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リリー・フランキー リリー・フランキー

リリー・フランキーマルチタレントりりーふらんきー

1963年生まれ。福岡県出身。イラストやエッセイ、小説、音楽など、幅広い分野で才能を発揮。また近年は俳優として、映画やドラマなどで高い評価を集めている。NHKでも出演作多数。大河ドラマ『龍馬伝』のほか、『55歳からのハローライフ』『忌野清志郎 トランジスタ・ラジオ』『洞窟おじさん』など。2019年は連続テレビ小説『なつぞら』の茂木一貞役、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』緒方竹虎役での存在感に注目が集まる。

大河ドラマ 龍馬伝(2010)

河田小龍役

大河ドラマ 龍馬伝

インタビュー

 10年近く前になるんですね。僕にとって初めての大河ドラマ出演が、この『龍馬伝』でした。以前から主演の福山雅治さんとは親交がありましたから、彼が坂本龍馬役と聞いたときは「とても似合いそうだね」と、話したのを覚えています。それがまさか自分も出演することになるなんて思ってもみませんでした。

 僕が演じた絵師・河田小龍は、絵の才能に秀でていただけでなく“土佐藩でいちばんの物知り”と言われた博学な男。龍馬に西洋の知識も伝えるという設定でしたから、そこまで土佐弁のきつい役ではなかったのもあり、自然体で演じられたと思います。髪の毛も、僕の地毛をそのままアレンジしてもらったんです。

小龍は攘夷を叫ぶ若き土佐の藩士たちに世界の大きさを説く
龍馬(福山雅治)は剣術修行先の江戸でアメリカの蒸気船を見ていた…

 第11回のみの出演でしたから撮影自体は2~3日間だったと思うのですが、河田は福山さん演じる龍馬にも、龍馬の父で児玉清さん演じる八平にも深く関わる役どころでした。福山さんの龍馬と、児玉さんの父・八平がとてもすてきな“父子”で、僕自身現場でもすっかり打ち解けて撮影をさせていただきました。その1年後、まさか児玉さんの訃報を受けとることになるなんて……。河田役として病の八平を見舞い、龍馬のすばらしさを語る場面を演じた僕としては言葉にならないものがありました。

龍馬に興味を持った小龍は坂本家を訪れる
病に倒れた八平(児玉清)は末っ子・龍馬の将来を案じていた

土曜ドラマ 55歳からのハローライフ(2014)

富裕太郎役

土曜ドラマ 55歳からのハローライフ

インタビュー

 村上龍さんの同名小説を大森寿美男さんが脚色したオムニバスドラマです。僕が出演したのは、『キャンピングカー』というエピソード。実は僕にとって富裕太郎のようなごく普通のサラリーマンをいただくことって、珍しいことなんです。そういう意味では、とても新鮮な役どころでした。

営業マンの富裕は退職後キャンピングカーで旅するのが夢だった
長年の夢に、息子は賛成、妻と娘は反対で…

 富裕が58歳で早期退職し、勇退後の楽しみとしてキャンピングカーを欲しいと思った気持ちはすごくわかるんですよね。僕もキャンピングカーに長年憧れているタイプですから。あれは男にとって子供のころから抱く、“基地願望”みたいなものを満たす究極のツールだと思うんです。ただそれは他の家族にとって、無用の長物にしかならない場合もあるのだという悲しさも、演じながらリアルに感じていました。

富裕は再就職をめざすが、現実は厳しいものだった
富裕の前に現れる阿立(長谷川博己)の正体は…?

 撮影はロケだけでなくセットもあったのですが、東京近郊のマンションの雰囲気を見事に美術チームが作り上げていて、その生活感の漂う空気に感動しながら演じたことも覚えています。もう5年前の作品ですが、今見てもこれからの高齢社会に響く内容ばかりですね。長寿社会において、退職後の人生もまあまあ長い――ということだけは、誰もが覚悟しなければならない現実だと思います。

 それにしても今見ると、僕はほかのエピソードを演じたイッセー尾形さんや小林薫さんらとは10歳以上年が離れているのに、まるで同世代かのように違和感がなかったのが自分ではちょっと複雑な気もしているんです(笑)。

定年間近の世代のさまざまな再出発を描くオムニバスドラマ

スペシャルドラマ 洞窟おじさん(2015)

加山一馬役

スペシャルドラマ 洞窟おじさん

インタビュー

 このドラマにお声がけいただいた際、最初は“洞窟おじさん”という言葉にピンとはこなかったのですが、実在する加村一馬さんという方の壮絶な半生を描いた実話がもとになっていると知ったときは絶句しました。ただ、加山役は僕のほか、青年期を中村蒼くん(子役時代は富田海人)が演じているのですが、山での放浪生活を描いたいちばん過酷なロケ部分はほぼ中村くんに演じてもらってしまったので申し訳ない気もしました(笑)。いや、本当にすばらしい熱演だったと思います。

