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阿部寛 阿部寛

阿部寛俳優あべひろし

1964年生まれ。神奈川県出身。モデルとして活躍後、1987年の映画『はいからさんが通る』で俳優デビュー。大河ドラマ『八代将軍吉宗』や『元禄繚乱』など多くのドラマに出演し、2000年から始まった『TRICK』シリーズ主演で話題に。2012年には映画『テルマエ・ロマエ』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、『麒麟の翼~劇場版・新参者~』でブルーリボン賞主演男優賞、2016年にドラマ『下町ロケット』で東京ドラマアウォード2016主演男優賞など、数多くの賞を受賞。NHK出演作は、大河ドラマ『天地人』や『坂の上の雲』など。『スニッファー 嗅覚捜査官』、『遙かなる山の呼び声』では主演を務めている。

大河ドラマ 義経(2005)

平知盛役

大河ドラマ 義経

インタビュー

 滝沢秀明さん演じる源義経の敵役・平知盛を演じました。大河ドラマ出演は、『八代将軍吉宗』、『元禄繚乱』、『武蔵 MUSASHI』に続き4作目でした。僕はこの作品まで、いわゆる武士らしい武士を演じることが多かったのですが、知盛は公家化した平家の武将なので、品位を感じさせなくてはいけませんでした。また、一匹狼的な武士ではなく、複雑な環境にいる人物だったので、演じるのに苦労した覚えがあります。

冷静に戦況を見る知盛は清盛亡き後、平氏軍の大将となる

 平家の兄弟のなかでは最も武闘派で勇猛果敢。壇ノ浦では、その知盛の人となりを見せられればと思っていました。知盛の一番有名なシーンである壇ノ浦は、動画を見ていただいてもわかりますが、最後に鎖を体に巻きつけ、大きな碇(いかり)を持ち上げてそのまま入水します。本物の石の碇なら、重さ100キロはあったと思うんですけど、実際はけっこう軽くて、撮影では水の中で浮いてしまって大変でしたね(笑)。また、舟の上で義経と戦うシーンもありましたが、義経はひょいひょい身軽に飛んだりするんですよ。そういう超人的な義経に対して、僕は人間的に戦う部分を見せたいと思い、2人の動きの対比を大事にしていました。

 知盛は最期に、「見るべきものはすべて見た」と言います。このひとことにはとても重みがありました。平家は栄華の極みを見た一族であり、強さや優雅さ、破滅も見た悲しい一族です。そのなかで知盛は、一族の苦悩や、人間のさがのようなものをすべて引き受けた人物だったのだと思います。

歌舞伎にも描かれる有名な“碇知盛”の場面

大河ドラマ 天地人(2009)

上杉謙信役

大河ドラマ 天地人

インタビュー

 圧倒的な存在感を持つ武将・上杉謙信を演じさせていただきました。謙信は毘沙門天がまつられている洞窟に閉じこもり、この場所でいろいろ考え、瞑想しています。琵琶を洞窟で弾くシーンもありましたね。琵琶の先生に習っていたのですが、「もう少し力を抜くように」と言われたことを覚えています(笑)。

毘沙門天をまつった岩屋で謙信はついに信長を討つ決意をする

 謙信は亡くなる少し前にこの洞窟に直江兼続(妻夫木聡)を呼び、越後の将来を託します。謙信は自分の「義」の精神を受け継ぐ者を兼続だと見ていて、兼続には自分を超えたもうひとつの「義」を見つけてほしいと思っていたのでしょう。そうでなければ、越後と越後の民を守れないのだと……。謙信という武将は、唯一自らの「利」に走らなかったとも言える存在です。また、生涯無敗という伝説的な人間だけに、その強さや優しさ、存在感をどう表現できるかを考えて演じていました。

