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緒形直人 緒形直人

緒形直人俳優おがたなおと

1967年生まれ、神奈川県出身。1988年、映画『優駿 ORACION』で俳優デビュー以来、ドラマ、CM、ナレーションなどで幅広く活躍。NHKへも出演作多数。銀河テレビ小説『新橋烏森口青春篇』、正月時代劇『荒木又右衛門~決戦・鍵屋の辻』、大河ドラマ『翔ぶが如く』、連続テレビ小説『ファイト』など。1992年の大河ドラマ『信長 KING OF ZIPANGU』では、織田信長役で主演を務めた。2018年は、プレミアムドラマ『ダイアリー』に高野誠役で出演。

銀河テレビ小説 
新橋烏森口青春篇(1988)

椎名誠役

銀河テレビ小説 新橋烏森口青春篇

インタビュー

 小説家、椎名誠さんの原作をもとにした青春ドラマですが、僕が演じたのはまさに“シーナ君”こと新人新聞記者の“椎名誠”役。そして、椎名さんご本人がナレーションを務められたおもしろい趣向の作品でした。

 実は僕、この作品がテレビドラマ初出演なんです。同じ年の映画『優駿ORACION』で俳優デビューはしたものの、もともとが裏方志望だったこともあり、俳優としてはまだ駆け出し。少しでも何かを学ばせていただこうという気持ちで、この現場に臨んだのを覚えています。ところが映画と違って、ドラマの現場はマルチカメラ方式なんですよ。クランクイン当初は、カメラがたくさんあって、どれが自分を映しているカメラなのかもわからず戸惑ったこともありました(笑)。

小さな業界紙の新人記者となったシーナ君
大堂社長(左/コロンビア・ライト)と高根専務(右/伊東四朗)
森川編集長(イッセー尾形)

 でも、そうした中で何より勉強になったのは、共演者の方々のすばらしく存在感のある演技でした。新人記者“シーナ君”を取り巻く、ひとくせもふたくせもある新聞社の人々を伊東四朗さんやイッセー尾形さん、コロンビア・ライトさんといった芸達者な先輩方が見事に演じられていて。皆さんの長年の経験に磨かれた演技は、いつまでも眺めていられるほど面白かった。それを僕は、自分の演技が終わってもスタジオの端からこっそり拝見し、勉強していたんです。まだまだ自分が何者になれるかはわからなかったけれど、“役者っておもしろい” “芝居をもっとよくしたい”と、そんな思いを抱きながら必死に歩んでいた日々を思い出します。

個性的な社員ばかりの“百貨店ニュース社”
社員旅行でトラブル発生?!

大河ドラマ 
信長 KING OF ZIPANGU(1992)

織田信長役

大河ドラマ 信長 KING OF ZIPANGU

インタビュー

 92年の大河ドラマで“信長”をやるが、出演をお願いできないか――。最初にお話をいただいたとき、僕はマネージャーにこう確認をしたのを覚えています。「で? 僕は誰の役を演じるの?」と(笑)。つまり、主役・織田信長役に指名された僕自身、信長と自分のイメージがかけ離れすぎていて、まさか自分が主人公・信長だとは思いもしなかったんです。ただ、この作品の脚本を手掛けられた田向正健先生と演出の重光亨彦さんとは、90年の正月時代劇『荒木又右衛門~決戦・鍵屋の辻』ですでに一度ご一緒していました。そのお2人が僕をどうしても“信長”にというのならば、その思いに賭けてみようと思ったんです。

家臣たちにも“大うつけ”と噂された若き日の信長
信長の正室・帰蝶(菊池桃子)

 でもあえて、お2人から起用の理由を伺ったことはありません。田向先生からは「君は信長について調べずに、台本だけで、自分の力で信長を作り上げてほしい」とだけ言われました。田向先生は、戦国武将のカリスマであり、ある種のイメージが定着していた織田信長に、新たな光を当てて書きたいと考えられたのだと思います。だから僕は、着物の所作にはじまり、乗馬や殺陣、幸若舞など事前の準備はしっかり積み上げつつも、まっさらの状態でクランクインを待っていたという感じでした。

 そして、現場に入ってからはひたすら信長に向き合う日々。昼夜問わず、そしてオンオフ関係なく必死で信長を生きるしかありませんでした。狂気的なだけでなく、人間として苦悩し、ときに逡巡する信長。それがよかったのか、悪かったのか。今でもこの作品は、自分で映像を見て振りかえることができないんです。受けなければ楽な仕事でしたが(笑)、この作品は、僕の俳優人生のひとつの記念碑であることは間違いないと思います。

天下統一を目前に本能寺で命を落とす

金曜時代劇 スキッと一心太助(1999~2000)

一心太助役

金曜時代劇 スキッと一心太助

インタビュー

 僕にとって“一心太助”といえば、東映映画全盛期の萬屋(当時中村)錦之助さんの当たり役。そうした名作の主人公を、現代でも楽しめるホームドラマテイストの時代劇として見事に脚色されたのは、脚本の金子成人さんです。タイトルに“スキッと”とあるくらいなので、江戸っ子らしく、きっぷのいい“べらんめぇ調”は威勢よく演じたいと思いました。また、太助は魚売りなので刀こそ持ちませんが、立ち回りもひとつの見どころになっていたので殺陣の稽古にもかなり通った記憶があります。

