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風間杜夫 風間杜夫

風間杜夫俳優かざまもりお

1949年生まれ。東京都出身。主な出演作に、ドラマ『スチュワーデス物語』『ごめんね青春!』『先に生まれただけの僕』、映画『蒲田行進曲』『こいのわ 婚活クルージング』、舞台『シダの群れ』『ピース』など。NHKでは連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』『マッサン』、『必要のない人』などに出演。大河ドラマには『勝海舟』『おんな太閤記』『八重の桜』など数多く出演。『西郷どん』では、西郷吉之助(隆盛)の父・吉兵衛役を演じる。

大河ドラマ 勝海舟(1974)

下級武士役

大河ドラマ 勝海舟

インタビュー

 僕は子役をしていたので、まだNHKが有楽町にあったころに出演したことはあったのですが、現在の渋谷の放送センターに入ったのは『勝海舟』のときが初めてでした。大人になって初めてのNHK、それも大河ドラマということで非常に気負っていましたね。

 一話のみの出演でしたが、勝海舟に斬りかかる幕府の下級武士という役でした。これが非常に印象的な役どころで、「貴様こそ獅子身中の虫だ。おまえが悪い!」と叫びながら勝海舟に斬りかかっていくんです。そこで、勝を守る人たちが止めに入り失敗に終わるのですが、今度はその場で割腹自殺を遂げるという激しい人物の役でした。

勝海舟(松方弘樹)

 スタジオに入る前からかなり緊張していましたが、ある意味、勝海舟を襲う武士の心境とリンクして、役の感情をうまく取り込めたようなところがありました。そのせいか評判が良くて、その後、NHKからお声がかかるようになったんです。残念なことに『勝海舟』は、ごく一部しか映像が残っていないそうですね。僕自身の出演場面を見ることはできないのですが、たった一話のみの何十秒かの芝居とはいえ、僕にとって思い出深い作品となりました。

連続テレビ小説 雲のじゅうたん(1976)

俊堂役

連続テレビ小説 雲のじゅうたん

インタビュー

 女流飛行家の半世紀を描いた物語で、僕はヒロインが通った飛行学校の飛行訓練生の役でした。片目に問題が起きて飛行機乗りを断念するというエピソードがあり、訓練生の中では目立つ役でした。そういえば同じ訓練生に矢崎滋さんなどもいらっしゃいましたね。校長役は高松英郎さんでしたが、高松さんは実際に飛行機のことをいろいろ勉強されて撮影に臨んでいました。操縦法にも精通されていて、本当に役に入り込まれていたことを覚えています。またヒロインの真琴を演じた浅茅陽子さんのことは、芝居のうまい女優さんだなと思いながら見ていました。

真琴(浅茅陽子)と俊堂は飛行士になるという夢を追う仲間
飛行学校の校長・利根(高松英郎)は弱気になる俊堂を叱り飛ばす

 真琴がひそかに恋をする海軍少尉の役で出演したのが、高校の後輩だった志垣太郎くん。僕が部長をしていた演劇部に1年生の彼が入って来たとき、「お前かわいい顔してるな。だけど顔で勝負する役者になるんじゃねえぞ」なんて言ったんですよ。だけど彼の方が先にスターになっちゃった(笑)。当時、アイドル並みの人気者でしたからね。二人で芝居をするシーンはなかったので、見つからないといいなと思っていたのに、リハーサル室で一緒になったら、「もしかしたら先輩じゃないですか」とバレてしまった。すっと立ち上がって、すかさず「よろしくお願いします」とあいさつしました(笑)。

真琴は海軍軍人の茅野隆二(志垣太郎)に思いを寄せるが

連続テレビ小説 ゲゲゲの女房(2010)

村井修平役

連続テレビ小説 ゲゲゲの女房

インタビュー

 水木しげるさんの父親をやらせていただきましたが、お気楽というか、浮き世離れしていて映画やお芝居など芸能を楽しみに生きている非常に洒脱な感じの人物でしたね。僕の親父と少し共通点があり、父のことを思いながら演じていた部分もありました。父は映画会社のセールスマンだったのですが、芝居が好きで、僕が子どものころにはよく浅草の女剣劇や寄席に連れて行ってくれたものです。

修平は息子・茂(向井理)の才能をいち早く見抜く

 息子の茂を演じた向井理くんとは、休憩時によく話をしたのですが、「なぜ、役者を選んだの?」と聞いたときのことが印象に残っています。大学時代、理系の研究室にいた彼は「理数系のものは突き詰めれば結果が出る。役者というのは、続けても続けても最終形がない。そんなところにひかれたんです」と答えたんです。ああ、この人いいなあと思いましたね。ヒロイン・布美枝を演じた松下奈緒さんもしっかりした女優さんだなと思ったのですが、後でピアニストでもあり音楽への造詣が深いということも知りました。