13歳で家出し、山奥の洞窟に43年間隠れ住んでいた男の実話をドラマ化

 僕の撮影時は、実際の“洞窟おじさん”こと加村一馬さんがいらっしゃる福祉施設でも行われたんです。そのためご本人が見守る中、この役を演じていました。現場で初めて加村さんとご挨拶させていただいて、悲しいだけではない、あたたかなぬくもりのある人柄に触れられたことは演じるうえでも大きな意味があったと思います。人は暑さや寒さ、空腹は我慢できてもさみしいのはどうしようもない――という加村さんの言葉が印象的でした。

虐待から逃れるために洞窟暮らしを始めた加山は他人を信じられない
ホームレスの男から文字を教わる

 加山が施設で心を開くきっかけとなった職員役を演じた尾野真千子さんとは、目を合わせているだけで自然と僕の目から涙がこぼれ落ちてきて。普段あまり泣く演技を意識したことはないのですが、少しだけ加村さんの純粋な心に寄り添えたような気がした瞬間でした。
 それにしても僕はアウトロー的な役のオファーが多いもんだなぁと実感しています(笑)。

脱走を繰り返す加山を施設の職員・軽部(尾野真千子)は追いかけ、連れ戻す
軽部の献身で加山は次第に心を開いてゆく

忌野清志郎 トランジスタ・ラジオ(2015)

坂口雅彦役

忌野清志郎 トランジスタ・ラジオ

インタビュー

 このドラマは僕にとって、とても印象的な作品のひとつです。というのも、実は僕は長年の忌野清志郎さんのファンであり、今も懐かしむという意味ではなく、日常的に彼の音楽を聴いているからなんです。そんな尊敬する方の6年目の命日に放送された記念碑的な作品に関わることができて、本当に幸せでした。

雅彦は母校の都立日野高校で美術を教える教師
ロックスター 忌野清志郎の訃報に青春時代がよみがえる

 ロケは清志郎さんの母校・都立日野高等学校でも行われ、実際にご本人が描いた絵なども小道具として置かれていて、まさに清志郎さんの面影を感じる世界観の中で撮影させていただいたのを覚えています。ただ、この作品の難しいところは、高校の先輩である忌野清志郎に憧れた坂口雅彦という男の物語であるということ。エピソードの随所に清志郎さんの高校時代や初期の曲の歌詞にまつわる物語を感じながら、坂口としてどういう面持ちでそこにいればいいのか、考えながら演じることもありました。

1969年 高校1年生の雅彦(渡辺大知)
美智代(中条あやみ)は雅彦を本物の清志郎と思い込み…

 青年期の坂口を演じた渡辺大知くんの演技には、若き日の清志郎さんを思わせる雰囲気もあり、見ていてそれもまた不思議な気持ちになりました。僕は一度だけ、ご本人と偶然居酒屋かどこかでお会いしているのですが、今も他界されたことが残念でなりません。若い世代にも清志郎さんの音楽を、ぜひ知ってほしいと思っています。

連続テレビ小説 なつぞら(2019)

茂木一貞役

連続テレビ小説 なつぞら

インタビュー

 元号も令和となった2019年は、連続テレビ小説『なつぞら』にも、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』にも出演させていただけるなんて、とても光栄だなと思っています。この『なつぞら』で演じる茂木一貞という人物は、広瀬すずさん演じる主人公・奥原なつが上京してきて出会う、謎めいた大人たちの1人です。新宿の大型書店、角筈屋の社長という設定ですが、この当時の文化発信基地となった紀伊國屋書店の創業者である、田辺茂一さんがモデルだとも伺っています。

なつ(広瀬すず)は生き別れの兄・咲太郎を探すため東京へ
茂木は咲太郎のことを知っていた

 戦後の新宿で書店が果たした役目というのは、今では想像もできないほどの文化貢献度だったでしょうね。しかも、書店を経営するだけでなく演劇ホールも併設するなどして、街の文化を形成していく役目を担っていた。田辺さんはきっとその中心人物だったのでしょう。茂木の場合、仕事が好きなだけでなく、お酒と女性も好きという設定だそうですから(笑)、そういう軽妙な雰囲気も茂木らしい味わいとして出せたらなと思っています。

先輩・麻子(貫地谷しほり)の言葉に憤慨して帰ってきたなつ
客として訪れていた茂木は奥深い言葉を口にする
“自分がどう思われているか、きみを通して気になっているんだよ”

 また、茂木は上質なスーツと帽子のいでたちが印象的な役柄でもあります。“朝ドラ”や“大河”に出演させていただいて感じるのは、スタッフの皆さんが考え抜いてくださったセットや小道具、衣装のおかげで、すっと役にのめり込ませてくれるということです。ただ、『なつぞら』の茂木役と『いだてん』の緒方竹虎役がやや似た感じのスーツ姿なせいか、なつ役の広瀬すずさんからは廊下で「今日は“朝ドラ”と“大河”どっちの撮影ですかー?」と、聞かれたりもしますけれど(笑)。もうすぐ『なつぞら』の僕の撮影が終わるのが、今はさみしい限りです。

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