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国広富之 国広富之

国広富之俳優くにひろとみゆき

1953年生まれ、京都府出身。77年、『岸辺のアルバム』でデビュー。同年、ゴールデンアロー賞放送新人賞、テレビ大賞新人賞を受賞。その後、ドラマ『噂の刑事トミーとマツ』『ふぞろいの林檎たち』などに出演。NHKでは大河ドラマ『草燃える』の源義経役で注目を集めた。以降、連続テレビ小説『マッサン』『ちかえもん』『島の先生』『幕末グルメブシメシ!2』大河ドラマ『八重の桜』など、幅広い役を好演している。

ドラマ 極楽家族(1978)

大曲仁役

ドラマ 極楽家族

インタビュー

 デビューして間もない頃に出させていただいたドラマです。親子関係、自殺者の増加、介護問題など、今にも通じるようなテーマを取り上げ、賞もいただだいた作品ですね。

 僕が演じたのは、暗い過去を引きずり、生きる目的もないことから、ひとつの所に落ち着けずにいる若者。そんな彼が“ぽっくり寺”と親しまれている奈良のお寺を訪れ、偶然に老夫婦と出会うところからドラマは始まります。老夫婦は実子と疎遠になっていたことから、亡くなった次男にソックリの若者を実の息子のようにかわいがるようになります。若者もまた夫婦を慕い、疑似家族のようになってく姿を描いていました。でも、やはり現実から目をそらすことはできないものですよね。

ハナ(ミヤコ蝶々)は事故で亡くなった息子にそっくりな若者・仁と出会う
仁の恋人・みつる(大竹しのぶ)も加わり、本当の家族のようなくらしが始まる

 このときおばあちゃん役を演じたのは大ベテランのミヤコ蝶々さんでした。まだキャリアの浅かった僕や恋人役の大竹しのぶさんに対し、まるで劇団の演出をされるように、いろいろと教えてくださいました。なかでも「芝居っていうのはな、力入れてやるもんと違うんや。力を入れてるみたいに見せるんが芝居なんや」とおっしゃったのは印象的でした。ちょうどおばあちゃんと若者が尺八か何かを取り合いするシーンだったんですよね。「行かさへん」、「いや、返してくれ」というようなやりとりをするのですが、「あんたな、私みたいなおばあちゃんからそんなもん取り上げるのんは簡単なもんなんや、そやけど、それを行ったり来たりして力を入れているようにするのが芝居なんや」ってね。とても納得した一言で、この時のエピソードは心に残っています。本当に勉強をさせていただきました。

出て行くと言う仁をハナは懸命に引き止めるが…

大河ドラマ 草燃える(1979)

源義経役

大河ドラマ 草燃える

インタビュー

 初めての大河ドラマで時代劇の経験もほとんどなかったので、学ぶことも多く、楽しませていただきました。演じた源義経は日本人なら誰もが知っている武将ですし、“男の子”としては鎧兜(よろいかぶと)を身につけての馬上の合戦シーンは心躍るものでした。

 乗馬クラブで馬を持っている友達がいたので、元々、乗馬経験があり、『草燃える』の時も馬に乗るのに苦労することはありませんでした。ただ、時代劇ですから木製の和鞍(わぐら)を付けていて、間に毛布を入れていてもお尻に堪えたことを覚えています(笑)。

 印象に残っているのは、なんと言っても主演の石坂浩二さん。義経の兄・頼朝を演じられていました。石坂さんと言えば、映画やドラマ、CMで活躍されている姿を見て、子どもの頃から「かっこいいなぁ」と憧れていた方。そんな方と兄弟役ですから、とても嬉しかったですね。

 石坂さんは皆さんご存知のように、とても博学で頭のいい方。セリフも完璧に頭に入っていました。それに比べて僕は、大河の現場に不慣れなこともあり、いつもドキドキしていましたね。というのも、どこからでも取り直しの効く今とは違って、当時の撮影はひとつのシーンを一度で撮る手法。例えば5分のシーンでも、NGを出すと最初からやり直しになってしまうので責任重大でした。

平家を討ち有頂天になる義経に頼朝(写真右:石坂浩二)は怒りをつのらせていく

 そんななか、おしゃべり好きな石坂さんは本番直前まで、色んなお話をしてくださり、ドキドキしている僕はさらに焦ることに(苦笑)。余裕の石坂さんは本番の声がかかった途端、一瞬でお芝居に入られて、僕も何とかそれについていくような感じでした。お話はどれも楽しくて、話しかけていただくことが嬉しかったのですが、本番前は少し複雑だったなぁ(笑)。

義経の最期

土曜ドラマ 島の先生(2013)

橋野君弘役

土曜ドラマ 島の先生

インタビュー

 離島の学校を舞台に、さまざまな問題を抱えて島に留学し、里親の元で暮らす子どもたちと教師や島民たちの交流を描いた物語。僕が演じたのは都会から移り住んできたという設定の役でした。

