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大谷直子 大谷直子

大谷直子女優おおたになおこ

土曜ドラマ 『松本清張シリーズ 天城越え』

土曜ドラマ 『松本清張シリーズ 天城越え』

 主人公のハナさんを演じたのは、私が27歳のときだったと思います。私よりも熟練した女優さんが演じていれば、また違うハナさんになっていたと思いますが、私は等身大の自分で演じるしかなく、大正時代の“足抜けしょう婦”という、当時の裏社会の大変な世の中を見つめてきた人物を演じるにあたって未熟だったという感があります。でも、台本をいただいたときからハナという役と、大野靖子さんの書かれた台本の素晴らしさに衝撃を受け、私自身は取りつかれるように役に入っていたことを思い出します。演出の和田勉さんは役を演じるにあたって細かいことは何もおっしゃいませんでした。

 鶴見辰吾さん演じる少年がハナさんと関係を持つ男に嫉妬するくらい、魅力的で妖艶な女性を演じないといけないのですが、妖艶さに対する意識が薄く、なぜそこまで情緒を出せたかということは不思議でした。しかし、4年間続いたただならぬ恋が終わったその影響があったことは否めません。

  • 鶴見辰吾さん(当時13歳)

 演出家の和田勉さんは、スタッフ、出演者のみなさんのモチベーションを上げるために黒子のような存在で、多くのスタッフたちの支持を受けていました。そのさじ加減をすごく考えご指導される方でした。和田さんとは本作以前にも何本も一緒にお仕事をさせていただいていますが、私の弱点をよく熟知していらしてその総合点の結果、抜擢されたものと思います。本作は私にとってかけがえのない作品ですが、運が強かったと今の私は考えています。

和田勉チーフ・プロデューサー(当時)

 天城でのロケはとても楽しかったです。いつも朝早くから撮影をし、夕方には撮り終わり、宿に帰って食事をして飲んで騒いでいました。まさに青春でしたね(笑)。これも恋愛の話に続き、初めてお話しますが、この作品ほど、“明日はどんなシーンを撮るのだろう”“明日はどんなことをやらせていただけるのだろう”“どんなハナにしようか”と、楽しみだった作品はありません。しかしこのような運よき状況になったことはラッキーとしか言いようがありません。

 鶴見辰吾さんは当時まだ中学生でしたが、沈着で自分をわきまえた少年でした。スタジオの廊下などで会うと、懐かしそうにあいさつしてくださいました。子役が演じるとは思えないほど難しい役でしたが、彼はきちんと役を自分のものにして、サッと現場に立てる少年でした。また、松本清張先生も本作でお遍路さんの役で出演していますが、現場でお会いしたときはとてもシャイな方で、お話をすることはあまりありませんでした。先生は、先生にとって大事なハナを演じる私がいったいどんな女優なのかと見ていらっしゃったのかなと思います。ただ、私はカメラの前から離れると、ちゃきちゃきの江戸っ子みたいに色気もなく、当時の現代っ子。先生にしてみたら「あんな子がハナをやるの?」と思ったのではないでしょうか(笑)。きっととても子どもに見えていたと思いますね。

  • 原作者・松本清張さんも出演

ドラマ 『信子とおばあちゃん』

ドラマ 『信子とおばあちゃん』

大学受験を断念したヒロイン・信子が東京に住むおばあちゃんに呼ばれ、成長していく姿を描く。「現代っ子」「ヤングパワー」ということばが注目され、昭和天皇もご覧になっていたと話題になった。大谷さんは当時19歳でヒロインの信子を演じた。

 まさに等身大の役でした。当時の朝の連続ドラマは1年あり、本作は309本。月曜から金曜が収録で、土日が休みというサイクルで一年間、信子として生きていました。“朝ドラ”のヒロインの反響はすごく大きく、電車などには乗れませんでした。とにかく有名になってしまったので、昼間は出歩かないようにしていましたね。
苦労したことはセリフが多いことです。私はセリフを言うのがすごく下手で、いつもいつも間違ってしまって、収録時間がなくなってしまい、うまく言えないセリフのまま放送されたこともあります。また、私は目がすごく悪く、コンタクトレンズがない時代だったので周りがよく見えませんでした。だから誰かとすれ違ってもあいさつができなくて、失礼なことばかりしていましたね。逆に楽しかったことは、共演した仲間がみんな同じような年齢だったことです。

  • 信子の友人 谷口一彦役の下條アトムさん

大河ドラマ 『軍師官兵衛』

大河ドラマ 『軍師官兵衛』

戦国時代、豊臣秀吉に仕え、軍師として名をはせることになる黒田官兵衛の生涯を描く。岡田准一さんが官兵衛を演じ、ヒゲと顔のあざ、脚を悪くする満身創いの姿も話題となった。大谷さんは織田信長の母・土田御前を演じた。

 ドラマを見た方から、土田御前の印象が怖いと聞きますが、ほんの少ししか出番がないので、怖くしないと印象に残らないと思って演じていました。一番覚えているのは、「富士山が見たい、信長と一緒に旅したい」と話す最後のシーンで、全然うまく表現できなかったことです。まるで役者1年生みたいになってしまって、演出家がスタジオまで降りてきてあきれながら怒っていました。そのときの相手役が内田有紀さんだったのですが、内田さんは「難しいですよね」と私を慰めてくださって。ああ、内田さんは役者さんならではの感覚で私の痛みをわかってくださるんだなと思いました。要するに私は「見える化」芝居がとても下手で、これは演技不足の一環だから、ドラマを見た方にはぎこちなく見えた方もいらっしゃったかもしれません。芸歴50年にもなりますが、私としてはとても勉強になった役でした。また、お経を唱えるシーンで出会った般若心経は、私を写経の道に導いてくれて有意義な時間を過ごすことができました。

  • 信長役 江口洋介さん
  • 土田御前は残酷な我が子を憎む

信長の正室・濃姫役 内田有紀さん

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