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竹下景子 竹下景子

竹下景子女優たけしたけいこ

1953年生まれ。愛知県出身。73年、NHK銀河テレビ小説『波の塔』でデビュー。94年、映画『学校』で第17回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。主な出演作に、映画『男はつらいよ』シリーズなど。NHKでは、連続テレビ小説『純情きらり』『ゲゲゲの女房』、大河ドラマ『独眼竜政宗』『毛利元就』などに出演。2017年、連続テレビ小説『わろてんか』に藤岡ハツ役で出演。

大河ドラマ 黄金の日日(1978)

桔梗役

大河ドラマ 黄金の日日

インタビュー

 初めて出演させていだいた大河ドラマでした。大河ドラマはいつもそうだと思うのですが、出演されている方々が市川染五郎さん(=現・松本幸四郎)をはじめ、当時の私から見たらきら星のような方ばかり。女性もまた、栗原小巻さん、名取裕子さん、夏目雅子さんと本当に美しくて、ことに夏目さんは、思わずうっとりしてしまったほど輝いていらっしゃいました。

貿易商として戦国の世に巨万の富を成す助左衛門(現・九代目松本幸四郎)
助佐の憧れの女性・美緒(栗原小巻) 豪商・日比屋の娘 笛(夏目雅子)

 私が演じた桔梗は、脚本の市川森一さんが創作されたオリジナルの人物で、今井宗久(丹波哲郎)の隠し子という役でした。ただ、最初に桔梗の母・しま役で少しだけ出演したんですよ。だから初めての大河ドラマは二役でしたね。 桔梗は、ふだんの私とは全然違うボーイッシュなタイプ。史実にとらわれることのない一途な女性を演じていると、役が私を別のところに連れていってくれるような爽快感がありました。助佐(=呂宋助左衛門・松本幸四郎)のことを思い続けた桔梗の最期は、マニラで求婚された翌日にウェディングドレス姿で撃たれて死ぬという劇的なもので、とても印象に残っています。

桔梗は助佐をしのぐほどの鉄砲の名手
幼い頃に出会った助佐を一途に思い続けるが…

 そういえば、川谷拓三さんが演じられた杉谷善住坊の最期も壮絶でした。川谷さんは全身全霊で演じられる方なので、そのシーンに向けてすさまじいダイエットをされていたことを覚えています。

 もう一つ、私にとって忘れられないのは小西行長の父・小西隆佐役でご出演されていた宇野重吉さんのこと。高校時代から劇団民藝の舞台を観させていただき、優しく厳しい宇野さんのお芝居の大ファンでした。実はデビュー間もないころにNHKの連続ドラマ『銀座わが町』(1973年)で、私がレコード店の店員役でご一緒させていただいたことがあるんです。そのとき、「あ、本物だ」って(笑)。でも、とてもお声をおかけすることなどできませんでした。その次がまたNHKの金曜時代劇『ふりむくな鶴吉』(1974年)。ここで養女ではあるけれど宇野さんと親子役になれて、本当に嬉しかったですね。そのとき、自叙伝にサインをしていただいたのが今でも私の宝物です。

左:善住坊(川谷拓三)  右:小西隆佐(宇野重吉)

金曜時代劇 蝉しぐれ(2003)

牧 登世役

金曜時代劇 蝉しぐれ

インタビュー

 藤沢周平作品は本当にファンが多く、それだけに映像化するのはたやすくないとのことでした。原作をお読みになっている方は、活字を通してイメージを膨らませていらっしゃるでしょうから。でも、黒土三夫さんの脚本は本当に素晴らしくて、何の違和感もなくセリフが成立していました。撮影もリハーサルを繰り返し、一話一話ていねいに積み重ねるように作りあげていった現場でした。

 私は主人公・牧文四郎(内野聖陽)の義母・登世を演じさせていただいたのですが、これまで演じてきた子どもを優しく見守る母親というタイプではなく、なかなか厳しいところのある女性でした。登場する男性はあくまで男らしく潔く、女性は自分の中に一つの芯を持って生きている。そんな清々しさを感じていました。

無実の罪で父を失った文四郎(内野聖陽)と母・登世

 そういえば、登世はたばこをたしなむ女性という設定なのですが、なかなかキセルの扱いが慣れなくて。文四郎の終生の友である島崎与之助もたばこをのむので、演じられていた宮藤官九郎さんが小道具で使われていたキセルをお借りして教えていただいたこともありました。

 文四郎、与之助、そして小和田逸平(石橋保)の仲良し三人組のシーンもとてもほほえましかったですね。私は逸平の母親役の五代路子さんと親しかったので、合間に女子トークをしたことなども楽しい思い出です。

島崎与之助(宮藤官九郎)

スペシャルドラマ 坂の上の雲(2009~2011)

秋山 貞役

スペシャルドラマ 坂の上の雲

インタビュー

 3年にわたる放送を3年以上かけて、こつこつと作られたドラマでした。秋山好古(阿部寛)、真之(本木雅弘)兄弟の父親・久敬を演じられた伊東四朗さんが、「お尻に根っこが生えちゃうね」なんてユーモラスにおっしゃっていたことを覚えています。それくらいワンカットワンカット、完璧を期してていねいに撮影していた現場でした。