千尋先生(仲間由紀恵)が務める島の学校には、さまざまな問題を抱えた子どもが集まる
島を気に入って、定年後、都会から移り住んできた橋野

 撮影が行われたのは加計呂麻島(かけろまじま)。奄美大島から連絡船で行く離島で、2か月近いロケ期間を島で過ごしました。でも実は加計呂麻島に行くまでが大変だったんですよ(苦笑)。

 当初は羽田を朝の8時ごろ飛び立って、お昼過ぎに着く予定でしたが、ようやく奄美大島に着陸する段になって、雨で車輪を下ろせない事態に。晴れを想定していたために車輪に雨用のカバーをかぶせておらず、それでは着陸できないと、燃料の都合もあって大阪へ引き返しました。燃料を積み直して天候を確認し、再度、奄美へ。今度も晴れ予定だったのが、到着する頃にまた雨が降ってきてしまって、今度は羽田に戻って一泊。翌朝、三度目の正直でようやく奄美大島に降り立つことができました。

「島は日本の保健室だ」という橋野に、島育ちの彰芳(井浦新)は…

 ロケ中はスタッフ、出演者がみんな同じホテルに泊まり、食事をともにしていたのですが、そんな食事の席でこの話をしたところ、共演の小野了さんが雨男だという話になって。以降、小野さんと一緒のシーンは必ず雨が降るとみんな冗談を言うようになりました(笑)。2か月近くも一緒に過ごしたので、撮影チームはとても仲良くなり、今でもコミュニケーションアプリでグループを作ってつながっているほどなんですよ。

 自分の出番以外はすることがなく、島を簡単に出ることもできないので、結果、のんびりと過ごせたのもいい思い出です。島の海岸をのんびり歩いたり、波の音を聞いて半日過ごしたり、普段はなかなか出来ないぜいたくな時間をいただいた作品でもありました。

木曜時代劇 ちかえもん(2016)

結城格之進役

木曜時代劇 ちかえもん

インタビュー

 近松門左衛門を主人公にした『ちかえもん』では、ゲスト的な出演をさせていただきました。演じたのはお初(早見あかり)の亡父。友人だった忠右衛門(岸部一徳)の不正を見過ごせなかったことから、裏切られる形で命を落とすという役どころでした。

 お初は敵討ちのために忠右衛門の息子・徳兵衛(小池徹平)に近づき、恋仲になるので、ドラマ的にはシリアスパートを担った訳ですが、それ以外のドラマの要素が濃密で、自分の演じた役よりもむしろ、浄瑠璃の素晴らしさとストーリー展開の面白さに夢中になり、娘と一緒に夢中になって見ていた思い出の方が強い気がします。

平野屋忠右衛門(岸部一徳)と蔵役人の格之進は人形浄瑠璃を通して親しくなる
格之進は平野屋が高価な朝鮮人参の不正取引に関わっていることを知り…

 もう一つ印象的だったのが、竹本義太夫を演じた北村有起哉さんの語りのうまさ。以前、僕も二代目の水谷八重子さんが女義太夫を演じて主演された舞台で、彼女に思いを寄せる人形遣いの役をやったことがありました。義太夫を練習したことがあったので、その難しさをよく知っているんですよ。でも、北村さんの語りを聞いて「素晴らしいな」と驚いたことを覚えています。

竹本義太夫(北村有起哉)の見事な語り

大河ドラマ 西郷どん(2018)

近衛忠煕役

大河ドラマ 西郷どん

インタビュー

 僕が演じる近衛忠煕は、関白や摂政になれる五摂家筆頭の家柄。薩摩の島津家にとっては朝廷との間を取り持つ重要人物です。今は亡き斉彬とともに、一橋慶喜の将軍擁立をはかるものの安政の大獄で処分され失脚してしまいました。

 近衛さんを演じるにあたっては、実際のお人柄や資料を掘り下げていくというよりは、台本のイメージを膨らませて役作りをしています。僕自身、京都出身ですが、お公家さんを演じてみるとやはり雅な言葉で柔らかい印象ですね。特にこの月照さん(尾上菊之助)の登場シーンは野田監督の演出もあって、ふ〜っと風が吹いて御簾(みす)が動く描写など、優雅な雰囲気が出ていますよね。

月照(尾上菊之助)

 監督からは「ソフトな感じで、ちょっとジタバタしているようなイメージのお公家さん像を演じてほしい」と言われているので、明るくて少しなよっとしたところのある近衛さんをイメージして演じています。

 『西郷どん』は台本が本当に面白く、読んでいると頭の中に劇画のようなイメージが浮かんできます。西郷が涙を流すシーンなんか、いわゆるマンガの主人公がドバーッと泣くような姿を思い浮かべたりして。これまで何作か大河ドラマに出させていただいているので、それぞれ台本には特徴がありますが、今回は一話一話の登場人物が少なく、その分じっくりと人物が描かれているような気がしますね。

 ドラマでは今後も実直な西郷の姿を描いていくので、要所要所で登場する僕たち朝廷の人々は彼ら武士の世界とは対照的に柔らかく雅な雰囲気を出せればと思っています。

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