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中村七之助 中村七之助

中村七之助歌舞伎役者・俳優なかむらしちのすけ

1983年生まれ、東京都出身。1987年1月、歌舞伎座『歌舞伎二人桃太郎』の弟の桃太郎で二代目中村七之助を名乗り初舞台。歌舞伎に限らずさまざまな分野で活躍、映画『ラストサムライ』『真夜中の弥次さん喜多さん』、舞台『ETERNAL CHIKAMATSU』、ドラマ『豊臣秀吉 天下を獲る!』『河井継之助~駆け抜けた蒼龍~』など。NHKでは、大河ドラマ『元禄繚乱』『いだてん』など。『令和元年版 怪談牡丹燈籠Beauty&Fear』では、お露と恋に落ちる萩原新三郎を端正に演じる。

大河ドラマ 元禄繚乱(1999)

大石主税良金役

大河ドラマ 元禄繚乱

インタビュー

 『元禄繚乱』は、父(十八代目中村勘三郎/当時勘九郎)が主人公の大石内蔵助を演じた大河ドラマで、当時16歳だった僕が大石主税良金役でした。父と親子役で出演できたので思い出に残っているのですが、何しろテレビでの演技が初めてでしたから歩くことすら難しい(笑)。父の指導がとにかく厳しくて、毎週月曜日に行われていたリハーサルでは「下手くそ~!」と怒鳴り散らされてばかり。大石りく役の大竹しのぶさんに「大丈夫だよ」と慰めていただきながら、必死に取り組んだ作品でした。

主税は赤穂藩筆頭家老・大石内蔵助(十八代目中村勘三郎)の嫡男
父の内蔵助に自分も討ち入りに加えてほしいと訴えるが…
母のりく(大竹しのぶ)は猛反対する

 最初、内蔵助は主税を討ち入りの同志に加えてくれないので、再三にわたって懇願していたのですが、ある時、父に対峙して自らの思いを滔々と訴えるシーンがありました。それがすごい長台詞で今見るとよく覚えられたなと思ってしまうほど(笑)。父も気合の入っていたシーンですから、「本番!」の声にその度量で迎えてくれるわけじゃないですか。しっかりやらないと怒られてしまいますから本当に真剣でした。ところが、その最中、スタッフさんから「見切れてます」の声がかかり、カットになってしまったんです。カメラに映ってはいけない人や物が映りこんでしまっていたんですね。口には出しませんでしたが、心の中では思わず「何だよ」って。父もすごい形相でしたね。ところが、そのいてはいけない場所にいて見切れてしまった人物の名前をスタッフさんが呼んだ瞬間、父も僕も「○○かよ」って(笑)。緊張の糸が切れて大爆笑になりました。なんと、父の付き人さんだったんです。

 そんなことも今思えば良い思い出ですね。討ち入りに向けて全員が結集してやってきた1年間、撮影には時間がかかりましたが、最後はみんなのテンションも最高潮の状態で終わることができました。

吉良邸へ討ち入り 四十七士の中では最年少だった

にっぽんの芸能 七之助歌舞伎の里に舞う(2019)

にっぽんの芸能 七之助歌舞伎の里に舞う

インタビュー

 120年の歴史がある「かしも明治座」(岐阜県)で行った舞踊公演で、わざわざ取材に来ていただきました。こうした歴史ある劇場形式の芝居小屋では、そこでしか感じられないことがたくさんあります。この時も、まさに『藤娘』という演目で、びっくりするようなことが起きました。舞台は最初に暗転からパッと明るくなるという演出だったのですが、明るくなった瞬間コウモリが小屋の中をばたばたと飛び回ったんです(笑)。思わず「うわーっ」となりましたが、これはなかなか経験できることではないですよね。逆にいつもの劇場では得られない演出になったと思いました。

司会の吉田真アナ、石田ひかりが岐阜の芝居小屋を訪ねた
「かしも明治座」は明治27年に建てられた芝居小屋
公演中に外の虫の音も聞こえるという…

 昔は自然光とろうそくの中で芝居が行われていたわけで、それがどんな感じだったのか。それを想像させてくれる歴史ある芝居小屋が岐阜には特に多いんです。父は「汗だったり涙だったり、そういう生きた芝居をやりたい」と、よく言っていました。小屋が忘れられたままでは寂しいし、「死んじゃうよ」とも。お客様が入り、僕らがお芝居をすることで、みなさんと時間や空間、その土地土地の良いところを共有できる。そこで初めて小屋も建てられた意味があるわけですよね。

 歌舞伎だけでなく落語や音楽、映画を上映してもいいじゃないですか。そういうことをこれからも芝居小屋でやっていけたらなと思っています。まぁ、僕が芝居をしたいだけなんですけどね(笑)。

「かしも明治座」の名誉館長を務める

チコちゃんに叱られる!(2018~)

ゲスト

チコちゃんに叱られる!

