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名取裕子 名取裕子

名取裕子女優なとりゆうこ

土曜ドラマ 『松本清張シリーズ けものみち』

土曜ドラマ 『松本清張シリーズ けものみち』

 私の演じた民子は26歳の役でしたが、私自身は大学を卒業してすぐの23歳でした。民子役のオファーをいただいたとき、私は芸能事務所を辞めて、どこにも所属していなかったので、自宅の電話で話をして、直接民子役を引き受けたんです。演出の和田勉さんがつきっきりで見てくださって、朝、NHKに行くと和田さんが入口に立っていて、「今日の顔はダメだ!何点だ!」と採点してくださり(笑)、メイク室に行くとメイクさんの横で「そばかすは消さないで!そのまま!」と言いながら、ずっと見ているんです。撮影中も細かく指示してくださって、夫を殺すシーンでガソリンの瓶を投げて走って逃げるときは「今の2万倍の速さで走って!」と言われ、旅館に帰ってきたときは「今の38625倍の速さで!」というようなことを言われました(笑)。カメラから見切れて顔がきちんと映っていなくても「いい!この一回だけだ!もう一回はない!」と言うなど、とにかく和田さんの気迫がすごかったです。

  • 和田勉チーフ・ディレクター(当時)

 鬼頭役の西村晃さんは演出もなさっていて、「このシーンは足を思いきりつねられて痛い!という顔をしてごらん」や、ベッドシーンでは「甘くておいしいもの、チョコレートを食べたときの顔をしてごらん」など、わかりやすく教えてくださいました。小滝役の山崎努さんは、「僕はきちんと芝居を組み立ててきているから、何度でも同じことができる」とおっしゃるくらい、全部の芝居を緻密に組み立てていらしたので驚きました。米子役の加賀まりこさんはとても意味深に、意地悪っぽく演じてくださったことを覚えています。そうやって私が特別なにかをしたというよりは、松本清張ワールド、和田勉ワールドの中で、ひとつの役割を周りのみなさんに作っていただいたのだと思います。

  • 鬼頭役 西村晃さん
  • 小滝役 山崎努さん
  • 米子役 加賀まりこさん

 ロケはすごく寒い時期にNHK界わいで撮り、民子と小滝が最後に追い詰められるシーンは緑山の造成地で撮りました。鬼頭の家や庭、門のシーンは、松本清張先生のご自宅で撮らせていただいたんですよね。先生もご家族もとてもすてきな方で、先生にはよく食事に連れていっていただきました。「まだまだ書きたいことがいっぱいある。何年経っても書き足りない」とおっしゃっていたので、すごくエネルギーがある方だなと思いました。一つの作品を書くにあたって、いろいろなことを調べ、ものすごい量の取材をなさっているお話も聞きました。本当に作家というのは大変な職業だと思います。

  • 松本清張さん(1976年撮影)
  • ロケに使われた松本邸(当時)

 この作品は、誰もが落ちてしまいそうな人生の落とし穴を描いています。清張先生の作品に出てくる人たちは、一歩間違えて全然違う方向に進んでし まった人たち。その一歩が犯罪に加担するようなこともあるかもしれない。そんな人間の弱い部分が描かれているから面白いんでしょうね。伊東四朗さん演じる刑事のセリフで、「悪いことをしている奴らがのうのうとしている。真面目にやっている俺らがちょっとくらいいい思いをしてもいいだろう」というようなものがありましたが、それも弱い人間の心情をよく表していたなと思います。伊東さんのお芝居もとてもすばらしいものでした。

  • 久恒刑事役 伊東四朗さん

 私は民子を演じていなかったら、女優をやっていなかったかもしれない。民子を演じたことで女優をやりたいという気持ちを刺激され、自分の中のスイッチを押されたのかもしれないと思っています。ただ当時は周りから『けものみち』のことばかり言われることが多く、セクシーだと言われることがすごく嫌でした。でも今、作品を見ると、クオリティが高く、すばらしい作品だったと改めて思います。私もあのときの若さがあったからこそ、当時できる精一杯のことを注いで演じることができたのだと思いますね。

大河ドラマ 『利家とまつ』

加賀藩主・前田利家とその妻・まつを中心に描き、「戦国最強のホームドラマ」と銘打たれた。大河ドラマで夫婦の名前がタイトルになるのは初めて。名取さんは利家の長兄・利久の妻のつねを演じた。

 つねさんは面白かったですね。ミッチー(及川光博)が息子役で、子ども時代は村上雄太くんでしたが、とてもかわいかった!(笑)天海祐希ちゃんは私のことを「姉さん」と呼んでいて、共演者もスタッフもみんな仲が良かったんです。あまりに仲が良かったので、スタッフと唐沢寿明くんと伊藤英明くん、ミッチーと天海ちゃんなど、スケジュールがあった方たちと伊豆のほうに一泊で旅行にも行きました。みんなでカラオケや宴会をして、すごく楽しかったですね。

 松嶋菜々子ちゃんは朝早く来て、着物を着る練習をしていましたね。最後にはきちんと着られるようになったので、着物をプレゼントしたらすごく喜んでくださいました。お返しにいただいた犬用バッグは宝物です。

  • 能登領主となった利家の城
  • つねは忍者を率いて現れる
  • 「私がお命をお守りいたす」
  • まつ役・松嶋菜々子さん 利家役・唐沢寿明さん

朝の連続テレビ小説 『あぐり』

吉行和子さんの母で美容師・吉行あぐりの実話を元に描いた物語。主人公のあぐりに美容について指南していく美容師のチェリー山岡を名取さんが演じた。

 チェリー先生はアメリカ帰りの役だったので、衣装や飾りもすごく頑張って作ってくださいました。私が自分で縫ったものを使ったこともありました。吉行さんが「あなたが演じてくれてよかったわ」と言ってくださったのがとてもうれしかったです。

 田中美里ちゃんは本作がドラマの主演が初めてでしたが、すごく忍耐強いお嬢さんでした。美里さんにも、大河ドラマなど時代劇のお稽古で使ってねという気持ちで、着物と襦袢(じゅばん)を作ってプレゼントしましたね。私は自分がかつて乙羽信子さんに舞台のお道具一式をいただき、今でも舞台があるとそのお道具を使うので、女優としての気持ちを繋げるためにも、私でわかることなら、今の女優さんにも伝えていきたいと思っています。

  • あぐりが師事するチェリー山岡役
  • あぐり(田中美里さん)
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