした。

  • 長崎時代の勝を支えた女性・お久(大原麗子さん)

大河ドラマ『峠の群像』

大河ドラマ『峠の群像』

 赤穂浪士の事件を縦軸に、現代と似た元禄期の武士や町人の生き方を描き、「忠臣蔵」事件を見つめ直した作品で、丘みつ子さんは大石内蔵助の妻・理玖を演じた。

 大石内蔵助役の緒形拳さんからは、たくさんのことを学ばせていただきました。この時が初共演というわけではなかったのですが、役への入り込み方がすごいんです。ある時、内蔵助が慟哭するシーンがあったんですね。そのときの緒形さんがすさまじかったんです。涙、よだれ、鼻水がぽたぽたと畳に落ちる。それを「あぁ・・・」と悔しさをにじませて歯を食いしばりながら眺めている。その鬼気迫る表情はいまでも忘れられません。思わず、はっと息をのむようなシーンで鮮明に覚えていますし、悔しさを表現するのにこういう形があるのかと勉強になりました。ほかにも大きな声でがなり立てるのではなく、小さいけれど声の強さで説得力を出すなど学ばせていただくことがたくさんありました。

 私が演じた理玖についての思い出といえば、息子の主税に書を教えるシーンですね。父上(内蔵助)がいない間に、母の私があなたに書を教えましょうということで。ああ、時代劇をやるときは書道とか三味線とか、習い事は幅広くやっておいたほうがいいなと実感しました。

連続テレビ小説『梅ちゃん先生』

連続テレビ小説『梅ちゃん先生』

 終戦直後の東京・蒲田を舞台に、劣等生だった梅子が地域の人々に愛される町医者に成長するまでの物語。丘さんは、梅ちゃん先生の患者・早野新造の妻・妙子を演じた。

朝ドラは久しぶりでしたが楽しかったですね。肝臓がんにかかった夫・新造が家で死にたいと自宅に戻り、堀北真希さんが演じた梅ちゃん先生に看取られて最期を迎えるという物語でした。新造役の津嘉山さんも役への入り方がすごくて見習わなくてはと思うことがたくさんありました。たとえば新造が病院に入院するシーンがあったんですね。そのとき台本には書かれていなかったのですが、津嘉山さんが演出家に「この当時の流行歌は何?」って聞いているんです。それを歌いたいからって。重い病で入院しなくてはいけない時なのにね。でも、人ってそういうところありますよね。辛い時にあえて明るいテンポの歌をうたったりする。悲しいのに妙に明るさが漂い笑ってしまうような…。それが見ている人にも共感を与えるというのかな。津嘉山さんのお芝居からも、たくさんのことを学ばせていただきました。新造と妙子はとってもいい夫婦でしたね。これも好きな女性でした。

その他の出演番組を見る ※類似の氏名が検索される場合があります。
一覧から探す