50音から探す

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行
わ行
池松壮亮 池松壮亮

池松壮亮俳優いけまつそうすけ

1990年、福岡県出身。2001年、劇団四季のミュージカル「ライオンキング」のヤングシンバ役でデビュー。03年、映画『ラスト・サムライ』で映画初出演。その後、数多くの映画やドラマで活躍、受賞多数。NHKでは、大河ドラマ『風林火山』、連続テレビ小説『梅ちゃん先生』、『15歳の志願兵』『とんび』などに出演。特集ドラマ『あなたのそばで明日が笑う』では、石巻で行方不明の夫を待ち続ける女性(綾瀬はるか)と心を通わせていく移住者で建築士の葉山瑛希を好演する。

福岡発地域ドラマ うきは
ー少年たちの夏―(2002)

村上健作役

福岡発地域ドラマ うきはー少年たちの夏―

インタビュー

 福岡県にある棚田で有名な浮羽町に住む少年・健作のひと夏を描いたドラマでした。僕にとっては初めての映像作品だったので、カメラに撮られること、演技をするということがよくわからないままやっていた記憶があります。

 ただ、浮羽町のみなさんがすごく協力してくださって本当に温かい空気の中で撮影ができました。僕自身がドラマと同じように地元の子どもたちと一緒にひと夏を過ごせたことも思い出深いですね。

 また、俳優ではない地元の方たちも出演していたのですが、浮羽で果物農家をされている方がドラマでは僕の友人のお父さん役でした。いまだに毎年果物を送ってくださったり、連絡を取ったりと、今も繋がっています。それ自体がすごいことだし、濃い思い出になっています。

 父親役の光石研さんとは、その後もさまざまな作品でご一緒する機会が多くて、おそらく僕の最多共演者だと思います。光石さんご自身は作品数が多いのでそうではないかも知れませんが、僕にとってはご縁のある方だと思っています。

 ご縁があるといえば、ドラマでは友だちのお姉さん役で出演していた蒼井優さんですが、当時は全然しゃべっていない。役としてもあまり交わるシーンがなかったのですが、お互い寡黙でしたね(笑)。この作品の後、すぐにまた共演する機会があり、それから数年おきに度々共演することになり、とてもご縁がある方です。

NHKスペシャル 終戦特集ドラマ
15歳の志願兵(2010)

藤山正美役

NHKスペシャル 終戦特集ドラマ 15歳の志願兵

インタビュー

 個人的な話になりますが、僕はこの作品の撮影中に20歳になったんです。名門中学の生徒たちが戦争に行くことを決めた“総決起集会”が題材になったドラマで、10代が終わり成人を迎え、大人として社会に出ていくという中で、こういう作品に巡り会えたことにいろいろと思うことがありました。

 僕のように戦争のことを何も知らない若者が果たしてこの主人公たちを追体験できるのかもわからなかったし、とにかくすごく大きな壁だというふうに感じていました。そんな中、僕の演じた正美の親友役で、戦争で命を落とす光男を演じたのが仲野太賀(当時:太賀)くんでした。年齢もそれほど変わらないので、撮影中ずっと2人で時間を過ごしていました。30歳になった今、感じることとは意味合いが違うかもしれないけれど、2人ともあの脚本の優れているところ、美しいところは十分に感じとっていました。未熟ではあるけれど何とか良いものにしたい。そんな思いを抱いて、一緒に答えを探す旅に出ることが出来たような気がします。

光男(仲野太賀)から将来の夢の話を聞く

 今でも覚えているのが、戦死した光男の母親(夏川結衣)から「もし自分に学問があれば息子を死なせずにすんだのではないか」と問われた時に答えたセリフです。「いえ、僕たちは学校で死ねと教わったんです。学問がなかったのはこの国です」。

光男の母親(夏川結衣)から光男が残した日記を手渡される
「学問がなかったのはこの国です」

 戦争が悲惨だということは度々語られてきたけれど、まだ16,17歳の少年がそういう視点に立ち、一歩踏み込んだ言葉を発することに驚きましたし、とても勇気のいることだと思いました。そこに僕自身も意義を感じて、この作品をきちんとやらなくてはという思いをいっそう強くしました。

土曜ドラマスペシャル とんび(2012)

市川旭(アキラ)役

土曜ドラマスペシャル とんび

インタビュー

 『とんび』は原作も脚本も素晴らしくて、さらに出演された俳優さんたちも優れた方ばかり。そんな中で、僕自身はどういう色づけが出来るのかということをいろいろと考えていました。僕が演じたのは成長したアキラで、乱暴だけど愛情あふれるヤス(市川安男/堤真一)のような親父のもとで育ったらどういう子どもになるんだろう、どういうアキラがいたら面白いのかなとか。

高校生になったアキラ
大学進学で父親・ヤス(堤真一)とぶつかる

 ずっと父子で暮らしてきた2人ですが、あの作品の中には母親の記憶が常に漂っていたような気がします。だからこそ、子離れできない親父と父親思いの息子という男2人の物語でありながら、みんなで母親の役割も担い合うようなところがあった。原作からもそんな空気を感じ取っていたので、その部分を意識的に強調して演じたりもしましたね。

東京の大学への進学を決める
東京へ向かう電車の車窓にヤスの姿を見つける
「おとうさーん!」

 ヤスを演じられた堤真一さんが“昭和”を代表するような親父像でしたから、僕が一緒になって“昭和”的な人物を演じるのではなく、世代が異なる形を変えた不器用さを出すことも意識しました。この国の人情は形を変えて受け継がれてゆくものなんだということをこの物語で伝えたいなと考えていたように思います。

母親が亡くなった真相を知る
ヤス「わしはお前らの故郷じゃ」と東京で一緒に住むことを拒む

シリーズ横溝正史短編集
金田一耕助登場!(2016)
金田一耕助踊る!(2020)

金田一耕助役

シリーズ横溝正史短編集 金田一耕助登場! 金田一耕助踊る!

