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田辺誠一 田辺誠一

田辺誠一俳優たなべせいいち

1969年生まれ、東京都出身。モデルとして活躍後、92年にテレビドラマ『熱い胸さわぎ』で俳優デビュー。以後、テレビ、映画、舞台と活躍。映画『DOG-FOOD』『ライフ・イズ・ジャーニー』では、監督・主演・脚本を務める。またスタンプや書籍が人気の『かっこいい犬』シリーズのイラストレーターとしても活躍。NHKでは『妻たちの新幹線』『最後のレストラン』、大河ドラマ『徳川慶喜』『風林火山』など。『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』では、中学校の教務主任・三浦雄二役で出演。

水曜ドラマの花束 走れ!ノボセモン
~九州・博多~(1990)

井野一判役

水曜ドラマの花束 走れ!ノボセモン~九州・博多~

インタビュー

 NHKで初めて主演をやらせていただいた作品でしたから、それがすごく嬉しかったことを覚えています。「のぼせもん」と呼ばれる博多の男を演じたのですが、僕の父親役で出演された小松政夫さん、妻の牧瀬里穂さんが福岡出身、光石研さんも北九州と九州勢が多かったせいか、現場に流れていた空気の濃さと熱さが印象的でした。僕自身も隣の山口がいなかで距離的に近かったこともあり、親しみもあり、ごく自然にその中に入っていくことができました。

一判も父・建造(小松政夫)も夢見がちな博多の男“のぼせもん”

 僕が演じたのは社会人の駅伝選手で、会社のリストラで運動部が廃部になり、他への移籍もうまくいかずに困惑するなかで、実家も立ち退き問題に揺れるという役どころでした。社会人のスポーツ選手にとって30歳という年齢は折り返し地点。そこから下り坂というか体力的に辛くなる時期ですが、そこを奥さんや周りの人々が支えてくれるという物語でした。

いつも明るく前向きな妻のケイコ(牧瀬里穂)

 ちょうど僕自身も主人公と同じような年齢だったこともあり、スポーツ選手ではないけれど共感できることも多かったですね。20代は突っ走らないと流れにのみこまれてしまうから、がむしゃらに突っ走ってきたけれど、ちょっと立ち止まる。岐路に立つ時期だったと思います。

 そんなことを感じながら演じていましたが、博多での撮影は本当に楽しかったですね。祇園山笠の迫力にも圧倒されましたし、まだ僕も若かったから駅伝選手役で走るのも大丈夫でした(笑)。今なら、少しやばいかな。

大河ドラマ 風林火山(2007)

小山田信有役

大河ドラマ 風林火山

インタビュー

 小山田信有は武田家の武将の中でも少し変わった役どころでしたね。軍議の場面が多かったのですが、ほぼ毎回、ほかの武将たちとは違う色恋の発言をすることが多く、ネットなどでも「エロい」なんて書かれていました(笑)。もともと小山田氏は裕福な豪族で、ある意味、信玄よりも安定していたので、その余裕もあったのかと思いますが、人間的でとても面白かったですね。とくに自身が陥落させた志賀城の城主の正室・美瑠姫(真木よう子)を側室にしてからの小山田の変化は、より人間的な体温を感じさせるものになったと思います。それが衝撃的な最期に繋がったのですが…。

美瑠姫(真木よう子)の心の中には武田家への憎しみが消えず…

 それにしても武田家の重臣の方々は板垣信方役の千葉真一さん、諸角虎定役の加藤武さんをはじめ、みなさん個性的な方ばかりでした。毎週月曜日のリハーサルには千葉さんが「あんなに撮ったのに全然使ってないじゃないか」と怒りながら入っていらっしゃるのが楽しかった(笑)。でも、千葉さんは本当にこの作品に力を入れていて、ご自身が乗る白馬もアメリカから運んで来られたほどでした。

 主演の山本勘助を演じた内野聖陽くんとは何度か仕事をご一緒したことがありましたが、若いころからすごいなと思っていました。川中島の戦いで、上杉謙信役のGackt(ガクト)さんと武田信玄の市川亀治郎さん(現・市川猿之助)の対決も見どころでしたし、こういう骨太な大河はやはりいいですね。

小山田は勘助(内野聖陽)に“由布姫を支えろ”と説く

 余談ですが、2016年の大河ドラマ『真田丸』で温水洋一さんが演じた小山田信茂は信有の息子です。「僕が温水さんのお父さんかあ」と思うと不思議な感じでした(笑)。でも小山田信有のことは、いまだに周囲の方から面白かったと言っていただけるほど、印象深い役でしたし、楽しく演じることができました。

NHKスペシャル 最後の戦犯(2008)

野田秀和役

NHKスペシャル 最後の戦犯

インタビュー

 これは名古屋放送局制作のドラマで、夏の暑い時期に古い街並みを求めて三重や大津などいろいろなところでロケをしたことを覚えています。

 終戦5日前に上官の命令で一人の米兵を処刑したことから戦犯(戦争犯罪人)となり逃亡する主人公を井浦新くんが演じました。それまでの彼が出演していた映画作品とはまた違うイメージで、逃げ延びる中での強さ、何かを内に秘めている繊細な表現力にすごくリアリティーを感じていました。

