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平岳大 平岳大

平岳大俳優ひらたけひろ

1974年生まれ。東京都出身。15歳で単身渡米し、アメリカで高校、大学に進学。その後、一般企業への就職を経て、2002年に舞台『鹿鳴館』で俳優デビュー。シェークスピア劇などを中心に舞台で活躍しながら、テレビドラマ、映画へも活動の場を広げる。NHKでは大河ドラマ『篤姫』をはじめ、『江~姫たちの戦国~』『真田丸』、連続テレビ小説『だんだん』『梅ちゃん先生』、土曜ドラマ『外事警察』『64(ロクヨン)』、『大岡越前』シリーズなど。2018年、スーパープレミアムドラマ『荒神』では曽谷弾正役を演じる。

大河ドラマ 篤姫(2008)

徳川慶喜役

大河ドラマ 篤姫

インタビュー

 10年前になるんですね。この放送の2年ほど前、僕は父(故 平幹二朗)と舞台『オセロー』に出演していました。イアーゴーという裏切り者の男の役です。ある日、共演の女優さんから「NHKのドラマ関係者の方が観に来るから、平さんを紹介するわね」と言われ、少しドキドキしながらお待ちしていたんです。ところがその方が舞台の途中で帰ってしまったと知り、内心ショックを受けていました。別に僕に会いに来たわけではなかったんですけどね(笑)。しかし後日、NHKから連絡があり、「君にぴったりの役があるので、お願いしたいと思う」と声を掛けてくださったのが、あの日“帰った”人、佐野元彦プロデューサーでした。そして、その役というのが、大河ドラマ『篤姫』の徳川慶喜役だったんです。

 この作品で描かれる慶喜と、イアーゴーの人物像を重ね合わせたと聞き、佐野さんはしっかりと僕の演技を見てくださっていたんだなとわかりました。

天璋院(宮﨑あおい)

 とはいえ、収録に入ると初めての大河ドラマは緊張の連続でした。当時はまだテレビドラマにも慣れていないうえ、徳川幕府最後の将軍という大役です。そんな中、ディレクターの堀切園健太郎さんが最初の方のキセルを持った慶喜のシーンを、丁寧に時間をかけて演出してくださいました。そのとき僕自身も“慶喜が見えた”と感じられたんです。そしてこの役を演じ終えたとき、“俳優としてやっていけるかもしれない”という、少しの自信もいただけた。まさに、僕の俳優人生の扉を開いてくれた記念すべき作品です。

島津斉彬(高橋英樹)、老中・阿部正弘(草刈正雄)らは慶喜を次期将軍にと推す

BS時代劇 塚原卜伝(2011)

山崎左門役

BS時代劇 塚原卜伝

インタビュー

 この作品のチーフ演出は、『篤姫』でもチーフ演出を務められた佐藤峰世ディレクターです。『篤姫』の現場では、まだまだ新参者の僕を“お手並み拝見”とばかりに見つめる厳しい監督(笑)というイメージだった佐藤ディレクターでしたが、僕のことをいつも気にかけてくださり、俳優として一人前に育てようと正面から向き合ってくださった方でもありました。こうしてまた違う現場でご一緒できたことが何よりうれしくて。脚本の設定などについても熱く語り合いながら、佐藤ディレクターをはじめスタッフの皆さんと一丸となって作品作りに加われた思い出深いドラマです。

左門は新右衛門(堺雅人)の実家・卜部吉川家の家臣

 僕の演じた山崎左門は、塚原新右衛門(のちの卜伝)のお目付け役という立場。塚原新右衛門役の堺雅人さんと僕とは実年齢は近いのですが、役のうえでは新右衛門が10代、左門は30代と離れている設定でした。この時代に30代でひとりやもめの剣豪、左門。ストイックな印象の左門という人物像を、僕が勝手に“裏設定”を作ってふくらませ、それを堺さんに話しては笑わせたりしていました。とても楽しい現場でしたね。

新右衛門の回国修行の供をする左門もまた剣の達人

 ただ、炎天下での連日の撮影はなかなか厳しいものがありました。殺陣シーンの多い堺さんもきっと大変だったでしょうが、長時間にわたる“待ち”の時間もなかなか大変。僕の足で気づかぬうちにセミが羽化したようで……、抜け殻だけが足袋にしっかりしがみついていたのも忘れられない思い出です(笑)。

真珠湾からの帰還~軍神と捕虜第一号(2011)

岩佐直治大尉役

真珠湾からの帰還~軍神と捕虜第一号

インタビュー

 日本軍による真珠湾攻撃から70年の節目に制作されたドラマです。特殊潜航艇「甲標的(こうひょうてき)」による真珠湾攻撃の考案者のひとり、岩佐直治大尉の役でしたが、20代半ばの若さで大きな任務と立ち向かい、命を散らせたことを思うと、その覚悟や生き様のすごさに演じるうえで身が引き締まる思いがしたのを覚えています。小手先の演技では通じないぞ、と。

