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鶴見辰吾 鶴見辰吾

鶴見辰吾俳優つるみしんご

1964年生まれ、東京都出身。77年、ドラマ『竹の子すくすく』でデビュー。代表作にドラマ『3年B組金八先生』『高校聖夫婦』、映画『翔んだカップル』『潮騒』など。NHKでは『天城越え』『居眠り磐音 江戸双紙』『坂の上の雲』連続テレビ小説『ハイカラさん』『梅ちゃん先生』、大河ドラマ『毛利元就』『義経』『天地人』『軍師官兵衛』などに出演。『おしい刑事』では、主人公・押井刑事(風間俊介)とは浅からぬ因縁のある政治家・長宗我部正善役を好演。

天城越え(1978)

家出少年役

天城越え

インタビュー

 『天城越え』は僕が12歳の時、デビューから2作目のドラマでした。6月の梅雨の合間、伊豆の旧天城トンネルの近くでほとんどのシーンを撮っていました。大正時代の物語で、大谷直子さんが演じたハナという年上の女性に憧れる役でしたが、ただ言われるがままに一生懸命やっていただけ。実力派の大人の俳優さんたちに囲まれて迷惑をかけないようにと、ただそれだけで何かを考える余裕もなかったですね。

天城峠で家出少年が出会った娼(しょう)婦・ハナ(大谷直子)

 そんな中で、強く印象に残っているのが演出の和田勉さんに教えていただいたことです。初めて出演したドラマはスタジオでの撮影だったので、カメラが4台回っている中でのお芝居でした。ところがこのロケではカメラ1台で1カットずつの撮影ですから、撮りたい画角のところでそれに合わせた動きをしないとまったく成立しない。そのことがわかっていなかったので、とにかく少年らしく一生懸命やれば良いと思っていたんです。たとえば、僕が手にした切り出しナイフのクローズアップのシーン。情熱のままにやっていたら、和田さんが「それじゃダメなんだ!こっちに来てごらん」と。モニター画面を見ながら、「ナイフが画面からフレームアウトしたりインしたりする画像を撮りたいのに、君がよけいな動きをするから全然映らないんだ」と説明してくれたんです。テレビはフレームの中で演技をする。そんな俳優の動き方などを、ずぶの素人だった僕に手取り足取り根気よく教えてくださいました。本当に良い経験ができた現場だったのですが、学校ではちょうど中間テストの時期。このロケがあったのであまり良い成績はとれませんでした(笑)。

和田勉チーフ・ディレクター(当時)
雨宿りをしたハナと少年は無口な土工(佐藤慶)と出会う
その夜、殺人事件が…

 そういえば原作にはなかったのですが、最後に松本清張さんがお遍路役で出演されたんです。僕と道ですれ違うというシーンで、清張さんのスケジュールがおありだったので、そこだけは8月に奥多摩で撮影することになりました。伊豆ロケが終わった時、和田さんから「あと2か月あるけれど、君ね、その間に芝居が上手くなっても下手になっても困るから、そのままでいてくれよ」と言われたことを覚えています。

巡礼の男(松本清張)が少年に語った言葉は…

連続テレビ小説 ハイカラさん(1982)

野沢新平役

連続テレビ小説 ハイカラさん

インタビュー

 初めて朝ドラに出演させていただいて、その舞台裏のようなものを経験できたことがとても面白かったですね。スタジオ収録ですから数台のカメラで1シーンを撮るというマルチ撮影だったのですが、プレイバックする時にその場で劇伴の曲をつけて送り返していたのには驚きました。もちろん編集してその通りにならないこともあるでしょうが、ある程度、想定して音楽をつけている。スタジオでそこまで仕上げの先行をしている準備の周到さ、体制は衝撃でした。スタッフもキャストも朝ドラを毎日放送していくことの責任を抱えながら作っているんだなと、少年ながらに感動したことを覚えています。このエピソードは今でも後輩たちに語り継ぐのですが、なかなか信じてもらえません(笑)。

