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常盤貴子 常盤貴子

常盤貴子女優ときわたかこ

1972年生まれ、神奈川県出身。93年女優デビュー。以後、ドラマ『愛していると言ってくれ』『Beautiful Life〜ふたりでいた日々』『グッドワイフ』(19年1月〜)、映画『20世紀少年〈第1章〜最終章〉』『花筺/HANAGATAMI』、舞台『恐れを知らぬ川上音二郎一座』『マクベス Macbeth』など、数多くの作品に主演。NHKでは、『ビューティフル・スロー・ライフ』『TAROの塔』『神様の女房』、連続テレビ小説『まれ』、大河ドラマ『天地人』など。『遙かなる山の呼び声』では、酪農に夢と将来をかける風見民子を主演。

土曜ドラマ TAROの塔(2011)

岡本(平野)敏子役

土曜ドラマ TAROの塔

インタビュー

 芸術家の岡本太郎さんの生誕100年を記念して制作されたドラマで、私は太郎さんの秘書で後に養女となられた敏子さんを演じさせていただきました。

 太郎さんの生涯をドラマ化しているので、父親の岡本一平(田辺誠一)と母親の岡本かの子(寺島しのぶ)と過ごした幼少期や、常識の枠を超えた家族の物語がとても面白かったですね。私のパートは敏子さんと太郎さんが出会う後半からでした。今まであまり知られていなかった敏子さんの一面も描かれていますが、そこはスタッフとずいぶん話し合いながら進めていきました。

芸術一家の岡本家 一平(田辺誠一)、かの子(寺島しのぶ)、青年期の太郎(濱田岳)
太郎(松尾スズキ)は先鋭的な芸術運動に乗り出し、日本画壇に戦いを挑む
太郎に心酔した敏子は秘書となり、公私にわたって太郎に尽くす

 一人の女性としての深さを表現したいという思いがあり、一般的に認識されている敏子さんのパブリックイメージをどこまで崩してよいのか。その葛藤がある中、敏子さんが亡くなられた後に発見された日記を読ませていただくことができたんです。そこから、ふわーっと敏子さん像が広がる思いがしました。敏子さんでなければ、あの岡本太郎という人を支えられなかっただろうし、今なお、注目され続けていなかった。敏子さんの功績の大きさも実感することができました。

 岡本太郎さんのことも知れば知るほど興味が深まりました。子どものころは「芸術は爆発だ!」の面白いおじさんのイメージでした(笑)。大人になってアートの素晴らしさなどにふれても、それほど深く掘り下げて考えることもなかったのですが、ドラマがきっかけで本を読んだり映像を見ていくうちに「こんなに面白い人だったんだ!」と思うことがたくさん出てきて、どハマりしました。(笑)

 制作現場はスタッフもキャストも、全員が楽しんで撮影に臨んでいました。こちらが熱をもって用意したものを、熱をもって返してくれる人たちばかり。そのことを肌で感じることができて、「もっとやってみよう」「こんなチャレンジもしてみよう」と、とても積極的になれました。

 たまたま東日本大震災と放送期間が重なったこともあり、あまり多くの方に見ていただけなかったとか。本当に大好きで素晴らしい作品だと思うので、いつかぜひ再放送をしていただけたら嬉しいです。

土曜ドラマスペシャル 神様の女房(2011)

松下むめの役

土曜ドラマスペシャル 神様の女房

インタビュー

 経営の神様・松下幸之助(筒井道隆)とその妻・むめのの夫婦物語で、成功までの夫婦の二人三脚を描いたドラマでした。いわゆる“商人魂”のようなものが描かれているせいか、いまだに関西に行くと「あのドラマが大好きでした」と言ってくださる方がいて嬉しいですね。

むめのは裕福な船乗り・清太郎(津川雅彦)、母こまつ(野際陽子)の次女として生まれる
幸之助(筒井道隆)との結婚は貧乏暮らしの始まりだった…

 出演者は関東出身の方が多かったので、関西弁のセリフには苦労されていましたが、現場自体はとても和気あいあいとしたものでした。それは、松下幸之助という人物を描くということが大きかったような気がします。松下幸之助さんって、思いがけない発想や、とんでもないことを言い出す面白い空気をお持ちの方ですよね。出演者は、そこに加担しているような感覚になり、みんなの気分が一段押し上げられていたのではないかと思います。

 私自身、“船場ことば”には苦労しましたが、ジェームス三木さんのお書きになるセリフがテンポも良く、とても面白かったので、そのセリフを言える楽しさをずっと味わっていました。むめのが嫁入り前からの出演だったので、少し無謀だとは思いましたが(笑)、着物の変化なども合わせて楽しく演じさせていただきました。放送回数は全3話と決して多くなかったのにも関わらず、いまだにお正月になるとスタッフや共演者が集まって、『神様の女房会』を開いています。

ザ・プレミアム
京都人の密かな楽しみ(2015-17)

沢藤三八子役

ザ・プレミアム 京都人の密かな楽しみ

インタビュー

 この作品は“春夏秋冬”を描くと聞いていたので、とても楽しみにして撮影に臨んだら、「最初の1作の評判が悪かったら、その後はありません」と言われて肩すかしをくったような覚えがありました(笑)。幸い評判もよく全シーズンを演じることができて良かったと思っています。

 私は元々京都が大好きで、“京都人”という存在やキャラクターにも非常に注目していたんです。20代のころから、京都の人ならではの応答や考え方、態度など、映像や書物、また実際に出会って面白いと思ったことを研究して、私の中の引き出しにぽんぽんと入れていました。いつか芸妓はんや舞妓はんの役が来たら使えるななんて思いながら。だから、このお仕事のお話をいただいた時は本当に嬉しかったですね。

