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松雪泰子 松雪泰子

松雪泰子女優まつゆきやすこ

1972年生まれ、佐賀県出身。1991年女優デビュー。その後、ドラマや映画、CM、舞台などで幅広く活躍。2006年、映画『フラガール』では、日本アカデミー賞優秀主演女優賞など数々の賞に輝く。NHKにも19991年、初主演ドラマ『夜に海輝き』以来、大河ドラマ『平清盛』など出演作多数。2018年4月より、連続テレビ小説『半分、青い。』では、主人公の母親である楡野晴役として活躍する。

ニューウェーブ・ドラマ 夜に海輝き(1991)

白石幸子役

ニューウェーブ・ドラマ 夜に海輝き

インタビュー

 本当に懐かしいです。女優としての第1歩がこの作品でした。確か高校を卒業してすぐ、スーツケースひとつで撮影地の大阪へと新幹線で向かったんです。監督はNHKの伊勢田雅也ディレクター(当時)。私がモデルとして載っていた雑誌を偶然目にし、主演を託してくださったんです。当時は不安感よりも“この道に進みなさい”と、目に見えない力に導かれているような気がしていました。導かれたこの流れに乗ってみようと。きっと幼いころから両親の影響もあって、映画をたくさん見て育ったからでしょうね。特に父は、一日に何本も見るほど映画が大好きだったので、一緒に見ているうちに、いつの間にか映像の世界に興味を持っていたのだと思います。

 撮影では私も子どもなりにも、脚本や役柄の解釈について「自分はこう感じたのですがどうですか?」と(笑)、一生懸命に伊勢田監督とディスカッションした記憶があります。監督は新人の私に、ひとつひとつ真正面から向き合ってくださいました。

幸子は病気で部屋にこもりきりの母(大谷直子)と二人暮らし

 また、私が演じた幸子の母親役だった大谷直子さんにも、とてもお世話になったんです。お芝居について一から丁寧に教えてくださり、ど素人の私の演技も温かく見守ってくださいました。当時の自分を今見ても、下手なりに懸命に何かを表現しようとしているなと感じます。もう30年近く前なのですね……。でも、つい昨日のことのように、さまざまな光景が目の前によみがえってくる思い出深い作品です。

ドラマスペシャル 心の糸(2010)

永倉玲子役

ドラマスペシャル 心の糸

インタビュー

 この作品もとても印象に残る作品です。私が演じたのは、生まれつき耳が聞こえない永倉玲子という女性。音のない世界で生きてきたからこそ、聴者である息子・明人(神木隆之介)をピアニストにしたいという夢を持つのですが、母子の思いは次第にすれ違って……。

明人(神木隆之介)が弾くピアノの音を床の振動で感じ取る玲子

 “聞こえない”日常を演じることは、想像以上に難しいことでした。手話もきちんと先生に教えていただいて、それをまずはしっかりと体にしみこませる。そして、それを自然にできるようにするのはもちろん、感情をより強く表現したい部分ではどんな風に手を動かすべきなのか、体をプッシュすべきなのかを、撮影前に改めて確認しながら演じたのを覚えています。まさに肉体と感情を、フルに使ってのお芝居。そしてセリフを一言も話さない分、常に心情を大きく動かしていないと見る方にも伝わらないな、と思って演じたのも覚えています。

 しかし、“聞こえない母”にぶつかっていく息子を演じた神木くんこそもっと大変だったのではと思うのですが、彼の演技が本当にすばらしくて。母は子を思い子は母を思う、その愛の深さを互いの演技に感じつつ、親子役を演じることができました。本当にやりがいのある作品だったと思います。スタッフの皆さんも、とても熱いチームでしたね。北陸・石川でロケをしたのですが、時期的に本当に暑くて(笑)、東山充裕監督はねじりはちまきをして大汗をかきながら奮闘してくださいました。濃密な時間を過ごさせていただいた作品だなと思います。

大河ドラマ 平清盛(2012)

得子/美福門院役

大河ドラマ 平清盛

インタビュー

 大河ドラマに初出演させていただいたということももちろんですが、何しろエキセントリックなシーンが多かった、というのが忘れられない作品です(笑)。平安末期を舞台としながら、絵巻もの的な雅やかさより、むしろリアルで生々しさのある映像美が話題になりましたよね。衣装もメイクも凝っていましたし、平家や源氏、朝廷の興亡が、実感として現代の若者たちにも響いてくるような作品でした。

得子(なりこ)は鳥羽上皇(三上博史)の寵愛を受ける

 でも、私が演じた美福門院(得子)は特に激しいというか(笑)、朝廷のなかでもいちばんドロドロとしたパートを担っていたように思います。演じる上では、その激しさが楽しかった部分もあるんです。女の情念や、権力欲を愚かしいまでに表現できるので。