文(手塚理美)の息子・新平が東京の大学から戻ってきた
新平が連れてきたリツ子(栗田陽子)は男装して大学に通う医学生

 僕は手塚理美さんが演じたヒロイン・野沢文の息子役で途中参加でしたが、みなさんがとても気を遣ってくださり、やりやすいように温かく迎え入れてくれました。それは今でも伝統として朝ドラスタイルとして続いているようですね。手塚さんは僕より4,5歳上のお姉さんでしたが、共演者にとても気を配り優しくしていただきました。そのせいか、当時週刊誌に僕と手塚さんがお付き合いしているなんて書かれたことがありました(笑)。もちろん根も葉もない噂でしたが、それくらいみんなが本当に仲の良い現場だったんです。

新平に見合いをさせようと考えていた文だったが…
新平は医師をめざすリツ子との将来を真剣に考えていた

 ほかに印象に残っているのは、このドラマで初めて少年期から青年期までの時間経過を演じることができたこと。明治から大正の物語ですから、時代物のかつらを被ったのも初めてですし、あとは僕の髪がものすごいクセッ毛なので床山さん(俳優の髪やかつらを結う人)が焼きごてのようなもので毎回伸ばしてくれるのですが、それが熱くて我慢するのが大変だったこと。それも今では良い思い出の一つとなっています(笑)。

大河ドラマ 軍師官兵衛(2014)

小早川隆景役

大河ドラマ 軍師官兵衛

インタビュー

 小早川隆景といえば毛利三兄弟の一人で「三本の矢」のエピソードは知られていますが、いわゆる織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった三英傑から見ればマニアックな存在の戦国武将です。そこで、これを機会に小早川隆景のことを知って、ファンが増えたら嬉しいなという思いがありました。それと同時に、僕自身が子どものころに大河ドラマ『国盗り物語』で日本の歴史の面白さを知り、高橋英樹さんの織田信長に強い印象を受けたように、このドラマを見た少年たちが「小早川といえば鶴見辰吾だよね」となったらいいなと思ったんです。

信長に京を追われた将軍・足利義昭(吹越満)は毛利家に身を寄せる
小早川隆景は元就の三男で毛利家の重臣
“毛利の底力、存分にお目にかけまする”

 日ごろは、ドラマはエンターテインメントとして成立させるものなので、歴史上の人物を演じるからといって文献をしっかり読み込んで役に入るということはしていません。ただ、小早川については少しでも人物像に魂を吹き込むような手がかりがないかと、さまざまな資料を探してみました。そんな中に『小早川隆景のすべて』という歴史書を発見したのですが、なかなか手に入らず横浜市の図書館から借り出して読んでみたんです。小早川の人となりがいろいろ書かれていて実に興味深い本でした。

 無骨な人柄だとは知られていますが、すごく真面目だし質素、奥さん思いでもあったようです。また律儀な人で、いろいろな方に手紙を出したり、家来への気配りも怠らない。非常に尊敬できる経営者といった印象です。ただ、そんな中にお茶目な一面もあって、本能寺の変の報に秀吉が毛利攻めを中断して中国大返しをした時のこと。あそこで、秀吉を追い打ちしなかったことは、我ながら見事な決断であったぞと。それを酔っ払うたびに自慢していたとか(笑)。その記述があちこちに見られて、ただ堅物なだけではないというか、人間らしい一面が見られる。そういったところから切り取って、小早川の人間味のようなものを自分なりに表現できたらいいなと思ったんです。そういう情報というのは俳優にとってすごく嬉しいことで、直接そこを描いたシーンがなくてもどこかで手がかりにつながる。そういう意味では本当に楽しみながら演じることができた役でした。

連続テレビ小説 梅ちゃん先生(2012)

