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椎名桔平 椎名桔平

椎名桔平俳優しいなきっぺい

土曜ドラマ『破裂』

土曜ドラマ『破裂』

 椎名桔平さん演じる香村鷹一郎は「医者は3人殺して、一人前になる」と言い放つ冷徹なエリート心臓外科医だ。年老いた心筋を若返らせる画期的な治療法を開発して注目を集めるが、彼のもとに怪しげな官僚・佐久間(滝藤賢一)が接近。さらに過去に香村母子を捨てた国民的俳優・倉木蓮太郎(仲代達矢)も登場して、国家的陰謀や愛憎が渦を巻く。「禁断の医療ドラマであると同時に、禁断の人間ドラマでもあるんです」と話す椎名さん。この作品の話を受けてクランクインまで7か月近い準備期間は「原作、ドラマのプロット、段階ごとにいただく準備稿を通して香村という人物のことを考えていました。」と言う。具体的には「原作の久坂部羊先生のエッセイも2冊ほど拝読。お医者さんの観点、考え方を勉強したり、香村が毎日走ると書いてあったので7か月よく走っていました」。また、心臓手術の第一人者であり医療監修をつとめる順天堂大学・天野篤教授の心臓バイパス手術を見学する機会も得た。「オペ室で医師がどういう居方をするのか、空気感など実際に見ると見ないでは違うのではないかと思ったんです」。手術を見学できたことでオペシーンでは自信を持ってその場にいることができたという。

 優秀なエリート医師・香村。斬新な治療法を実用化する夢を持ち、長年、研究に取り組んできた。「一つのことに突き進む真摯な姿勢は、いろいろな分野の人たちに通じるキャラクターでもあるので、共感性を持たせたいと思いながら演じています」と話す。しかし「ストイックに研究を続けてきたせいか、ある時は人に悪態をつき、また夢の実現を願うあまり陰謀に取り込まれていく弱さもある」。さらに再会した父親と葛藤しながら向き合う姿や、ハンディキャップのある息子にきつい言葉を投げかけるなど、ある残酷さも感じさせる。「それも香村という人間で、そこが演じる側としては興味深いところです」と椎名さん。同じセリフでも「違う言い方をすれば、ドラマを見ている人に少しはよく思われるかな」と考えたこともあるそうだが、「その色気は捨てて演じました(笑)」。香村の人間くささ、緊張をはらんだやりとりが、まさに“善悪”や“正義か悪か”といった対比では語れないこのドラマのテーマをよりリアルに表現しているといえそうだ。

 そんな香村の前に現れた天才官僚・佐久間、そして国民的俳優・倉木。この作品は3人の強烈な個性が真正面からぶつかり合う姿が魅力だ。父・倉木を演じる仲代達矢さんとは激しい愛憎をほとばしらせるシーンが多いが、まるで「大きな壁」のような存在感を示す仲代さんに「どうやって対峙しようかと考え込む所在なげな自分が、ところどころにいました」と語る椎名さん。「この年齢になって、そんなことを感じさせていただけた俳優さんとご一緒できたことが非常に大きな喜びでした」。
 一方の佐久間とのやりとりは「インテリジェンスを携えた頭脳戦」だ。「役でいえば、お互いに楽しいシーンは一つもない」にも関わらず「若い滝藤さんとのお芝居は非常に楽しかった」と言う。それは、滝藤さん自ら「佐久間は悪魔です」と評した人物そのままに「このヤローと思わせてくれる憎たらしい芝居をどんどんしてくる」からだ。「香村としても、どうやって負けないでいこうかということを、シーンシーンで考えながら知恵を振り絞る。気が抜けないけれど、それが見つかった時の喜びは大きいですね」。現場では、いつも新しい発見があり、「役者としてやりがいのある、充実した撮影期間でした」と語ってくれた。