 また、二度とあってはならない戦争の悲劇をしっかりと描いている一方、出撃前の愛媛県三机での訓練の場面などでは、青木崇高さん演じる酒巻少尉らと青春を謳歌するシーンもあり、丸刈りの男だらけの楽しい現場でした。いつも元気いっぱいで明るい性格の青木さんでしたが、この作品の試写を見て、大粒の涙をこぼしていたのも忘れられません。

酒巻(青木崇高)は岩佐のもと、訓練に励む

 実はこの翌年、僕が『のんびりゆったり 路線バスの旅』という番組で愛媛県にうかがったときのこと。バスでさまざまな土地を訪ね歩くのがこの番組の見どころなのですが、インターネットで検索すると、なんと自分のいる場所は岩佐たちが滞在していた愛媛県三机の近くだとわかって……。スタッフの方に事情をお話しし、三机を訪ねさせていただいたのを覚えています。なかなか行くことができない町でしたので、“岩佐さんが呼んでくださったのかもしれない”とさえ思えた、偶然のできごとでした。

大河ドラマ 真田丸(2016)

武田勝頼役

大河ドラマ 真田丸

インタビュー

 わずか2話のみの出演だったのですが、SNSなどでも大きな反響があったとうかがっています。実際、普段は連絡を取っていなかった友人や(笑)、母(佐久間良子)からも「見たよ」という電話やメールがあったほどです。

 武田家最後の武将、武田勝頼。言わずと知れた偉大なる亡父・信玄の存在は大きく、その誇りを胸に甲斐の国を受け継いだはずの勝頼ですが、自分の代ですべてを失うかもしれないというのはどんな絶望だったのでしょうね。でもこの作品での勝頼は、裏切っていく者たちを恨むでもなく憎むでもなく、戦国武将のひとりとして、それぞれの道へと送り出すような潔さが似合うと僕は思っていました。

家臣達の裏切りによって武田家は滅亡へ

 そんな勝頼の最期を大河ドラマの冒頭に描き切る、三谷幸喜さんの脚本のすごさに脱帽した作品でもありました。三谷さんとは「国民の映画」という舞台でご一緒した間柄でしたが、『真田丸』の撮影前の顔合わせのときでしたでしょうか、僕の側にトコトコと歩み寄って「いい役でしょう?」って、うれしそうに話しかけてくださって(笑)。僕自身、勝頼とは背負うものこそ違いますが、父子という関係性でいえば、父・平幹二朗と同じ職業を選んだ身。もしかしたら、三谷さんなりの「君はこの役をどう演じるのかな」という、よい意味でのプレッシャーだったのかもしれません。とてもありがたい役でした。

自害に追い込まれた勝頼が最期に見たものは…

スーパープレミアムドラマ 荒神(2018)

曽谷弾正役

スーパープレミアムドラマ 荒神

インタビュー

 宮部みゆきさんの人気小説の世界観を、VFXを駆使して描くエンターテインメント時代劇です。僕が演じるのは、主人公・朱音(内田有紀)の兄で、藩の重臣・曽谷弾正。関ケ原の戦いから100年という太平の世、東北のとある寒村が舞台なのですが、そこに突如怪物たちが現れ人々を殺し、村を焼き尽くして……。物語に登場する怪物たちはすべてVFXで描かれるので、現場ではまったく想像もつかないまま演じていました。ですからむしろ、僕たち演じる側もどんな風にそうした魑魅魍魎(ちみもうりょう)が登場するのか、仕上がりが楽しみでしたね。

謎の怪物が一夜にして村を破壊し、人々を飲み込んだ

 僕の演じる弾正は、隻眼で迫力のある雰囲気になっていると思います。妹・朱音役の内田有紀さんは美しく凛々しいですし、榊田宗栄役を演じる平岡祐太さんの、少し影のある浪人姿も艶やかでかっこいい。絵師・菊地圓秀を演じる柳沢慎吾さんは、どこまでいっても慎吾さんのまま(笑)。なんて冗談ですが、今回柳沢さんとは初めてご一緒したのですが、本当に明るいキャラクターで休憩時間もずっと笑わせてくださる現場のムードメーカーでした。怪物たちが“悪”だと言い切れるのか? その裏に見え隠れする人間の罪深さについても、いろいろと考えさせれる作品です。時代劇という枠を超えて、幅広い世代の方に楽しんでいただけたら幸いです。

圓秀(柳沢慎吾)、朱音(内田有紀)、榊田(平岡祐太)らの村に怪物が迫る…
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