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岡田茉莉子 岡田茉莉子

岡田茉莉子女優おかだまりこ

大河ドラマ 『三姉妹』

大河ドラマ 『三姉妹』

 昨年、NHKに昔の作品を録画したテープを何作か提供いたしました。そのひとつに『三姉妹』の19話があったのです。今はその19話しか現存していないそうなので、残念ですね。『三姉妹』は私が初めて大河ドラマに出演した作品です。大河ドラマとしても女性を主人公にした初めての作品だったと思います。当時の私は東宝からフリーになり、松竹と契約したばかりで一番忙しい時期でしたが、“むら“という女性の人生を演じたことは本当に良かったと思っています。幕末の時代に主人を亡くし、台車で死体を運ぶシーンがあったり、その後に外国人の男性と結婚したことで、人々から石を投げられるシーンがありました。今の人たちが観るとそんなに驚くことはないかもしれないのですが、やはり幕末から明治時代にかけて、“むら”のような女性が生きていたというのはすごいことだと思います。あの変動期の世の中で女性が生きていくというのは相当強くないと耐えられないことですから。50年も前にNHKが“むら”という女性を主人公にした作品を作ったことは素晴らしいことだと思います。

フランス人商人のもとで暮らすむら

 “むら”は琴の達人という役柄でしたが、私たちの時代の女性はお琴、三味線、ピアノ、日本舞踊は必ずたしなみとしてお稽古をしていたので撮影をしていてもなんとか大丈夫でした。まして、女優という仕事はなんでもできなくてはいけないので、一通りのことは全部お稽古をしておりました。それでももしできないのなら、できるようになるまできちんとお稽古をしてから本番に臨むようにする。そのおかげで言葉遣いも着物での所作も自然とできていたので、撮影で困ることはあまりなかったと思います。私はデビューした時からメイクは自分でするように訓練されていましたので、このときのメイクも自分でしていました。メイク下地だけはNHK指定のものがあったので、何種類かある中から色を選んで塗っていましたが、あとは自分のものを使っていました。小さなすずりを持っていき、筆で眉を書くと自然な眉毛に見えるのです。“むら”の生きた時代、口紅はまだ朱色しかなかったので、朱色をつけるようにするなど、その時代らしいメイクをするように心がけました。

  • るい役の藤村志保さん
  • 雪役の栗原小巻さん

 三姉妹の次女・るいを演じた藤村志保さんは、実際は“るい”よりも強い人でしたが、見た目がすごく役にあっていましたね。志保ちゃんは踊りもできましたから本当に素敵でした。三女・雪役の栗原小巻ちゃんはずいぶん苦労されていました。彼女は背が高いから特に駕籠(かご)に乗るのが大変そうでした。駕籠に乗るには体をギュッと縮めてお尻から乗らないといけないので、慣れていても苦労するんです。実は雪役はなかなか決まらず、キャストを決める際に私も同席して「この人がいい」と言って小巻ちゃんに決まったんですよ。小巻ちゃんはデビューして数年でしたが頑張っていましたね。『三姉妹』のスチール撮りのときは三人で大騒ぎでした(笑)。ステージにセットを組んで、それぞれお琴と鼓と扇子を持って、1日がかりで撮影と取材を行いました。そのときも小巻ちゃんはカツラに慣れていなくて大変そうでした。

 当時は今のように既製品を使うのではなく、全部の衣装を新しく作っていました。鹿鳴館のシーンもあり、ドレスや舞台セットがすごく美しかったですね。スタジオの中を馬車で走った記憶もあります。ロケはほとんどしていなく、スタジオばかりだったと思います。カメラが4台しかなかったので、俳優もカメラマンもカット割りを全部覚えないといけないんです。今のように編集もできないので、誰もがNGを出せませんでした。その緊張感がすごかったですね。ただ、私は映画の世界で育っていたので、「ここに立ってください」と言われたら必ずその場所に立つように訓練されていました。そのため、リハーサルではカメラマンさんが「岡田さんはきちんと決まった場所に立つ人だから、僕らもちゃんとその場所にカメラを合わせないと絶対に駄目だよ」とおっしゃっていて(笑)。それが聞こえたときは「わかってるな」と思って嬉しかったですね(笑)。そんな私も本番5秒前になると「絶対にドラマなんてもう出ない!と思うほど大変でした。でも撮影が終わると解放感が素晴らしいのでまた出演してしまうんです(笑)。当時はとにかく全員が集中して仕事をしていたので、「仕事をした!」という満足感がすごくありました。

鹿鳴館のシーン

新大型時代劇『真田太平記』

新大型時代劇『真田太平記』

真田昌幸・信之・幸村という真田一族が、戦国の世を駆け抜けた姿を、彼らを取り巻く人々とともに描いた。真田幸村が最期まで守ることになる淀君役を岡田茉莉子さん、天下人・豊臣秀吉を長門裕之さんが演じた。

  • 秀吉役 長門裕之さん
  • 秀頼役 円谷浩さん
  • 真田幸村役 草刈正雄さん

 『元禄太平記』でご一緒した演出の大原誠さんから「淀、やってくれる?」と言われて、「ええっ、淀?」と驚きながらもお受けしたことを覚えています(笑)。淀はそれまで演じたことがなかったので最初は「できるかしら?」と思っていたんです。でも淀のように面白い役は演じていて気持ちがいいのでお受けして良かったですね。

 ただ、カツラの髪の毛が長くて後ろに引っ張られるんですよ。しかもこの髪型はほとんどの方が似合わないもので、私も似合っていなかったと思います(笑)。カツラも着物も重くて体力的にとても厳しかった。

 一番覚えているのは、大阪城炎上のシーンですね。当時はスタジオで火が使えたので、とにかく熱くて大変でした。淀としては平然としていないといけないので、私も平然としていましたが怖かったですよ。髪の毛がお尻のところまであるので、もし火の粉が飛んできたら大変だと思って(笑)。

 本作はスペシャリストなスタッフが集まった作品なので、スペシャルなものができました。全体を通してすべてが一級品だったと思います。

  • 自害を決意した淀君は、家臣に火を放てと命じる…
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