厳格な母・絹代(竹下景子)に対して茂と修平はマイペース
貧しい生活の中でも明るく家族を支えるヒロイン・布美枝(松下奈緒)

 修平に年中はっぱをかけている妻の絹代役は竹下景子さん。修平もちゃんと尻に敷かれていましたね。さすがに僕の母親とはリンクしませんでした(笑)。竹下さんは楽しい人で、その後も僕の芝居を見に来てくださったり、僕が見に行ったり、また同じ舞台で共演したりと、いまだに交流があります。

連続テレビ小説 マッサン(2014~2015)

森野熊虎役

連続テレビ小説 マッサン

インタビュー

 熊虎は、かつてニシン漁で成功してニシン御殿まで建てた男で、こういう人生を生きた人は演じていて面白いですね。豪快で山師的なところがあり大儲けしたときは有頂天になるけれど、いったん外れると情けないほど凋落の一途をたどることになる。その振幅の激しさが演じていて実に楽しいんです。

 リンゴ畑で失敗して余市を離れたのに、ニシンが儲かると聞いたらまた余市に戻る。苦労しながらも、いつでも一山当てて儲けてやろうと企んでいる。もしその時代に自分が生きていたらと考えてみても、僕は臆病だからこういう冒険はしないでしょうね。自分が生きられないような波乱に富んだ人生を生きられるのが役者で、だからこそ面白いんです。

マッサンこと政春(玉山鉄二)と意気投合する熊虎

 ただ、そんな生き方をした親父なので息子とは確執がありました。戦争に召集されると「死んでこい!」なんて言ってしまう。ところが、いよいよ翌日出征となったとき、初めて本音を語ります。そこに、この男の真実があるような気がしましたし、当たり前に生きて、いい人だと言われて終わるようなキャラクターではなく、こういう切実なものを抱えている人間が好きですね。

 抱え込んでいるものは、いつか膨らんで破裂してしまうのか、あるいは抑え込んでいくのか。それでも、ひょうひょうとくぐり抜けていく。僕が演じようとしているものの中に、どれだけ切実なものが渦巻いているのかということを探りながら表現を変えていく。可憐に見えたり、かわいそうに見えたり、あるいは滑けいに見えたり……。そうやって魅力的な人間にしていきたいと思いながら演じていました。

エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)

大河ドラマ 西郷どん(2018)

西郷吉兵衛役

大河ドラマ 西郷どん

インタビュー

 西郷吉兵衛が史実でどういう人物だったのか、それほど深くは知らないのですが、中園ミホさんの脚本から浮かび上がるのは、非常に家族を愛している情の深い親父。それでいて、どことなく心配な大黒柱で、あまり家族から頼りにされていない存在です。侍としてのプライドはあるし、親父としての威厳も保ちたいと思って、いろいろ見栄を張ったりもするのですが、妻の満佐さんの尻に敷かれていますね。家族を心から愛していて親父としての自覚も持っているのに、あまり頼られないのだから、かわいそうな人でもあります(笑)。だけど愛嬌のある魅力的な人というふうに吉兵衛を演じています。

 鈴木亮平くんとは初共演です。西郷隆盛という人物をどう造形したいのかということを、よく考えている人ですから、回を追うごとに成長していく過程を見せてくれています。悲しいかな、僕はかなり早く死んでしまうので、その後の彼の活躍は見ることが出来ない。一視聴者となって楽しませてもらうことになります。

 鹿児島でのロケーションで印象に残っているのは、武家屋敷が残っている知覧町です。植え込みの塀が続く通りを目にしたとき、郷中の少年たちが走り回り、相撲や剣術に明け暮れ、論語を読んでいたあの時代がふっとイメージできました。空気を感じたことで、役に入り込むことができてよかったです。

 今回は、妻の満佐を松坂慶子さん、大久保正助の父・次右衛門を平田満くんと、映画『蒲田行進曲』の3人が揃いました。それぞれ、これまでも共演はしているのですが、同じ画面に3人がいるというのはあれ以来のこと。35年も経ちましたが、いまだに若い俳優さんが「風間さん、あの映画面白いです」と話題にしてくれる。ドラマをご覧になっている方たちの中にも、そんなふうに思ってくださる方がいらして喜んでいただけたら嬉しいですね。

左:西郷隆盛の母・満佐(松坂慶子) 右:大久保利通の父・次右衛門(平田満)
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