謙信は兼続(妻夫木聡)、景勝(北村一輝)に“義”の心を説く
病に倒れた謙信は看病する兼続に“そなたの義”と言い残し…

 収録が始まる前に舞台となる新潟に行かせていただいたのですが、地元では、「謙信公が来た!」と、大勢の方たちが出迎えてくださって、びっくりしました。「妻夫木くんじゃなくて、主役は俺か?」というくらいすごい人気だったんです(笑)。それほど新潟では謙信への尊敬の念が強いとわかったので、「うわーっ、これは大事に演じないと!」と、改めて思いましたね。

 2007年の大河ドラマ『風林火山』で謙信をGACKTさんが演じられていて、新潟で行われている「謙信公祭」に出席されたそうです。そのときもものすごく盛り上がったとお聞きしたのですが、残念ながら当時、僕は出られなかったので、今でもとても残念です。僕が演じる謙信は、第9回で亡くなりましたが、新潟の方たちにとって英雄であり、大事な人を演じさせていただいたことをうれしく思います。実在した人物を演じるときは、本当に大切に演じないといけないのだと、勉強させていただいた作品です。

スペシャルドラマ 坂の上の雲(2009~11)

秋山好古役

スペシャルドラマ 坂の上の雲

インタビュー

 秋山好古は、亡くなったときに「最後の武士」と称された人物です。数え十歳で明治維新を迎え、成長してからは陸軍士官学校で騎兵戦術を学び、のちに「日本騎兵の父」とも呼ばれます。ですから僕もできるだけ馬に乗ろうと思い、馬に乗る撮影がある前は、乗馬の練習にかなりまとめて通っていました。今でも3日間くらい乗れば、当時のように乗りこなすことができると思うくらい、たくさん練習しましたね。

兄・好古は陸軍士官学校で学ぶ秀才、弟・真之(本木雅弘)は松山のガキ大将

 本当にロケが大変な作品でした。動画のシーンは内モンゴルのロケでしたが、昼間は気温20度、次の日には氷点下20度になるような過酷な現場でした。当時の騎兵はそういう中で生死をかけて戦い、行軍していたのだと思うと、いかに強い精神力が必要だったのかがわかります。とても貴重な体験をさせていただいたと思います。物語の第2部では、コサック軍の視察に好古がロシアに向かうので、モスクワロケがありました。モスクワでは、到着早々に酒を飲みまくるシーンを撮り、次の日にまた撮影して、そのまま帰国。その3日後にはフランスロケという強烈なスケジュールでした。でも、僕以外の皆さんもイタリアロケなど、いろいろなところに行っていたので、NHKが本当に力を入れた作品だったのだと実感しています。準備期間含め、のべ5年間。本当にすごい作品に出演させていただきました。

 好古の弟、秋山真之を演じる本木雅弘くんと、正岡子規役の香川照之さんも大変だったと思います。香川さんは17キロくらい痩せたのではないでしょうか。自分の分の撮影は半年に1度、1か月間くらいなのですが、その間に本木くんたちが撮っているので、どこまで撮影が進んでいるのかもわからず、自分が久々に撮るときには、好古の気持ちを前回撮ったときからつなげることがすごく大変でした。本木くんとはほとんど別の撮影でしたが、最後の撮影は松山で兄弟が語り合うシーンだったんです。非常に穏やかなシーンなのに、実際は海が大しけ(笑)。そういった苦労も最後だと思うととても感慨深いものがありました。兄弟のシーンで終われたことはとてもよかったですね。

病に苦しみながらも子規(香川照之)は俳句を作り続ける
秋山兄弟がふるさとの海で釣りを楽しむラストシーン

戦後70年 一番電車が走った(2015)

松浦明孝役

戦後70年 一番電車が走った

インタビュー

 広島電鉄で働く松浦明孝さんをはじめ、原爆が落ちた何日か後に、一生懸命、電車を動かそうとがんばった人たちがいたことを、この作品に携わるまで知りませんでした。大変な状況のなかでも、電車を動かさなければどうにもならない、無事な人たちがなにもできないと思い、「前へ、前へ」と電車を動かし、がむしゃらに生きていたのだと思います。

