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石原良純 石原良純

石原良純俳優いしはらよしずみ

土曜ドラマ 『刑事』

土曜ドラマ 『刑事』

 高倉健さんと仕事をご一緒させていただくのは『刑事』が初めてでした。最初にNHKの大きな会議室で全キャストが揃う顔合わせがあったのですが、そのときのことは今でも忘れられません。健さんの席は一番奥で、隣は田中好子さん、鈴木京香さん、手前には小林稔侍さんとお歴々が居並ぶ中、部屋に入ってこられた健さんは、まっすぐ僕のほうを見て進んできたんです。全員が起立して健さんを目で追うなか、僕の手前1メートルのところで立ち止まり、「高倉健です。よろしくお願いします」とごあいさつされた。僕のマネージャーは、健さんがまっすぐこちらに向かってくるのを見て、通路をあけようと後ずさりして壁にぶつかっていました(笑)。

秋庭刑事役 高倉健さん

 この作品は、僕が演じる村沢という交番勤務の警官が暴漢に襲われて殉職し拳銃を奪われた事件が発端。その捜査にあたるのが健さん演じる秋庭刑事で、村沢は秋庭がかわいがっていた後輩という設定でした。僕の出番はそれほど多くはなかった。最初に襲われたシーンのほかは、秋庭刑事との過去の交流を含めた回想シーンだけでしたから。ただ、秋庭は常に村沢のことを思って捜査していくというストーリーだったことから、健さんは撮影に入る前から二人の関係を心に留め、村沢に対する思い入れを強く抱いておられたのでしょうね。それが、あの顔合わせの席で、大先輩自ら僕のところにいらしてごあいさつしてくださるという出来事につながったわけで、非常に印象的な出会いとなりました。

  • 石原さん演じる村沢巡査
  • <回想シーン> 秋庭の家を訪ねる村沢一家
  • 勤務中に暴漢に襲われ…

 ドラマの顔合わせの日は、ちょうど健さんの誕生日でした。そこで、田中好子さんや鈴木京香さん、健さんと仲の良い小林稔侍さんたちが集まり、NHKの一室でバースデーケーキをいただくということになったのです。そこに僕も呼んでいただいたのですが、このとき少し意外な健さんを拝見しました。ケーキが配られて、アテンダントの方が健さんに「コーヒーになさいますか、紅茶になさいますか?」と尋ねたのです。大のコーヒー好きで知られる健さんですから、僕は内心、「健さんならコーヒーに決まってるじゃないか」と思ったのに、「紅茶をお願いします」とおっしゃった。コーヒーじゃなく紅茶なんだと、びっくりしたことを覚えています(笑)。

  • 秋庭素江役 田中好子さん
  • 秋庭宮子役 鈴木京香さん

豊刑事役 小林稔侍さん

 いよいよ撮影が始まり、僕が暴漢に襲われるシーンのロケが品川の埠頭近くで始まりました。寒い季節で、夜、運河の吹きっさらしに交番のセットを建てての撮影で、出演者は僕とまだ姿を見せない犯人だけだったのです。ところがプロデューサーが「健さん、来てるよ」。「うそだよ。出番もないのにいらっしゃるわけないじゃない」と言いながら、プロデューサーが指し示す方を見たら、100メートルくらい先にある橋上に健さんが立ち、こちらを見ておられるのです。「自分にとって大事なシーンですから」と。ただ、現場に来てしまうと、みんなが気を遣うからと遠くから見届けようとされていた。その姿勢には本当に感動しました。

  • 石原良純さん演じる村沢巡査 殉職のシーン

 その後、別のシーンの撮影で僕がスタジオにいたときのことです。健さんが突然僕のところにいらして「きょう、ラッシュ(試写)を見て感動しました。自分も頑張ります」って。あの村沢が殺されたシーンのことです。またもや、「えーっ、そんな」と恐縮してしまいましたが、やはり健さんの中では、後輩の村沢をイメージして秋庭が追っていくという意識が完全に出来上がっていたんですね。撮影期間はひと月半ほど、そのなかで僕がご一緒したのは数回しかなかったのですが、本当に一番近い先輩であり後輩として過ごさせていただきました。あんな経験は二度とないと思います。そういえば、事件解決後、殉職した村沢の葬儀のシーンがあり、僕が警察官の格好をした遺影が飾られたのですが、その写真に健さんのサインをいただきました。いまも大切にとってあります。

大河ドラマ 『花燃ゆ』

大河ドラマ 『花燃ゆ』

松下村塾の塾生や家族を支え、幕末の動乱、明治維新を強く生き抜いた吉田松陰の妹・文(=美和)の生涯を描いた作品で、石原良純さんは群馬の農業研究家・船津伝次平を演じた。

 伝次平というのは地元の名主として農業技術の改良や推進を行った人物です。当然、赤城山麓の広大な畑でロケをするものだと思っていました。それがスタジオ撮影だと聞いて驚いたのですが、本当に立体的な畑のセットがスタジオに出来上がっていて感心しました。『花燃ゆ』は後半からの出演でしたし、時代劇も久しぶりだったので、撮影の日は早めに入り、1日中、スタジオから出ないで土を踏みしめたり、握ったりしていました。伝次平は、赤城の大自然のなか、土と生きるという役でしたから。ただ、究極のコスプレでしたね(笑)。衣装合わせの時に、「帯は?」って聞いたら「ありません」「えー、帯ないの!」。その衣装を着て、土の穴蔵から出て地べたに座ったら、なんか蓑虫みたいだなって(笑)。でも、楽しかったですよ。

  • 井上真央さん演じる美和との出会い
  • 船津伝次平は後世、“近代農業の父”と呼ばれる

大河ドラマ 『天地人』

大河ドラマ 『天地人』

戦国時代、上杉謙信の「義」を受け継ぎ、仁愛の「愛」を掲げ、生涯主君・上杉景勝を支えた直江兼続の生涯を描いた物語で、石原良純さんは賤ヶ岳の七本槍の一人、福島正則を演じた。

 僕は子どものころから大河ドラマを見ていたのですが、そのなかでも『国盗り物語』で育った世代で戦国ものが大好きでした。福島正則といえば、豊臣恩顧のなかで加藤清正と対で出て来る人物で、関ヶ原後は広島50万石くらいの太守にまでなった武将です。ただ、『天地人』までは、なかなかフィーチャーされることがなかった。そういう意味ではうれしかったのですが、なぜか木村佳乃さん演じる千利休の娘・お涼に酒でからんで投げ飛ばされるというシーンがありました。それもワイヤーアクションでかなり派手な演出でした。後にも先にも女性に投げ飛ばされた戦国武将を演じたのは、僕だけじゃないかな(笑)。ただ、直江兼続役の妻夫木聡さんをはじめ、上杉景勝の北村一輝さん、石田三成の小栗旬さんと、僕よりも一世代若い人たちと一緒にやれたことは楽しかったですね。もっとも1日の撮影が終わった後で、「飲みに行きましょう」と誘われても、さすがに「僕は無理です」と断っていました。みんな朝まで飲むと聞いて「さすがに若者たち、元気だな」と思ったことを覚えています。

  • 石原さん演じる福島正則
  • 木村佳乃さん演じるお涼
  • お涼の豪快な投げわざ!
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