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平泉成 平泉成

平泉成俳優ひらいずみせい

1944年生まれ。愛知県出身。1964年、大映京都第4期フレッシュフェイスに選ばれる。1966年、映画『酔いどれ博士』でデビュー。1971年、テレビへと活動の場を移し、味わいのある声色と人間味あふれる演技で幅広い役柄を演じる。NHKへも1975年の大河ドラマ『元禄太平記』以降、多数出演。近年では『サラリーマンNEO』、『陽炎の辻~居眠り磐音 江戸双紙~』シリーズ、連続テレビ小説『あまちゃん』、土曜ドラマ『限界集落株式会社』などのほか、ナレーションやラジオドラマでも活躍している。

連続テレビ小説 あまちゃん(2013)

足立功役

連続テレビ小説 あまちゃん

インタビュー

 僕が演じたのはユイ(橋本愛)とヒロシ(小池徹平)の父で、岩手県議会議員を務めていた地元の名士。足立家はこの北三陸の町では、ちょっとセレブな一家だったかもしれない。奥さん(八木亜希子)は元アナウンサーだったり、夕食もちょっとハイカラだったりね。このドラマでは、宮藤官九郎さんの脚本のすばらしさに圧倒されました。そこに俳優さんが主人公のアキを演じた能年玲奈ちゃん(現・のん)をはじめ新進気鋭の方からベテラン勢はもちろん、小劇場などで腕を鍛えた個性的な方もたくさん絡んで、本当に見事な世界観を生み出していた。でも、それは本当にすてきな脚本の下で、スタッフも俳優も互いに触発され、いいものを作り上げようとする空気がどんどん生まれていったからだと思います。例えば、足立功の選挙ポスターひとつにしても、スタッフが「こっちの写真がいい」「いやこっちだ」と、真剣に妥協せず作っている。ちらっと映る小道具ひとつでも、そうして吟味していたのを覚えています。それは脚本という“設計図”の力であり、それに導かれた人たちがそれぞれ触発されて生み出していったパワーなんです。

春子(小泉今日子)、大吉(杉本哲太)は高校の教え子

 放送されている間は、もはや社会現象のようでしたね。ロケ地も大変にぎわったとか。たぶんご覧になった皆さんにとっては、岩手に行けば本当にこういう人たちがいるんじゃないか、と思えたからではないのでしょうか。それぐらい感情移入して見ていただけたんですね。そして何より、あの東日本大震災で傷ついた東北地方に、少しでも元気を届けられたことがうれしく思えた作品でした。

震災後“潮騒のメモリーズ”の応援も受け、北三陸市長に当選

プレミアムドラマ 終の棲家(2014)

平林彰役

プレミアムドラマ 終の棲家

インタビュー

 介護老人連続死――とてもつらく悲しい、日本の高齢社会の現実をモチーフに書かれたフィクションです。世界有数の経済大国で、2020年にはオリンピックも開催される。日本という国はある意味、とても魅力的で豊かな国だと思います。その陰にひそむ日本の大きな問題に、僕自身この役を演じながらとても胸が痛みました。

医師の平林は訪問診療を通して介護老人たちに寄り添う

 平林のセリフで「一生懸命働いてきて、目指してきたのはこういう国だったのかね」というものがあります。まったくその通りだと。でも戦後直後のように、着の身着のままで家のない人がいたり、飢えで苦しんでいる人が街中にあふれたりしているわけではないんです。それでも“世の中を変えてほしい”と、平林が主人公の麻倉智子(桐谷美玲)に言った言葉は、日本の未来を信じたい、若い世代を信じたいという心の底からの思いだったと思います。智子が「私にできるでしょうか」と言った後、僕は珍しく監督に相談して平林のセリフを一言だけ足させてもらったんです。「信じようよ」と。未来を信じて、前を向いて歩いていくしかないんじゃないかな、と思ったから。例え、努力が報われなかったとしてもね。信じて、頑張らなくちゃ! もちろんまだまだ、僕たちの世代も日本の明るい将来のためにやれることがあるはずだからね。

相次ぐ老人たちの死。平林は何を知っているのか…

土曜ドラマ 限界集落株式会社(2015)