インタビュー

 『チコちゃんに~』は回答者として出演させていただいたのですが、とても楽しかったです。さすが人気がある番組だと思いました。似たような雑学バラエティー番組はたくさんありますが、チコちゃんというユニークなキャラクターゆえか、特に面白い。収録の時は楽しすぎて純粋に「あぁ、もう終わっちゃうの?」と感じたほどです(笑)。

“永遠の5さい”チコちゃんが大人に素朴な疑問をぶつける!
「学校に校歌があるのはなぜ?」

 出演するゲストも番宣だけで参加しているという感じではないですね。いつのまにかチコちゃんに振り回されて考えさせられているという(笑)。チコちゃんの声を担当しているキム兄こと木村祐一さん、岡村隆史さんの番組を仕切る腕前のたしかさ、さらに制作スタッフの能力がバチッと合っている。やはり人気のある番組は全員が同じ方向を向いているから、バラエティー素人の僕のような人間でも心の底から面白いと思えるんですね。彼らの意志がすごく伝わってくる番組だと感じることができました。

 僕への出題は「学校に校歌があるのはなぜ?」というものでした。フランス革命が校歌を生んだという答えは今でもちゃんと覚えていますよ。

大河ドラマ いだてん(2019)

三遊亭圓生役

大河ドラマ いだてん

インタビュー

 兄の中村勘九郎が主人公・金栗四三を演じている大河ドラマですし、宮藤官九郎さんの作品ですから出演のお話は嬉しかったのですが、まさか落語家の役とは思いませんでした。それも昭和の名人・三遊亭圓生を演じることになるとは……。

 この役をやらせていただいたことで、落語家というのは大変な職業だと痛感しました。歌舞伎では女形を演じることが多いのですが、白塗りをしたり、かつらをつけたり、さらに衣装を着て舞台に立ちます。相手役もいますし、照明や音響もある中でのお芝居です。

 ところが圓生を演じた時は、舞台袖から座布団が置かれた場所まで真っ直ぐに向かい、座った瞬間、見渡す限りお客様の顔、顔、顔。何も特別な衣装を身につけているわけでもなく、湯飲みが置かれ、手に持っているのはお扇子だけ。そこで「はい、面白い噺をしてください」って……。本当の落語家だったら面白くなかったら絶対に笑ってもらえないわけで、こんな酷なことはないですよね。好きでなければできない、嫌いだったら絶対に辞めますね。落語指導をしてくださった古今亭菊之丞先生に初めての高座はどうでしたかと聞いたら、「忘れた」って。すべてがポンッと飛んでしまうくらいのプレッシャーがかかる世界だと思いました。

 そんな中で圓生として3席もやらせていただきました。覚えるのは楽しかったけれど想像以上にすごい世界に圧倒されました。見るに堪えないのでごまかしごまかしでしたが(笑)、また落語家のお話をいただいたら断らないと思います。だって面白いですもん。

落語『紺屋高尾』 高尾太夫の艶っぽさに志ん生もうなる

 僕の出演シーンは、ほとんど古今亭志ん生役の森山未來くんと、小松勝役の仲野太賀くんが一緒でした。未来くんは、舞台を見るたびに「天才がいる!」と思っているので絶大な信頼がありますし、太賀くんがまた大変にいい役者なんですよ、人柄も良いし。監督がこの3人で何か作りたいとまで言ってくださったほど、僕ら3人の相性がすごく良かったことも嬉しかったですね。

 少し残念だったのは、劇中で兄と共演するシーンがなかったことです。でも僕がクランクインした時に現場で会うことができて、「ちゃんとやれよ!」と、言ってくれました(笑)。兄も素晴らしい作品に出演できたことを喜んでいると思います。

志ん生(森山未來)とは慰問先の満州で生死をともにすることに…

プレミアムドラマ 令和元年版
怪談牡丹燈籠 Beauty&Fear(2019)

萩原新三郎役

プレミアムドラマ 令和元年版 怪談牡丹燈籠 Beauty&Fear

インタビュー

 『牡丹燈籠』といえば、僕は歌舞伎でお峰、お露、新三郎の三役を演じていますし、なじみのある作品ですが、果たしてドラマでどんなふうに描かれるのかということが純粋に楽しみでした。脚本を拝見したら、仇討ちや人間の業、因果関係など歌舞伎よりさらにいろいろな要素がぎっしりと詰められていて、とても面白いと思いましたね。

 僕自身、これまでテレビのお仕事はほとんどお断りしていたのですが、この作品はお世話になったプロデューサーからのお話だったこと、そして脚本が面白かったことが決め手となって出演させいただくことにしたんです。テレビでこれだけしっかりとお芝居するのは16,17歳以来のことで、本当に不慣れなので少しとまどう部分もありました。

 そんな素人同然の僕が新三郎の役を演じきることができたのは、お露役の上白石萌音さんという共演者に恵まれたからで、僕の力ではないんです。彼女は素晴らしい女優さん! その一言に尽きます。本当に純粋な方で、彼女の目を見ればおのずと新三郎になれました。彼女がちゃんと新三郎を見ていてくれたことが、とてもありがたかったです。