立花陽造役

連続テレビ小説 梅ちゃん先生

インタビュー

 僕が演じた陽造は、ヒロイン・梅子(堀北真希)の叔父にあたる人物ですが、NHKでは珍しくずっこけた役をいただきました(笑)。高橋克実さんが演じられた梅子の父親・建造が堅物でしたから対照的でしたね。だけど、こういう人って親戚に必ず一人いたりするでしょ。「あの、おじさんは調子はいいんだけどね。あんまり深くつきあっちゃだめよ」って(笑)。会うと憎めない人なんだけど、お付き合いするとお金を貸したまま戻ってこないとか(笑)。こういう人は、サービス精神が旺盛過ぎて、自分の力量以上のことをやろうとして失敗しちゃうんです。もっと慎ましやかにやればいいのに、つい大風呂敷を広げて「おう、何でも俺に言ってくれ」と。言ったからといってどうにもならないのに空約束をして、結果的にすっとぼけてしまう。こういう人は僕の周りにもいるので、モデルにした人もいますよ。俳優仲間だったり、寿司屋で一緒になったおじさんだったり(笑)。いろいろ組み合わせてそういう人を上手に演じられたらいいなと思いながらやっていましたね。

終戦後の混乱の中、陽造は闇市でたくましく金を儲ける
健造(高橋克実)とは兄弟だが正反対のおおらかな性格

 演じていても楽しかったのですが、最後はどう決着をつけるのかなと思っていたら、一緒に興行をやっていた女性と一緒になる。脚本に出てこない影キャラクターのような存在で写真でしか出てこなかった。それが、なんとドラマの打ち上げの二次会会場でお会いしたんです。舞台があるお店で坂田医師役の世良公則さんのミニコンサートのような様相を呈していたのですが、そこで二人で一発芸みたいなことをやったら大盛り上がり。陽造という役がみなさんに愛されていたことを感じることができた幸せな番組でした。

胃を病んだ陽造は医師になった梅子(堀北真希)のもとで療養する
“俺は時代に取り残された”と弱気になる陽造だが…

 やはり朝ドラは『ハイカラさん』もそうでしたが、共演者の気持ちが一つになって生まれるチームワーク、明るい雰囲気が最高ですね。あのころは、ヒロインの息子役でしたが、いまは叔父さん役。年月の流れを楽しみながら演じていました。スタジオで劇伴の音楽をつけていた話を『梅ちゃん先生』に出演していた若手にもしっかり伝えました。最初は、「そんな!」と信じられない顔で、僕がでたらめを言っていると思った人もいたのですが、幸いそれを覚えているベテランスタッフが証言してくれて助かりました(笑)。

陽造のギターと歌に子どもたちが集まってくる
歌うは“月光仮面”のテーマ!

プレミアムドラマ おしい刑事 (2019)

長宗我部正善役

プレミアムドラマ おしい刑事

インタビュー

 『おしい刑事』は面白いですよ。推理ドラマですからパズルを解くような知的な好奇心を満たしてくれる部分もあれば、ゲーム感覚で楽しめるところもある。ばかばかしいことを真面目にやりつつ、テーマもしっかり押さえているので良質なエンターテインメントになっていると思います。

 主人公の日本一残念な刑事・押井を演じているのは風間俊介くん。かつて彼と因縁のあった政治家というのが僕の役どころです。言ってみれば最後に出て来る大物、いわゆるラスボス的なポジション。それなのに風間くんのコミカルな演技に引きずられて、大ボスらしからぬ演技がつい出てしまったこともありました(笑)。

大物政治家・長宗我部の娘が誘拐された!
長宗我部は犯人との交渉を拒否する
“私の娘に生まれた運命だ”と言い放つ長宗我部を…
灰田刑事(石川恋)が平手打ち!

 風間くんは台本をふくらませる意欲がすごい。レシピ通りではなく、さらに華やかで美味しい料理を提供するような演技をするんです。「そこまでやる?」みたいな面白さがあって、何度テストをやっても楽しかったですね。特に二人が対決するシーンは、単なる対決ではなく『おしい刑事』ならではの見せ場にしたい。そんな二人の思いがありました。最終回の押井と長宗我部の対決は「見て良かった」「さすが!」と思っていただけるような終わり方になったと思います。

誘拐事件の真相とは?押井刑事の推理がさえる!
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