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長山藍子 長山藍子

長山藍子女優ながやまあいこ

ドラマスペシャル『ながらえば』

ドラマスペシャル『ながらえば』

 30年以上前のことですが、いまでも印象に残っているドラマです。いまのように“高齢化社会”という言葉が注目を集めていた時代ではありませんでしたが、お年寄りをたてるというのはふつうのことでした。ただ、そのこととおじいちゃん、おばあちゃんが感じていた孤独というのはまた別のもの。若い人は自分が一生懸命生きているから、そのことに気づかない。そんな時代でしたね。そんなときに、生まれたこの作品は本当に名作だと思いますし、いつまでも心に残っています。なかでも、私がいまだに忘れられないのは、笠(智衆)さんと宇野(重吉)先生のおふたりのシーンです。駅前の小さな旅館で笠さんの隆吉と旅館の主人役の宇野先生が語らうのですが、お互いに老いていく気持ちを分かり合い寄り添う老人同士、男同士のなんともいえない名場面ですね。

妻を亡くした旅館の主人(宇野重吉さん)は隆吉(笠智衆さん)に酒を勧める

 私はこのドラマで笠さんの娘役を演じたのですが、その前にテレビ版『東京物語』でも、笠さんと東山千栄子さんが演じられたご夫婦の娘役で共演させていただいていました。素晴らしい演技者でいらっしゃいますから、もともと尊敬していましたが、ご一緒させていただいて本当に素敵な方だと改めて実感しました。笠さんには、とても優しくしていただいて、最初のころは「長山さん」とおっしゃっていたのが、だんだん「藍子さん」と呼んでくださるようになり、撮影の合間にはいろんなお話をしてくださいました。とつとつとご自分のお話をされるのですが、それが面白くて楽しくて。笠さんが戦争から帰って来られたころのちょっと意外なエピソードなども聞かせていただきましたよ。内緒ですけど、まだお若い男性だったんだなって(笑)。にこにこと心からの笑顔が本当に絶品でした。私のなかではお芝居はもとより、笠さんと一緒だった名古屋駅のホームや病院のソファーで待っていたシーンなどの情景が今も心に焼き付いています。

  • 名古屋駅で父・隆吉を見送る

 共演者も素晴らしい顔ぶれでした。新劇の尊敬する大先輩の宇野先生。私のお兄さん役は俳優座の先輩・中野誠也さん、(佐藤)オリエちゃんとはテレビ版『男はつらいよ』での共演もありました。演出の伊豫田静弘さんも長いおつきあいでした。温かい雰囲気の方で役者にも温く接してくださり、心がつながっていくような感じで作品を作られる方でした。

  • 兄嫁・美代子(佐藤オリエさん)
  • 兄・理一 (中野誠也さん)

 山田太一先生とは別の作品や講演などでもご一緒させていただいていますが、とても尊敬している作家です。山田先生がこの作品を『ながらえば』という題名にされたことは、深い意味があると思います。「ながらえて」でも「ながらえる」でもない。ながらえたなかでの命との向き合い方や、ながらえたなりの心の愛の深さ、自分の居場所の見つけ方とか。今でも同じだと思うのですが、ながらえることは温かくて幸せなこともあるし、辛くて大変なこともある。学ぶこともあれば、ながらえてきただけの乗り越えるエネルギーもある、ありとあらゆることが込められた本当に素敵な題名ですね。

山田太一さん(2015年撮影)

 全体に温かくて生き生きとしたドラマで、「ながらえば」は、いま生きていることが素敵だということ。そこには、もちろん葛藤も戦いもいろいろあるでしょうけど、人の死も含めていま生きていること、その年その刻を大事に思うことができるドラマなので、若い人にもお年を召した方にも見ていただきたいですね。

大河ドラマ『おんな太閤記』

大河ドラマ『おんな太閤記』

戦国期から徳川初期までを生き抜いた秀吉の正妻・ねね。その波乱の生涯を中心に変革の時代を女性の視点から描いたドラマで長山藍子さんは秀吉の妹・ともを演じた。

 戦国時代、男の人が起こす戦によって家族や女たちがどういう状況に置かれることになるのか。そういうことを橋田(壽賀子)先生がファミリー的な視点で描かれたので、昔の話だとかよそごとというより、ある種の親近感を抱いて見ていただけたドラマだったと思います。

 私の役は、後半になると息子の関白秀次が悲惨な最期を遂げるなど悲しいことや辛いことがありましたけど、だからこそ、私のような明るい人間が演じることになったのかもしれませんね。あんまり悲劇的になり過ぎない感じで(笑)。全体には、戦国の世を生き生きとたくましく生きた女性たちを描いていて、私も楽しく演じさせていただきました。

  • ねね(佐久間良子さん)と
  • 我が子・秀次を失って…

大河ドラマ『春日局』

大河ドラマ『春日局』

明智家臣の娘でありながら戦国乱世を生き抜き、徳川三代将軍・家光の乳母となった春日局の生涯を描いた。長山藍子さんは、二代将軍・秀忠の正室で家光の生母・お江与を演じた。

 秀忠役の中村雅俊さんとは、このドラマ以前にもご一緒したことがあり、気心がしれていたので楽しかったですね。役も将軍の奥さんですから(笑)。家光の生母であるお江与と乳母の春日局(大原麗子)は、最初のうちは対立することもありましたが、しだいに春日局に信頼を寄せるようになっていきました。ドラマではお江与が先に亡くなるので、春日局がその死を看取ってくれました。そのときの麗子ちゃんとのお芝居は、すごく友情を感じながら演じていたという記憶があります。

 戦国から江戸初期までの物語ですが、ここでも女性を中心に歴史劇というより人間ドラマとして描かれていたせいか、わかりやすかった、ひきこまれたと、いろんな方に言っていただき嬉しかったです。

  • 秀忠役 中村雅俊さん
  • 死の床についたお江与(長山さん)
  • 春日局(大原麗子さん)と語らう
その他の出演番組を見る ※類似の氏名が検索される場合があります。
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