萩野定晴役

土曜ドラマ 限界集落株式会社

インタビュー

 限界集落というのは、東京一極集中に対して、日本の地方の難しい現状ですね。また、そうした小さな町や村が、大きな自然災害のあおりを受けることも、たびたびニュースで見聞きしています。それだけに、『終の棲家』同様、とても胸に迫るテーマでした。働き手がいない村で、残された人々がどんな思いで日々を暮らしているのか。脚本を読みながら、僕も何かできないものか、と思えたほどです。それだけに止村(とまりむら)のベテラン農家・定晴役を演じるのは、自分としては都会のサラリーマンより何よりしっくりくる役どころでやりがいがありました。衣装もすっと馴染むようでね。

定晴は人口50人の村のベテラン農家
息子の鉄平(加藤虎ノ介)は有機農法に取り組むが…

 僕は愛知県の出身で、幼いころはよく畑仕事なんかを手伝ったものです。少しでも農夫らしい顔に見えるようにと、日焼けした感じを出すために、帽子で隠れるところだけはドーランを塗らずに白く残したりね。農家の方は帽子をかぶって畑仕事をするから、おでこだけ日焼してない方が多いんです。そうした小さなリアリズムを積み重ねながら演じた役でした。スタッフたちも、何か月も前から畑の作物を準備するなど大変だったみたいです。ぜひこの作品も、パート2があったらいいなと思います。止村がその後どうなったかなと、僕自身気になっているんです(笑)。もちろん地域の再生や復興は簡単ではないのだろうけど、やっぱり前を向いていたいよね。

村の作物に食品偽装の疑いがかけられる
息子の鉄平の過失を詫びる定晴

プレミアムドラマ 嫌な女(2016)

大久保隆治役

プレミアムドラマ 嫌な女

インタビュー

 会社社長まで務めながら、妻を亡くした寂しさを埋めるように悪い女性に引っかかってしまう。熟年男性のなんともいえない哀感の漂う役どころでした。出番は多くはなかったのですが、長いワンシーンがあって、どうすればそこに気持ちを落とし込めるか、短期間のうちにセリフにどう感情移入できるかが課題だったように思います。1話だけのゲストは、登場シーンも少なくて楽なように思われるかもしれませんが、逆に難しいものなんです。皆さんの作り上げている世界にちょっとお邪魔して、作品を壊さないようにどの辺のトーンで演じればいいのかな、というのを探り探り考えて演じなければいけないですから。

婚活サークルで純子(石野眞子)と親しくなるが…

 それにしても、この作品では女性たちのしたたかな本音が見えたりして、おもしろかったですね。僕は本当に普段から、いろいろな役をやらせていただいているなと改めて思います。これからも俳優として、ひとつのものの見方・価値観にとらわれることなく、いろいろなメジャーを持って社会を見つめる力を養っていたいと思います。

弁護士の徹子(黒木瞳)は婚活サークルの調査に乗り出す

プレミアムドラマ クロスロード
~声なきに聞き形なきに見よ~(2017)

木戸昭吾役

プレミアムドラマ クロスロード~声なきに聞き形なきに見よ~

インタビュー

 2016年に放送されたドラマの続編ですが、まさかパート2があると思ってもみなかったのでお声がけいただいたときは「ぜひ!」と。最近は、こうした重厚な謎解きと人間模様が描かれる大人のドラマが少なくなってきているので、続編の制作はとてもうれしく思いました。僕の演じる昭吾は、主人公・尾関辰郎(舘ひろし)の義理の父。つまり尾関の死んだ女房(古村比呂)の親父です。尾関は昭吾のところを訪ねてきては、一緒に飯を食ったりコーヒーを飲んだりね。ご覧になる方にとっては、緊張感と重厚さのあるストーリーの中では、唯一ほっとできる場面かもしれません。死んだ女房への思いなど、尾関の人柄などが垣間見えますしね。それから、交番一筋で仕事一筋だった昭吾と捜査一課のエリート刑事から所轄を転々とするようになった尾関とは、立場こそ全く違うけれども、互いに“警察”という仕事に身を捧げたもの同士、分かり合えるものがあるのだと思うんです。多くを語らなくてもね。

尾関(舘ひろし)にとって義父の昭吾は良き相談相手

 ドラマの中での登場シーンは多くはないし、ほとんどが舘さんとの場面です。舘さんとは旧知の仲ではありますが、ドラマ全体のトーンや物語のバランスを考えてなるべくシンプルに、かつやりすぎないようにと心掛けて演じています。でも、なかなか難しくてね(笑)。この年になっても日々鍛錬です。これからも監督の求める人物像に、できるだけ近づける演技ができるよう努力していければと思っています。

『クロスロード』(2016)の1シーン
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