連続テレビ小説『春よ、来い』

連続テレビ小説『春よ、来い』

 脚本家・橋田壽賀子さんの自伝的ドラマ『春よ、来い』。椎名さんは、ヒロイン高倉春希(安田成美)の結婚相手にと父親が決めた百瀬竜太を演じた。さわやかな好青年の印象だったが、実は当時は「映画などで、やくざの世界や同性愛者といったかなり極端な役どころをやらせていただいていたころ(笑)。さわやかな朝ドラに出させていただけるということに驚きました」とのこと。「もう少し若いころ、朝ドラのヒロインの相手役オーディションに応募していたこともあったのですが、ご縁がありませんでした」。そこで映画の世界に身を投じたが、朝ドラとは真逆の世界観。自分で「目つきが悪いとか、ぎらぎらしている」と思っていたそうで、「どうやってそれを消そうかと考えていた」とか。それが椎名さんの杞憂だったことは、誰より『春よ、来い』を見ていた人たちにはわかるはずだ。

「テレビドラマにきちんと出るのも初めて。橋田壽賀子先生の長いセリフをいただいて、どうやって覚えるんだろう。覚えてからも今度はどう演じたらいいんだろうとか。経験不足の当時の自分には非常に悩ましかったですね」と振り返る。「20年近く前、まだ新人という感じのころの話なので恥ずかしいですね」と笑顔を見せながらも、「ここからですね。そういう意味では」と、俳優としてのキャリアがスタートしたころを懐かしそうに語ってくれた。

土曜ドラマ『カンパニー〜会社〜』

土曜ドラマ『カンパニー〜会社〜』

 『春よ、来い』の2年後、椎名桔平さんは『カンパニー〜会社〜』で主人公・伊達正彦を演じた。「カーナビゲーションの開発に取り組む電機会社の二代目でした」というように、父の突然の死で会社の後を継ぐことになった若者が、仲間と力を合わせて奮闘する姿を描いた“青春経済ドラマ”だ。

 「全3話でしたが、テレビドラマで主人公をやらせていただくのが初めてだったこともあり、出ずっぱりでリハーサルをやりながら最初から最後まで撮影するということを経験させていただきました」

 経営について何も知らない正彦が、大学の先輩や公認会計士の仲間に協力を依頼。カーナビ開発のベンチャー企業で株式公開を目指すのだが、その大学の先輩でシンクタンクの研究員・関田昭を演じたのが生瀬勝久さんだ。「生瀬さんも関西の劇団で活動されていたころ。東京でテレビドラマに出演されるのは初めてだったのではないかと記憶しています。その後、何回か生瀬さんとご一緒していますが、お会いするたびに、あのころはお互いにまだどこか初々しかったね(笑)、なんて話しては懐かしがっています」。

 大物俳優・萬屋錦之助さんとの共演も思い出に残る。「正彦に経営のことをいろいろ指南してくださるという役柄でご出演されたのですが、非常に緊張したことを覚えています」。そして、もう一人の仲間である公認会計士を演じた森口瑤子さんを加えた恋の駆け引きなども楽しかったとか。「父の事業を継承して、カーナビゲーションを開発していくんだと一生懸命に取り組んでいく。一本筋の通った青年の役でした」。

土曜ドラマ『トップセールス』

土曜ドラマ『トップセールス』

 大企業の女性社員から自動車販売会社に転職。さまざまな困難を乗り越えてトップセールスへと駆け上り、外車セールスに転じて社長にまで登り詰めた女性の一代記『トップセールス』。椎名桔平さんは、主人公・槙野久子(夏川結衣)の幼なじみ・柴田隆男役で出演した。

 「70年代という少し前の時代の物語だったので、懐かしい世界観のドラマでしたね。僕の父親が車が好きで新車を買ったときの喜んでいた顔や、自慢気に幼い僕を乗せてくれた記憶などがよみがえりました」。

 そんな中、撮影中、常に意識していた人物がいる。久子がつとめる自動車販売会社の営業所長・岡野英二を演じた蟹江敬三さんだ。「セールスに独自の信念を持つ男の役でしたが、やはり蟹江さんのお芝居が気になり、自分が対峙していないときはよく見させていただいていました。蟹江さんにしか出来ない“間”だったり、雰囲気だったり、本当に味のあるお芝居をされていました」という。今は世を去ってしまった大先輩の名優・蟹江敬三さんの芝居は今も強く印象に残っている。

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