インタビュー

 横溝正史の作品を映像化するシリーズで金田一耕助を演じるというお話をいただいた時、僕は26歳だったんです。誰もがあるイメージを持っている金田一を、その年齢で演じていいのかという思いもありました。でも「大人の昔話を作りたい」という口説き文句にグッときて(笑)。とにかく監督をはじめ制作チームは気鋭のクリエイターばかり。ものすごく発想が自由だし、新しいものを作り出そうという意欲がすごかったんです。古きものの良さを新しい解釈をのせて今、伝えたいことを語るというそのやり方が非常に好みだったので、参加できて嬉しかったです。

 金田一耕助は架空の人物ではあるけれど、戦争から復員し、戦後の日本で探偵業を立ち上げて次々と事件を解決したある意味のヒーローですよね。金田一という親しみのあるキャラクターを糸口に、戦後の日本が見えてくるのではないかとさえ思っています。単に懐かしいヒーローとしてだけでなく、語り継がれていくべき人物として面白いのではないかというふうにも思いました。

 ただ、まさか第2弾もあるとは(笑)。もちろんそんなこと聞いていませんでした。4年ぶりの第2弾はさらにパワーアップして手応えもありましたし、これまでの初映像化作品だけでなく、「犬神家の一族」まで30分の短編でやりましたからね。大メジャー作品だけに誰かに怒られないかと思いましたよ(笑)。

「犬神家の一族」より

 チームの内では「いっそ全作品やってしまおう」みたいな気持ちで、どんどんやりたいことが膨らんでいます。まだまだ映像化されていない作品も膨大にありますし、これはシリーズ3,4と続きそうですね。こういう語り方が受け入れていただけるのであれば、とても面白い企画だと思うので、僕も楽しみにしています。

もじゃもじゃ頭をかき回して「んー、なるほどなるほど」

東日本大震災10年 特集ドラマ
あなたのそばで明日が笑う(2021)

葉山瑛希役

東日本大震災10年 特集ドラマ あなたのそばで明日が笑う

インタビュー

 この作品のお話をいただいた時、正直、ドキッとするものがありました。個人的な思いではありますが東日本大震災当時、福岡から上京してまだそれほど時間が経っていなかった僕にとって、あまりに衝撃が大きかったんです。当時は大学に通いながら、仕事に邁進していた時期で、さあ、これからという時でしたから、たとえばすぐにボランティアに行くなど、被災地に目を向ける余裕が持てなかった。どうすれば良いのかわからないまま、止まることない日々の生活に追われていきました。震災に関わるドラマ出演のお話もタイミングを逃すなど、心の中に何かしこりのようにあの時感じたことが残っていました。あれから10年、この国で俳優という職業をしているからにはここで向き合わなくてはと思い、ようやくこれまでの引っかかりや後悔のようなものから一歩進むことが出来ました。

 ドラマでは、津波で行方不明になった夫を待ち続けている蒼(綾瀬はるか)という女性と、震災を知らない移住者である瑛希が少しずつ心を通わせていく様子がていねいに描かれています。蒼と瑛希の物語のようでいて、そこにはいつも蒼の夫・高臣(高良健吾)の影がつきまとう。蒼にとっては痛みを伴うことだけれど、その痛みも蒼の一部。それを踏まえたうえで、僕がそこを引き受けてもいいですかという役なんですよね。当事者と非当事者の超えられない距離感が一つのポイントとなっています。

 10年経ったから区切りをという考え方に複雑な思いを抱く蒼に「区切りなんかつけなくてもいいんじゃないですか」という瑛希の台詞は、このドラマの一つ大切な言葉だと思います。一人一人に物語があり、それは時間や周年という区切りでくくれるものではない。それでもよそから石巻に来た人間が、蒼に少しでも笑ってもらいたいと向き合って行く。綾瀬さんはまさに石巻そのものを背負って笑う……そんな構図にもなっているドラマです。

 震災に限らず他者の悲しみを当事者ではない人間が完璧に背負うことはたぶん無理だと思うんです。それでも僕はお芝居で役を身にまとい、何とかこの人の苦しみ、思いをと追体験することになる。そこで何ができるのか、これは永遠の問いですが、やはりコロナや社会で起こるあらゆる分断、人と人との距離が離れた中でやるべきことは、それでも寄り添おうとする意志なのではないか。そんなふうに感じています。

その他の出演番組を見る ※類似の氏名が検索される場合があります。
一覧から探す

敬称略

」の検索結果(0件)

お探しの検索条件では見つかりませんでした。
人物名を入れてください。