戦犯として追われる身になった吉村(井浦新)
吉村の姉・静子(原沙知絵)は厳しい尋問を受ける
医師である野田は吉村家の人々を案じるが…

 実話でもあり、非常に重い内容ですから、とてもていねいに撮影していたことを覚えています。僕は、この主人公の姉の元夫という役どころでした。主人公が逃亡をつづけるということは、その家族にもこんなにも累が及ぶんだということも描かれていました。戦犯とされた当人の思いや美意識が心の葛藤を生む。そんな内面を表現していて、戦争自体を描いていないにも関わらず、あの時代をとらえた非常に見応えのあるドラマだったと思います。

TAROの塔(2011)

岡本一平役

TAROの塔

インタビュー

 太郎の父の一平を演じました。この作品に出演するまで、岡本太郎さんのことは知っていましたが、新聞に連載する漫画家の一平と激しく芸術を追い求める母・かの子というご両親の存在は知りませんでした。ドラマとしては、非常にキャッチーで常識外れの感じがすごく面白かったですね。やはり芸術家というのはふつうとは違う。とくに一平は、かの子の才能を誰よりも買っていて、かの子が歌や小説になかなか満足できずにいるときに、やりたいことをやりたいようにさせている。しっかりと芸術に向き合わせてあげると同時に、太郎という子どもも一平が守っている。常に一歩引いた形で家族を見守っているんです。

若き日の岡本太郎(濱田岳)
父・一平と母・かの子(寺島しのぶ)

 かの子が家に愛人を呼んでも、それによってかの子が満足して前に進めるのなら苦しいけれど、それでいい。かの子の芸術を理解するというのはそういうことであり、苦しさとともに充実感や生きているという感じがあったのかなとも思います。それでいて、かの子が亡くなると本当にふつうの女性と結婚して子どもをたくさん作っている(笑)。そのへんがまたなんともリアルでもありました。

かの子は夫の一平に“恋をしました”と告白する

 結局、一平はかの子の親であり、プロデューサーであったりしたんでしょうね。かの子にとって全部を引き受けてくれる一平の存在がなければ落ち着ける場所もなく、彼女の芸術も成立しなかったんだと思います。僕もものを作っている人間で常識に縛られたくないという思いがあるので、極端ではあるけれどこういう人がいるというのは理解できるし、それほど違和感なく一平を演じることができました。

土曜ドラマ
やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる(2018)

三浦雄二役

土曜ドラマ やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる

インタビュー

 僕にも子どもがいるので、ひとりの親として学校での問題、親の問題などは見聞きしていました。学校もいろいろ大変なので、スクールロイヤーという制度が出来たのかと理解しています。そのスクールロイヤー役を神木隆之介くんが演じると聞いて、熱すぎず、だからといって醒めているわけではなく、ちょうどいい感じというのが説得力につながり、これは面白そうだなと思いましたね。

問題山積の中学校に弁護士・田口(神木隆之介)がやってきた

 僕の演じる三浦先生と神木くんの田口先生はどちらも学校や生徒をよくしたいという思いは同じです。ただドラマの構図としては、やはりふたりの対立が焦点になってきます。あまり敵役になると逆に浅くなってしまう。三浦先生は真面目に頑張っている人で、神木くんの田口先生もそうなのだけれど方向が違うからぶつかってしまう。とくに年齢も若いのでずかずかと入ってきて、こちらのやり方を変えようとする。そこは、経験上違うんじゃないのとぶつかる部分があり、バシッとわからせないといけないという感じでやっています(笑)。

 それにしても今の先生たちは大変ですね。僕の家は祖父や親戚など三分の一近くが教師でしたが、昔はもう少しゆとりがあったような気がします。祖父は夕方帰ってきて畑仕事などしていましたから。今、知り合いの中学教師は部活の顧問で平日も週末も遠征や大会の引率で休みがほとんどない。本当に好きでなければあんなにできないと思うほど大変です。

ベテラン教師の経験に基づいて問題と向き合う三浦
法律をふりかざす田口と三浦は真っ向から対立する

 実は、このドラマのプレスリリースが出た後にネットを見ていたら、「いじめや援助交際の問題などで、どうせ先生のことは描いてくれないんでしょ」みたいな書き込みがあったんです。きっと先生が書いたのではないかと思います。そこで僕はまだ言えないけど「いやいや先生の労働環境とか先生が抱えている問題を、かなりえぐりますよ」と言いたかったですね。こういうことをわかってもらえたり主張できるということで、きっと学校の先生たちには喜んでもらえると思います。

 セリフもリアルでこういう側面で学校を切り取るんだというところを見てほしいですね。とくに神木くんは繊細で、でもすごく温かい人間味のある表現をするので、それもすごく自然で説得力があります。最終話に近くなるころには、三浦先生と田口先生の関係性も変わってくるので、そこも楽しみにしていただければと思います。

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