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村田雄浩 村田雄浩

村田雄浩俳優むらたたけひろ

1960年生まれ、東京都出身。79年、『思えば遠くへ来たもんだ』で映画デビュー。『ミンボーの女』『おこげ』により、日本アカデミー賞、報知映画賞など数々の映画賞を受賞。映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。NHKでは、連続テレビ小説『走らんか』『ちゅらさん』、大河ドラマ『徳川家康』『独眼竜政宗』『翔ぶが如く』『軍師官兵衛』、『ハルとナツ 届かなかった手紙』などに出演。土曜ドラマ『不惑のスクラム』では、中年ラグビーチームの鬼キャプテン・金田順三役で出演。

大河ドラマ 徳川家康(1983)

岩松八弥役

大河ドラマ 徳川家康

インタビュー

 初めて大河ドラマに出演させていただいた作品で、家康の父で岡崎城主・松平広忠(近藤正臣)の近習の役でした。許嫁(いいなずけ)のお春(石田えり)を殿に取られてしまい、しだいに狂っていく様が鮮烈でしたし、近藤さんや石田えりさんとの芝居もすごく刺激的でした。役者として面白い役をいただけてありがたかったのですが、それと同時に肉体的には非常に辛かった日々でもありました(笑)。

 当時のかつらは、土台部分が金属で出来ていてものすごく締め付けられるものだったので、1日中、被っていると気持ちが悪くなってくるんです。だからといって自分の出番がない待ち時間に外してくださいとは言えない。一度、外すとまた生え際の部分などを細かく修正していただくことになり、手間をかけてしまうので申し訳なくて……。

お春(石田えり)は八弥を思いながら城主・広忠の側室となる

 さらに僕は戦に出て片目を矢で射られてしまうという役だったので、そこからは目元を傷メークで覆っての芝居でした。大河ドラマで、戦で名誉の負傷をした傷がある男という役に憧れていたので(笑)、ある意味、夢がかなったとも言えます。ところが実際に片方の目だけで相手の顔をずっと見て芝居をしていると不思議な感覚になる。距離感などもつかめなくてものすごく不安定な状態でした。さらに頭をかつらでぎゅうぎゅうに締め付けられていたので、1日の中で何度もトイレに駆け込んでは「うっ」となっていました(笑)。

 でも、やっぱり大河ドラマという全国区の舞台で、戦で負傷する武将の役というのは嬉しくて、だから頑張ることができた。そういう意味で今でも強く印象に残っているのがこの作品です。

松平家の行く末のため、八弥は広忠(近藤正臣)を刺し…

連続テレビ小説 澪つくし(1985)

小浜敬助役

連続テレビ小説 澪つくし

インタビュー

 このころは民放のドラマにも出演させていただいていましたが、やはりNHKの朝ドラは特別なものでした。僕の役は醤油醸造「入兆」の職人で、同じ職人役の先輩俳優さんたちと撮影が終わると毎日のように飲みに行き、演技論を戦わせたり、愚痴をこぼしたり、それは楽しい日々でした。テレビの先輩にそんなふうに誘っていただくこと自体が初めてだったんです。やっぱり半年間という撮影期間の長さに、自然に一つのチームができていくんですね。最近は、やや疎遠になっていますが、長いこと彼らとは連絡をとりあっていました。

かをる(沢口靖子)の見合いの場に現れた敬助は…
かをると将来を誓い合っている仲だと嘘をつく
それはかをるの姉・律子(桜田淳子)が妹のために仕組んだ芝居だった

 ヒロインのかをるを演じた沢口靖子さん、相手役の惣吉を演じた川野太郎さん。ふたりともほとんどこの作品が初めてに近い新人で実に初々しかったですね。彼らの人柄が本当に良くて、現場はすごく明るかった。主役が人を受け入れることがいかに大事なのか、そんな勉強にもなりました。

 僕が演じた敬助は、職人から軍人になり、後に「入兆」の本家の長女・律子と結婚するという役どころでした。律子を演じたのは桜田淳子さん。桜田さんとは、その後大河ドラマ『独眼竜政宗』でもご一緒するなど、縁がありました。

陸軍将校となった敬助は律子との結婚を願い出る
「入兆」当主・久兵衛(津川雅彦)は厳格な父親

大河ドラマ 炎立つ(1993)

安倍貞任役

大河ドラマ 炎立つ

インタビュー

 奥州藤原氏の時代を三部構成で描いた作品の第1部「北の埋み火」に、初代・経清(渡辺謙)と義理の兄弟になる安倍貞任役で出演しました。『炎立つ』全体の先頭を走る第1部だけあって力強さや勢いを感じさせる現場でした。独立国家への理想に燃える経清と勇猛な軍略家の貞任は、最初のうちはバトルを繰り広げますが、やがて奥州の地を守っていくために二人で手を組んでいきます。二人はどれほど激しくぶつかり合うのか、どんな殺陣(たて)にしたら効果的なのか。そんなことを渡辺謙さんや殺陣指導の林邦史朗先生とずいぶん話し合ったことを覚えています。

藤原経清(渡辺謙)
貞任は気性が激しく、軍略にたけた武将

 馬との出会いも大きかったですね。印象に残っているのは50頭近い馬を使った戦闘シーンです。貞任が一族を率いて源頼義軍と戦ったり、経清が朝廷に反旗を翻(ひるがえ)すことを決意した戦いなどで、馬と馬がぶつかり合うような迫力は圧巻でした。もちろん、そのために乗馬の練習もかなり頑張ってやりました。それまでも多少は乗ったことがあったのですが、この時に馬とのコミュニケーションがいかに大事かということを学びました。師匠と呼んでいた乗馬指導の日馬先生のところに通い、自分で乗る馬の世話をしたり管理をする。一生懸命に馬をみて、一緒に動くことで信頼が生まれていったんです。馬から教わることも多かったし、この時の経験は、その後の芝居への向き合い方や人に対する感覚なども含めて大きく変えてくれるきっかけになりました。とても、やりがいのある作品でした。