義理人情に厚く威勢のいい江戸っ子・太助が悪に立ち向かう

 この作品は、撮影にとても時間がかかったのもひとつの思い出です(笑)。時代劇ならではともいえるかもしれませんが、深夜までみんなで緑山スタジオにいて数時間後の朝、“さっきは、どうも!”と言って、また撮影を始めるような生活が続きました。それでも太助の母・お静を演じた渡辺えり(当時えり子)さんをはじめ、松前屋五郎兵衛役の草刈正雄さんら、すてきな俳優さんたちとご一緒できていましたし、撮影はとても楽しかったですね。

太助の恋女房・お仲(遠藤由美子)と太助の母・お静(渡辺えり)
松前屋五郎兵衛(草刈正雄)

 中でも、太助にとっての相棒・大久保彦左衛門役を演じられた杉浦直樹さんと共演できたことも、僕にとって忘れられない思い出です。杉浦さんは昭和の名優であることはもちろんですが、演技へのストイックな姿勢、撮影時のたたずまいなど、存在そのものがすべて無言の教えのような方でした。あるとき杉浦さんから、「なんとなく、君は僕と似ている気がするよ」と言っていただいた言葉が、今でも僕にとってとても大切な宝物です。

大旗本・大久保彦左衛門(杉浦直樹)と太助の間に、身分の違いを超えた友情が生まれ…

連続テレビ小説 ファイト(2005)

木戸啓太役

連続テレビ小説 ファイト

インタビュー

 もうこの作品から10年以上経つんですね。僕がこの作品で演じたのは、ヒロイン・優の父・木戸啓太役。主人公・優を演じた本仮屋ユイカさんは、本当にキラキラと初々しく、一生懸命にお芝居に取り組んでいたのを覚えています。その懸命さが、優という前向きなヒロイン像とぴったり重なって見えました。

取引先の商社の不正を暴いたことから、啓太の経営するバネ工場は閉鎖に追い込まれる
15歳の優(本仮屋ユイカ)はソフトボールに打ち込んでいたが…

 なのに僕が演じる父・啓太は、どうも木戸家のトラブルメーカーというか不運続きで(笑)、何かを背負って生きているという感じでしたね。でもこの時代は、小さな町工場や、中小企業の経営不振などが社会問題化していたこともあり、まさに時代を映した作品だったように思います。木戸家にとっては、普通の人の小さな幸せが大きな幸せに感じられる。本当に波乱の物語だったと思います。

さらなるトラブル、交通事故に見舞われた啓太を家族が支える
指のリハビリに、と優は啓太にバネ作りを勧める

 そんな中でも村上厩舎の場面では、僕のデビュー作『優駿』がふと思い出されるような気がしましたし、四万温泉のシーンなどでは心癒される場面も多かったですね。特に、四万温泉はこの作品をきっかけに大好きな土地になりました。なかなかその後出かける機会がなく残念なのですが、もし自分が「好きな温泉は?」と聞かれたら「四万温泉」と即答したいほど。お湯もいいのはもちろんですが、この町の風情あるたたずまいが今も目に焼き付いて離れません。

プレミアムドラマ ダイアリー(2018)

高野誠役

プレミアムドラマ ダイアリー

インタビュー

 リビングウィル――尊厳死宣言書というのは、僕自身この作品を通して改めて勉強した言葉でした。まだまだ日本では議論がこれからの分野なのかもしれません。でも、人生の終焉をどう迎えるかを前向きな形でご家族や親しい方と語り合うきっかけになってくれたらと思い、この作品への参加を決めました。

 このドラマの中で、主人公・彩加(蓮佛美沙子)の母・春海役を演じる菊地桃子さんとは、NHKでは大河ドラマ『信長』以来、26年ぶりの連続ドラマでの共演でした。誠は春海の同級生で、春海の友人・千夏の夫でもあります。千夏役は大塚寧々さんが演じていますが、大塚さんとも若いころはプライベートでよく集まっていた仲間だったので、ちょっとした同窓会みたいな雰囲気もありました。みんな50歳を超えてますが、昔ながらに、“桃ちゃん”“寧々ちゃん”と、変わらず呼ばせてもらったりして楽しかったです(笑)。

春海(菊池桃子)と千夏(大塚寧々)は高校時代の同級生
誠は加賀友禅の絵付け師だが交通事故で手足に後遺症が残り、酒浸りの日々

 今回僕が演じた誠は、加賀友禅の絵付工房の四代目。事故の後遺症に苦しみ自暴自棄になりながらも、なんとか前を向くきっかけをつかんでいく。その姿に僕自身、共感を込めて演じたつもりです。金沢にロケに行かせてもらって、加賀友禅の繊細な絵付けに驚かされ、身体が不自由になった誠がこの仕事と向き合うのは相当なプレッシャーだったろうとも想像ができました。でも、そういう弱みや人生のつまずきを抱えながら生きていくのが人間なのでしょう。そして、僕の役柄だけでなく、彩加と春海の母子の物語の行く末をぜひ見守ってほしいなと思います。

植物状態になった春海はリビングウィル(尊厳死宣言)カードを持っており…
娘の彩加(蓮佛美沙子)は母の交換日記を手がかりに誠の工房を訪ねる
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