 また、夫である鳥羽上皇(法王)の三上博史さんが、本当に迫力ある演技に仕上げていらっしゃるので、私も妻としてトーンを合わせていく感じだったように思います。三上さん演じる鳥羽上皇に、美福門院も引っ張っていただいたような、夫唱婦随の関係性でした。圧倒されそうになりながらも、ついていった感じです(笑)。

 平清盛役の松山ケンイチさんは、とても真摯にこの大役に向き合っていらっしゃいました。大河ドラマは撮影が長期間に渡るので、次々とキャストの方がクランクアップしていきます。そのたびに松山さんは、「どんな思いでこの役に臨んでいらっしゃいましたか?」と、質問を投げかけていたのを覚えています。主演として、ドラマの最初から最後まで“清盛”として生きる、彼の覚悟を感じましたね。とてもすばらしい俳優さんだなと思いました。

清盛(松山ケンイチ)

土曜スペシャルドラマ 負けて、勝つ
~戦後を創った男・吉田茂~(2012)

小りん役

土曜スペシャルドラマ 負けて、勝つ~戦後を創った男・吉田茂~

インタビュー

 全5回でしたが、とてもスケール感のある作品でしたね。主演で、昭和の宰相・吉田茂役を演じる渡辺謙さんの気迫も並々ならぬものがありました。吉田茂にぐっと風貌を近づけるため、とてもスマートな謙さんが、肉付きのよい感じに体も大きく作り込んでいらしたのを覚えています。まさに吉田茂という人物はもしかしたらこういう方だったのかな、と思わされるほど、ご本人が役になり切っていらっしゃいました。特に長いシーンを撮る際などは、ただならぬ緊張感とオーラをまとって現場に立っていらしたのを覚えています。

小りんは妻亡き後の吉田茂(渡辺謙)を陰ながら支える

 私が演じた小りんは、吉田茂の内縁の妻。決して出しゃばらずひかえめながらも、芯のしっかりとした昭和の女性です。日本を背負った吉田茂が、唯一人間らしい素顔を見せて弱音を吐けるのは、小りんの前だけだったと思います。実は、渡辺謙さんとはこれまでも何度か共演させていただきお世話になっている大先輩のひとりですが、後輩である私にも「松雪、(このシーン)どう思う?」などと、演技についていろいろと気さくに相談してくださるのもとても勉強になります。また、明るく、現場のムードメーカーでいらっしゃる一方で、普段から言うべきときはちゃんと言う、厳しさも持ち合わせていらっしゃる方です。そんなリーダーシップに富んでいらっしゃる謙さんは、まさに吉田茂役にぴったりの方だなぁと改めて思ったのを覚えています。

連続テレビ小説 半分、青い。(2018)

楡野晴役

連続テレビ小説 半分、青い。

インタビュー

 放送は2018年4月からのスタートですが、撮影が2017年10月からスタートしているので、私は現場ではすっかり楡野家の“お母ちゃん”です(笑)。“朝ドラ”に出演した俳優さんたちからよく、現場が家族っぽいムードになるよ、とは聞いてはいたのですが、お茶の間のシーンなどで心からリラックスしている自分がいて、「あのウワサは本当だったんだ!」と、日々実感しているところです。

 私が今回、晴役を演じながら大切にしているのは、“ちゃんとお母さんに見える存在になる”ということでした。少し不安もなくはなかったのですが、最初の岐阜ロケで楡野家が集合したときに、すっと家族になれたというか。「ああ、これはすごく素敵になるなぁ」という、感覚をつかむことができたのを覚えています。矢崎由紗ちゃんをはじめ、子役の子たちもみんなかわいいですし、ヒロインで私の娘・鈴愛役を演じる永野芽郁さんは、キラキラとした存在感にあふれています。ときには母として娘と激しくぶつからなくてはいけないこともあるのですが、姿が見えないと心配になってしまうほど。単に撮影日が重ならないだけなのですが(笑)、もうすっかり母親の心境です。

ヒロイン鈴愛(すずめ・永野芽郁)

 そして、本番直前まで周囲を爆笑の渦に巻き込んでいる鈴愛の祖父・仙吉役の中村雅俊さんや、ひょうひょうとしながらも優しい夫・宇太郎役の滝藤賢一さんの存在にも、すごく助けていただいています。もしかしたら、ファンタジーの世界の家族にも見えるかもしれませんが、その温かなユーモアとほっこりした優しさを、ぜひお茶の間の皆さんにも肩の力を抜いて楽しんでいただけたらと思っています。

宇太郎(滝藤賢一)、仙吉(中村雅俊)ら家族が営む楡野(にれの)食堂
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