秋山兄弟の母・貞と父・久敬(伊東四朗)
火薬を盗み出し、禁止されている花火を打ち上げた真之に母は…

 私は秋山兄弟の母親役でしたが、とても長生きをされた方なので、第三部では老け顔の特殊メークをしていただきました。メーク後に座っていた私の前をプロデューサーが通り過ぎたので「おはようございます」とごあいさつしたら、びっくりされて「竹下さんですか!?」って(笑)。そのくらい見事なメークだったんです。

海軍軍人となった真之(本木雅弘)の久しぶりの帰省

 日露戦争に向き合う日本とその時代を描いたドラマでしたから、どうしても男性中心の物語になっています。その中で、私が演じた貞(さだ)さんをはじめ、限られた女性たちが家庭で男性を見守る役として登場していました。プロデューサーからは、各時代を通して家族を見守り続ける母の目線がドラマを見てくださる方たち、つまりふつうの市民の目線なのだということ。建前ではお国のために立派な子どもを生み育て武運長久を祈る母親ですが、その心情の奥にあるのはいつまでも元気で幸せでいてほしいというもの。時代を超え、国を超え、女性として生まれた永遠のテーマであり、それを代表するものだということを教えていただきました。

 この時代をひと言で語ることはできませんが、自分を信じ、明日を信じ、本当にまっすぐに生きていた人たちがいたことをドラマを通して実感させていただきました。

中学生日記 最終回スペシャル(2012)

植田千賀子役

中学生日記 最終回スペシャル

インタビュー

 いまの私が現在にいたるスタートとなったのが、『中学生日記』の前身である『中学生群像』という番組でした。当時の私は女子だけの中高一貫校に通っていて、放課後に学校の許可をいただいてNHKに通っていました。ちょうど部活のような感覚でしたし、男子も女子もいるのがとても新鮮でした。でも、私は児童劇団に所属していたわけでもなく、何も知らずに入ってしまったので、ずいぶん周りの方たちに手を焼かせてしまったと思います(笑)。出演人数が足りず、とりあえずの補充みたいな感じで入ったのが、セリフがひとつふたつと増えていき、現場の演出家や大人の人たちに教えてもらいながらという日々でした。

『中学生群像』の一場面

 『中学生日記』の最終話に、まさかゲストで、しかも校長先生の役で呼んでいただけるとは……。嬉しくもあり、でも長く親しんだ番組がなくなる切なさもありました。この校長先生の役とすごく重なる部分もあり、自分のふるさとや学校がなくなるのと同じような気持ちを味わいました。

物語の舞台“東桜中学校”が統廃合により閉校することに
東桜中と統合する中学校の校長、そして東桜中の卒業生

 ただ校長先生の役というのは意外でした。私の父は弁護士をしていたので、周りの人たちから「先生」と呼ばれることが多かったのですが、私自身がそう呼ばれるこはまずないだろうという妙な確信があったんです。この役をいただくまで、私に先生役はできないとういう妙な思い込みがあって(笑)。でも、ここで少し「先生」に対する壁がなくなりました。

新米教師の思い悩む様子に植田校長がかけた言葉は…

連続テレビ小説 わろてんか(2017)

藤岡ハツ役

連続テレビ小説 わろてんか

インタビュー

 母親からおばあちゃまへという役はこれまでも演じたことがあるのですが、今回のように最初からというのは初めてでした。母親と違って祖母というのは、少し孫と距離がある分、悪く言えば無責任になれる。もちろん、大店の伝統を守るために、いろいろなことを伝えていかなくてはいけない立場でもありますが、そこを離れたら孫娘の気持ちになって無邪気に遊んでやれる。そこが、おばあちゃまの特典だなと思って楽しかったですね。

てん・少女時代(新井美羽)

 おてんの子ども時代を演じた新井美羽ちゃんにお手前やお琴を教えるシーンがあったのですが、何をやっても本当に上手でとても感心しました。成長したてんちゃんのことも、そっと見守ってあげて胸の中でぎゅっと抱きしめている。そんな感覚があり、なかなかおばあちゃまというのは、いい位置にいるなと思いました。

 ドラマの中では、京都の薬種問屋のこしらえや風情、京ことばなどを楽しむことができました。お着物や髪型、くし、かんざしなども素晴らしかったですし、てんちゃんが小鳥好きということで、いつもどこかに鳥のモチーフが登場したり。結髪さんが手作りでかんざしを作っていらしたことなど、作り手側の心意気をとても感じられる現場でした。

 おてんちゃん役の葵わかなちゃんの笑顔もかわいいし、風太を演じる濱田岳さんはみんなのテンションを上げてくれるムードメーカー。そして儀兵衛役の遠藤憲一さんがとてもチャーミングで、怖い顔といいながら(笑)、遠藤さんのひと言で泣いたり笑ったり。出演者もとても家族的で温かい雰囲気に満ちていました。

寄席を開くため実家に援助を求めるてん(葵わかな)にハツが助け船を出す
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