厨川の戦いで貞任は壮烈な戦死を遂げる

ドラマ愛の詩 六番目の小夜子(2000)

黒川先生役

ドラマ愛の詩 六番目の小夜子

インタビュー

 これは楽しかったですね。「サヨコ伝説」が伝わる中学校の教師という役どころでしたが、生徒を演じた子どもたちのパワーがすごかったんです。六番目のサヨコになろうとする玲を演じた鈴木杏ちゃん、謎の転校生・沙世子役の栗山千明ちゃんをはじめ、いま大人になって大活躍している顔ぶればかり。当時はまだ子ども子どもした感じでしたけどね。いまやカメレオン俳優と言われる山田孝之くんもセリフを覚えたり芝居を作るということが、まだあまりわかっていなかった時代。緊張してセリフが出ないこともあって、そんな時には「大丈夫だよ、最後までつきあうから」と彼に言ったりして、まさに僕自身が本当の先生のようになっていました(笑)。ただあのころから片りんはあったんですね。大丈夫かなと思わせていてもやはり芝居をカメラに映ると役の感情が見えてきてすごくいいんです。「いいな、こいつ」って思わせてくれました。

学校に伝わる“サヨコ伝説”とは何なのか…
関根秋(しゅう:山田孝之)

 千明ちゃんと杏ちゃんはお互いをリスペクトしているゆえに、ちゃんとライバル意識を持ってやっているところが素敵でした。二人とも、こちらが何か仕掛けるとちゃんと返してくれるところも良かったです。そういえば、杏ちゃんと廊下を歩いている時に何か物音がしてびっくりするというシーンを撮った時のことです。面白くしたいという気持ちがあって、最初に物音を聞いて僕が「わーっ」と驚いたら、それを受けて杏ちゃんも「わーっ」となる。それを続けてみないかと提案したんです。びっくりして「わーっ」、それにびっくりして「わーっ」を3、4回やるうちに、どんどん声が大きくなっていって、むちゃくちゃ楽しかった。そういうことができて、台本に書いてある以上のことをどんどん作っていくことができた。彼らからは大きな可能性を感じることができました。

 脇を固める大人たちのキャスティングも良かったですよ。ほんのちょっとした役で小日向文世さんが出演していたり、夢の遊民社のスターだった上杉祥三さんも顔を見せていました。

玲(鈴木杏)は謎めいた転校生・沙世子(栗山千明)に興味を持つ

土曜ドラマ 不惑のスクラム(2018)

金田順三役

土曜ドラマ 不惑のスクラム

インタビュー

 年齢や地位に関係なく40代以上のメンバーが集まった不惑のラグビーチーム「大坂淀川ヤンチャーズ」の鬼キャプテン役です。おそらく若いころは相当ラグビーが出来た人なんでしょうね。ただ、ラグビーでは生きていけないとどこかで限界を感じて市役所に勤務していたのが、15年前に妻を亡くした直後に誘われて草ラグビーを始めた人物です。人生をあきらめているようでいて、まだ自分は出来るはずだという思いもある。前半はとにかく怒ってばかりですが、チームに丸川良平(高橋克典)という殺人(傷害致死事件)を犯してドロップアウトしてしまった男が加わったことでだんだん変化していきます。

40歳以上の選手による草ラグビーチーム“大坂淀川ヤンチャーズ”
40歳以上の選手による草ラグビーチーム“大坂淀川ヤンチャーズ”

 金田だけでなく、このチームのメンバーはみんな何かしら惑いながら生きているおじさんたちです。刑事物以外で、こんなにおじさんが出てくるドラマはあまりないでしょうね(笑)。みんなバカみたいに一生懸命に何かをやり、いい年齢なのに走り回りぶつかり合って、だからこそ酒もうまいというのがとてもリアルでいいんです。でも、そこには生きるということに対するメッセージが込められていて、それが伝わればいいなぁと思っています。

 チームの創設者・宇多津を演じた萩原健一さんは、僕の世代の憧れの存在でした。芝居を面白くしようと、みんなを引っ張ってくれるパワー、存在感がすごくて。萩原さんと一緒の空気を吸ったり、ディスカッションできたことがありがたかったです。

チームの創設者・宇多津(萩原健一)の病状が急変し…
宇多津は金田に“引き続きヤンチャーズ頼むよ”と…

 ただ、ラグビーシーンのロケは本当にきつかった(笑)。7月の河川敷は地面の近くが43~44度くらい。そこでスクラム組んでタックルしてというのを繰り返し、テスト終わると「はい水分」、本番終わりで「はい、水分」でお腹はぽちゃぽちゃ。グラウンドは逃げ場がないのでちょっとした日陰でシーンやカットの合間を過ごしていました。

 僕もラグビーをやっていたとはいえ40年くらい前の話。ルールも変わっているし、パスの仕方も全然違いました。それはそれで面白かったし、やっているうちにだんだん思い出してきました。8月に入り、すこし日差しも和らいだころには、筋肉が思い出したのか、体力がついたのか、体が楽になってきました。後半になるに従ってプレーの幅も広がり、人間ってすごいな、動き続けていればなんとかなるんだと実感しました。

丸川(高橋克典)は傷害致死事件を起こした過去から全力でプレーできず…
“本気で当たらんかい!”
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