三八子は京都の老舗和菓子屋の若おかみ
英国人ヒースロー(団時朗)は三八子に思いを寄せるが…

 京都に行くたびに、京都人らしい素敵な女性と知り合いになり、お友達になった方もいます。演じていても、ああ、こういう場面で彼女たちはこういう態度をとっていたななんてことを思い浮かべて、取り入れさせてもらったりしました。番組で教えていただいたことも数多くあります。私の役は老舗和菓子店の若女将でしたから、「この時期はこのお菓子やけど、ちょっとたったらこれになんねんよ」とか。私たちの知らない儀式やお祭り、季節ごとの食べ物など、京都の文化や素敵な風習まで、たくさんのことを出演しながら勉強できて、自分の知識とすることができました。そして何より嬉しかったのは、京都の方から「この番組いいなぁ。ようわかってはるわ」と言っていただけたこと。「そんなんちゃうわ」と言われたら悲しいですものね。

夕凪の街 桜の国2018(2018)

石川七波役

夕凪の街 桜の国2018

インタビュー

 だいぶ前のことになりますが、私はこのドラマの原作となったこうの史代さんの『夕凪の街 桜の国』の発売当時、友達と「映画化かドラマ化されたらいいのにね」と話したことを覚えています。それからすぐ田中麗奈さん主演で映画化されたので、みんな考えることは一緒なんだなと思っていました。今回、年月を経て私のところにこの作品が来てくれたこと感慨深かったです。

 私が演じた七波は父・旭(橋爪功)の後を追って広島に行き、かつて原爆で亡くなった姉・皆実(川栄李奈)の足跡を追っていくという役でした。実は私自身、これまで広島に行ったことがなくて、そのことに少し罪悪感がありました。それだけに七波が徐々に知っていく出来事を、本当に私自身も知っていくような状態にもっていきたいと思いました。そして最後に、七波と同じことを感じ取れたらいいなと思いながら撮影に臨んだんです。

認知症の疑いのある父・旭(橋爪功)が“桃を買ってくる”と言って家を出た
七波と姪の風子(平祐奈)は旭の後を追って広島へ
旭は原爆のために亡くなった姉・皆実の足跡をたどる旅をしていた

 このドラマの撮影が始まった時、少し早めに広島に着くようにして広島平和記念資料館や原爆ドームを訪ねることができました。撮影のスタンバイ場所だったのは、かつて被爆したNHK広島放送局でした。当時の場所からは少し移動しているそうですが、それでも被爆の塔が建っていて、毎日その前を通って局に入るたびに心を引き締めていました。

 見てくださる方にその思いが伝わるかどうかはわかりませんが、こういう役柄をいただいた人間の責任として、きちんと調べたり書物を読んだりしながら知っていく。そのことの大切さを感じたんです。

 だから、七波と一緒に広島に行って学んでいく姪の風子を演じた平祐奈ちゃんにも、私が知り得た知識を少しずつ説教がましく教えたりしていました(笑)。これは伝えなくてはいけないという気がすごくしていたんです。橋爪功さんも同じように祐奈ちゃんにいろいろ伝えていましたね。二人とも祐奈ちゃんがきちんと受け取ってくれる子だと信じてましたので(笑)、3人しかいないからずっと一緒にいたし、広島ロケではご飯を食べに行ったり、お茶を飲みに行ったりできたし。

昭和30年、皆実(川栄李奈)は同僚の打越(工藤阿須加)に求婚されるが…
13歳のときの被爆体験が皆実を苦しめる
皆実が暮らした“夕凪の街”数百軒のバラックがあった河原で

遙かなる山の呼び声(2018)

風見民子役

遙かなる山の呼び声

インタビュー

 38年前、高倉健さんと倍賞千恵子さんが演じられた映画の名作のリメイクですから、やはりプレッシャーは大きかったです。でも、あの映画を知らない世代に、この作品の素晴らしさを知っていただくことも私たちの役目だと思って出演を決心しました。映画が公開された当時、酪農を始めた人がたくさん出たと聞いたので、このドラマを機にまたそんな方がいらしたら嬉しいのですが。

 倍賞千恵子さんが演じられた民子のエッセンスは少しだけいただいて、この作品の独特のリズムや時間の流れ方を意識して私なりの民子像を演じていきたいと思いました。こだわったのは山田洋次監督が書かれたセリフを一言一句変えずに忠実に言うこと。今はあまり使わない言葉もありますが、日本語としての美しさを大事にしたかったし、大自然の中で使うと今の言葉より腑に落ちると感じることが多かったんです。それは私なりの挑戦でした。現場で演出の朝原監督が「今はこんな言い方しないから、言いにくくない?」と言われても「このまま言ってみたいです!」って。それで言い間違えたりしたこともありましたけどね(笑)。

夫を亡くし、義父の吉雄と牧場を営む民子
バイクが故障し、嵐の中ずぶ濡れになっていた男(阿部寛)を吉雄が連れてきて…
寡黙な男・田島は次第に民子たちの暮らしに溶けこんでゆく

 民子という女性の強さは、今まで私が演じてきた女性像と全然違っていて、朝原監督とのお仕事はとても面白く興味深いものでした。意外な要求を出されることも多かったのですが、それをすることによってすごく大人の女性になっていくんです。私のクセのようなもので、少しポップにしてしまうというか、わかりやすくしないといけないという思いが出て来がちなのですが、それをグンと抑えてくださり、大人の民子を作ってくださった気がします。ラストの法廷シーンの映像が、泣いている民子の寄り(近づいて大きく映すこと)ではなく、引き(離れて撮影すること)だったことにも感動しました。映画のようなラストシーンだと思ったし、なんと潔いんだろうって。朝原監督には感謝しています。

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