原爆投下直後の広島で、路面電車の復旧に奮闘した人々を実話をもとに描く

 撮影前に改めて当時の広島を描いた映画や作品、資料を見させていただきましたが、たった一発の原爆でどれだけの威力があったのか、その恐ろしさを感じました。今、思い出してもつらくて泣けてきますし、本当にひどいことだと思います。だけど、松浦さんも電車を運転した女学生たちも立ち止まらなかった。自分にできることに力を尽した人間の強さというものに本当に感動しました。

がれきの下に線路は残っていた…

 松浦さんのご家族にもお会いしました。ご自宅は被災地から2キロちょっと離れているんですけど、それでも天井がぐわっと浮くくらいの衝撃があったそうです。また、広島では、古い電車が保管されている江波車庫の一角でロケをさせていただきました。当時の電車を撮影で使わせていただいたことはとてもありがたかったです。短い時間でしたが、この作品に出演でき、使命感のようなものを感じましたし、「きちんと演じたい」という純粋な気持ちで本作と向き合うことができました。

 電車を運転する雨田豊子さん役の黒島結菜さんはがんばっていましたね。彼女は沖縄出身なんですけど、沖縄も戦争のときに大変だった土地じゃないですか。沖縄に住んでいれば、当時のことを知る機会も多かったでしょう。彼女がインタビューで戦争について話をしているのを見ましたが、非常にしっかりした受け答えをしていたので、豊子さんを演じるのが彼女でよかったと思いました。まだ少女のような年齢の豊子さんが大人の中で必死に生きようとする戸惑いみたいなものを、黒島さんがとても繊細に演じてくれたと思います。

少女運転士・豊子(黒島結菜)は親友を原爆で失った
広島の復興を信じ、焦土に一番電車が走る

遙かなる山の呼び声(2018)

田島耕作役

遙かなる山の呼び声

インタビュー

 38年前に高倉健さんが演じた名作なので、正直、プレッシャーを感じています。原作を書かれた山田洋次先生の作品で、以前『幸福の黄色いハンカチ』に出演させていただきましたが、そのときも健さんが演じた役を演じさせていただいたので、なぜ今回も僕なのかと思いました(笑)。健さんの演じた役というのは作品がもう完成されているので、役者なら誰もがきっと断ると思うんです。でも今回、山田先生から僕にと、お声をかけていただいたので、これは引き受けない手はないなと(笑)。演出の朝原(雄三)さんのリードや、民子役の常磐(貴子)さんのすばらしい演技に助けられ、とてもいい作品ができあがりました。感無量です。

牧場で働かせてほしいと申し出る田島に、民子(常盤貴子)と息子の武志(佐藤優太郎)は…

 大変だったのは搾乳のシーンですね。事前に時間をとって練習をしましたが、難しかったです。でも、搾乳を経験したことで牛のかわいさもわかりましたし、牛それぞれに性格があることもわかりましたし、実際に搾乳でご苦労されていることもわかりました。ロケでは、筧(利夫)さん演じる虻田太郎に水をかけるシーンがあったんですけど、失敗したらいけないと思い、思いきりやったら、水があまりにもうまくかかっちゃって、お互い一瞬動きが止まってしまいました(笑)。筧さんの役はコミカルですが、とても重要でいい役なんですよ。

民子に乱暴しようとして追い払われた虻田(筧利夫)は、田島に報復しようとしたが…

 僕が演じる田島は、罪を背負って逃げているので、多くは語れないところがミステリアスであり、魅力的でもあります。今作は恋愛の部分が描かれているので、大事なことは、民子が田島を好きになれるかどうかでした。罪を背負った人間が目の前にいて、その男の過去を短時間の間に受け止められるかどうか。逆に田島は、民子に対する気持ちを封じなければいけないので、役者としてその部分を演じる醍醐味がありました。

 本作はもともと高倉健さんありきで書かれた作品だと思います。今回は現代版に変えて、脚本を山田先生がお書きになりましたが、田島のセリフはほぼ昔のままです。ですから、あえてなにかを変えるということはしていません。健さんに対するオマージュであり、作品に対するオマージュです。今、僕たちが作るとこういう作品になるというのをぜひ見ていただきたいですね。

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