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阿部寛 阿部寛

阿部寛俳優あべひろし

大河ドラマ 『天地人』

大河ドラマ 『天地人』

 上杉謙信は、無敗神話があるほど強いとされ、その強さは神がかり的だったらしい。そんな人物ですから、演じるにあたってはいろいろと考えさせられました。それだけ強い軍勢を率いて戦うというのは、まず謙信自体が圧倒的なカリスマだったはずで、越後の民にとっては、どういう存在だったのか。その精神力、指揮力の高さは計り知れない。それを想像して兼続目線の謙信像を作ることから始めました。

 戦国時代の武将であれば、誰もが領土を広げ、天下を取ることを目指して疑うことがなかったはずです。ところが謙信だけは別でした。助けを請われれば放っておかないし、必要以上に敵を深追いすることもなかった。「義」のない戦はしないという精神を貫いていました。周りの武将がどんどん「利」を追求するなかで、おのれの欲はないに等しい。その精神は、若いころから戦ってきて血を見てきた結果、行き着いたものなのかなと思います。真に何のために戦っているのかわからないと、空しくなったのかもしれません。自分がやるべきことはなんだろうと考えたときに、心の富というか、内面の豊かさに向かっていったんだと思います。

 天下を取れる力がありながら、「義」の精神を優先してそれをしなかったわけですから、当然、反抗勢力も出てきたはずです。保身だと受け取る家臣もいたでしょう。でも、そういった勢力を抑えるだけの信頼が彼にはあったのですから、やはり謙信には本当のカリスマ性が備わっていたんだと思います。それに商業を発展させる能力にも長けていた。土地に恵まれていたというのは大きかっただろうけど、それを最大限に生かす術を知っていた。越後は本当に豊かで、それによって人の心も豊かになり、ますます彼を信頼する民が多くなる。この豊かな越後を謙信とともに守っていかなくてはという心も民に芽生えていったんだと思います。

 演じるうえでは、謙信の強さや優しさ、存在感をどう表現するのかということが重要でした。謙信といえば白頭巾のイメージがありますが、頭巾をかぶるとどうしてもおとなしくなってしまう。そこで、謙信の強さを強調できるようなかつらや衣装をいろいろと工夫して作っていただきました。謙信の「義」の精神の継承者である直江兼続を演じた妻夫木(聡)くん、そして跡継ぎとなった上杉景勝を演じた北村(一輝)くん。ふたりは、役柄ともリンクしますが普段から仲が良かったですね。全体として大河というチームを作るために、彼らを中心にみなが一つになって『天地人』という大きな作品に挑んでいた。そのことを現場にいて僕も感じていました。

スペシャルドラマ 『坂の上の雲』

スペシャルドラマ 『坂の上の雲』

明治という時代、四国・松山出身の秋山好古・真之兄弟、正岡子規たちの青春群像を3年にわたって壮大なスケールで描いたスペシャルドラマ。阿部寛さんは、「日本騎兵の父」と言われた秋山好古を演じた。

 ドラマは、明治維新を迎えた日本とそこに生きた人たちの姿を描いたものですが、時代の変革期は多くの価値観が共存していた時代だったのでしょう。そういう時代があったことを大切に思うし、役者として彼らが考えたこと、目指したものをきちんと表現したいと思っていました。

 好古は「最後の武士」と言われた人物。明治初年に生まれた真之が明治の申し子だとしたら、江戸時代を知っている好古は武士の品格を持ち続けた人だったのではないでしょうか。口数も多くなかったと言いますし、何事においても無言実行で自分自身のなかに誇りを持っている人だった。徹底してシンプルで単純明快に生きた人なので、演じていても心が洗われる気がしていました。

 兄弟一緒のシーンはあまりなかったのですが、2人の関係はドラマの冒頭から描かれており、兄弟というよりどこか父子に近い心境でした。どちらも秀才でしたが、好古は物事を大きくとらえるのに対し、真之は細部に目が行き届く切れのよさを持っている。好古が鉈(なた)だとしたら真之はナイフのような切れ者という印象がありました。長い歳月をかけて取り組んだドラマでしたが、最後の撮影で四国の松山に戻り、兄弟水入らずの芝居だったことがとても感慨深くうれしかったことを覚えています。

土曜ドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』

土曜ドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』

特殊な嗅覚を持つ主人公が人情刑事と共に、難解で奇妙な事件を鮮やかに解決する犯罪捜査ドラマ。ウクライナで制作され世界的な大ヒットドラマの日本版。阿部寛さんは人並み外れた鋭敏な嗅覚の持ち主・華岡を演じた。

 NHKの現代劇に出演するのは久しぶりのことですが、スタジオセットの細部からロケ地の選び方、撮影手法まで、制作スタッフのこだわりのすごさに驚きました。長年、俳優をやっていますが、こういう刺激的な現場で芝居をやらせていただけることを本当にうれしく思っています。

 また刑事役で共演する香川照之さんは、数々の名作を世に送り出している“名”がつく俳優さん。一緒に仕事ができるのが本当に楽しく、きっと名作になると期待しています。

 僕が演じる華岡は、人の感情の匂いまで研究しているという人物で嗅覚が強い武器。鼻がきくというのをどう見せるのかがポイントです。オリジナルはウクライナのテレビの人気シリーズですが、日本向けにグレードアップさせているので、十分に楽しんでいただける見ごたえある作品になっていると思います。

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