浪人の新三郎と旗本の娘・お露(上白石萌音)は一目で恋に落ちる
だが身分違いの恋は許されず、お露は新三郎に思い焦がれて…

 特に印象に残っているのは、お露が“焦がれ死に”したシーンでした。僕は船の上、彼女は岸辺のセットにいてこちら側からカメラが撮っていたのですが、それがすごい芝居だったんです。舞台なら多少オーバーに演じることができますが、映像は難しいですよね。オーバーでも、さらっとし過ぎても、伝わりにくい。ところが、彼女が新三郎を思って焦がれ死んでいくのを目の前でリアルに見た時には、もう滂沱の涙でした。カットがかかった瞬間、その場にいた全員が唸りましたからね。令和史上最高の“焦がれ死に”だと思いました。

新三郎にはお露の死が信じられない
ある晩、美しい牡丹燈籠を携えた女がふたり訪ねてきて…

 ドラマが講談から入るという作りも面白いですね。歌舞伎も落語家の噺から入るので、講談をされた神田松之丞さんのシーンも楽しみにしています。一番の見どころとして感じていただきたい部分は、人間の業や因縁が全部バラバラに見えていても、一つに繋がっているところです。人間の本質的なところ、それが怪談なんだろうなという深い部分を見ていただきたいです。もちろんお化けの特殊メイクや立ち回りのシーンも素晴らしいものになっていると思うので、そんなところも楽しんでいただけるのではないでしょうか。

語り部を務めるは新進気鋭の講談師・神田松之丞

正月時代劇
ライジング若冲 天才かく覚醒せり(2021)

伊藤若冲役

正月時代劇ライジング若冲 天才かく覚醒せり

インタビュー

 江戸時代の天才絵師・伊藤若冲役で、ドラマに初主演させていただきました。ダブル主演となった大典顕常役の永山瑛太さんのおかげで、役者人生で宝物のような作品になりました。僕はテレビのお仕事をさせていただく機会が少ないのですが、映画が大好きなので、いつも瑛太さんのことを「いい役者さんだな」と思って作品を拝見していたんです。ですから、初めてお会いしたときは「あっ!瑛太だ」(笑)とスターに会ったような感覚で嬉しくなりました。

 瑛太さんが演じた大典は、若冲の最高の理解者で名プロデューサーでもあった僧侶。一方の若冲は、京・錦市場の青物問屋の若旦那で、当初は絵の道を選ぶことに悩み、塞ぎ込んでいました。そんな若冲に一筋の光を与えてくれたのが大典。それだけに2人の出会いのシーンは重要でした。

 瑛太さんと初めてお芝居をしたのはクランクインから2日目。まさに2人の出会いの場面でした。大典さんが振り返りニコッと笑うシーンで、若冲がその姿に衝撃を受け一目惚れをする瞬間でしたが、大典さんの目を見た瞬間に「これはありがたい」と思いました。言葉では表しにくいのですが、役者としてビビッと来たというか。役者としても、役柄としても引っ張っていただけるなと感じました。

 私は歌舞伎で女方をしているので、立役さんに引っ張ってもらって伸びるスキルを持っているんです。ですから、相手役の方が心から芝居をしてくださらないと、共倒れする危険性がある。でも、瑛太さんが演じる大典さんのお顔を見て、セリフを聞いた瞬間に「これは任せておけば大丈夫だ」と思いました。その直感は当たっていて、本当に身を任せながら約1か月、若冲役を務めさせていただくことができました。

 2人の愛と絆が生んだ若冲の最高傑作「動植綵絵(どうしょくさいえ)」30幅と、「釈迦三尊像」3幅がずらっと相国寺さんに並ぶシーンは圧巻でした。お芝居用に精巧に再現されたレプリカではあるのですが、その出来映えが素晴らしく、本物の美しさに負けない映像になっていると思います。

 このシーンでは、若冲の衣装にもご注目いただけるといいですね。衣装合わせの際はもう少し暗めの着物が用意されていたのですが、本番の2日前に衣装を変えたいとお話がありました。それで用意されていたのがまっ白の着物。大典さんは黒い法衣でしたので、その絶妙なバランスがまるで結婚式のようで…。若冲が絵を通して自分の思いを伝えるシーンだっただけに、衣装さんの判断はさすがだなと思いました。しかも若冲は、この「動植綵絵」をさかいに絵の世界から一旦身をひこうと考えていました。そう思えば、このシーンは結婚式のようにも、絵師としての死に装束をまとっているようにも見えてきます。

 ドラマでは大典が若冲の絵を見て「変なものが見える」と言っていましたが、私自身、カラフルで美しい色彩のなかに何かうごめくものが描かれている点が若冲の魅力ではないかと思っています。適切な表現ではないかもしれませんが、どこか怖さもあるような…。演じていて、生きものの表面だけではなく、内面を描いた方なのではないかと思いました。大典さんもそこに引き込まれたのでしょう。何物にも代えがたい絆で結ばれている2人の関係は、同志のようにも、見方によってはボーイズラブととらえても面白いかもしれません。その辺は瑛太さんが視聴者の皆さんにどう見えるかを緻密に計算してくださっていたので、私もそれに応えるように演じさせていただきました。

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