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内館牧子 内館牧子

内館牧子脚本家・作家うちだてまきこ

1948年、秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業後、大手企業のOLとして13年間勤務。その後、脚本家となる。主な作品に『想い出にかわるまで』『義務と演技』『週末婚』ほか。NHKでは連続テレビ小説『ひらり』『私の青空』、『坊っちゃん』、大河ドラマ『毛利元就』などがある。「終わった人」「すぐ死ぬんだから」など著書多数。93年、第1回 橋田壽賀子賞、95年と19年には文化庁芸術優秀賞を受賞。2000~10年、女性初の横綱審議委員を務める。06年、東北大学大学院文学研究科修了。

連続テレビ小説 ひらり(1992)

連続テレビ小説 ひらり

インタビュー

 私にとって一番大きな転換期でした。もちろん、この作品以前にも民放でヒット作に恵まれたりしていましたが、実は職業欄にずっと“自由業”って書いていたんですよ。それが『ひらり』で視聴率40%を超えるヒットになり、たくさんの方に見ていただけたのでもう“脚本家”って書いてもいいかなって(笑)。

思い切りのいい下町娘のヒロイン・ひらり(石田ひかり)

 『ひらり』は東京・両国を舞台に、相撲好きのヒロインが栄養士として力士を支える仕事を目指すまでを描いた作品でした。私自身、幼い頃から大相撲が好きでしたが、私自身が相撲の世界を題材に選んだわけではないんです。はじめて“朝ドラ”執筆のお話をいただいたとき、プロデューサーに「どん底から這い上がって何かを成し遂げるようなドラマは、うまく書く自信がない」とお伝えしたら、「あなたにそういうドラマを頼もうと思っていない」と言われて(笑)。そのとき“朝ドラ”を書くにはまだ早いという気持ちが強かったのですが、「あなたのような相撲好きの女の子を主人公に書いてみないか」というひと言で、三つ指ついて「お受けします」とお答えしたんです(笑)。

近所の町医者(渡辺いっけい)をめぐって、姉みのり(鍵本景子)と恋のバトルを繰り広げる

 連続テレビ小説って、よく“脚本家殺し”と言われてね、昨日渡した台本が今日放送されているみたいな状態になるので本当に大変なのですが、お相撲がテーマだったので私はすごく楽しくてラクでした。

ドラマの平均視聴率36.9% ドリームズ・カム・トゥルーが歌う「晴れたらいいね」も話題に

坊っちゃん(1994)

坊っちゃん

インタビュー

 『ひらり』が終わった後、3か月から半年ほど暮らすつもりで単身パリに行ったんです。とりあえずホテルに入って、知り合いと一緒にアパートを探すつもりでいたら、1か月くらいで仕事をしないで遊んでいることに飽きちゃった(笑)。そんなときに『ひらり』でご一緒した金澤宏次プロデューサーから連絡があり、夏目漱石の『坊っちゃん』をドラマ化するので書かないかとオファーをいただいて、すぐに「帰ります!書きます!」ってお答えしました(笑)。

 原作を読んで、損ばっかりしている気弱な坊っちゃん(本木雅弘)と、タバコをスパスパ、お酒をグビグビ飲む不良のマドンナ(千堂あきほ)を描こうと思ったの。たくさんの方に見ていただいたけれど、「死んだら漱石に詫びに行け」って言われたりして(笑)。でも、本木さんの坊っちゃんはもちろん、校長役のフランキー堺さんや、江守徹さん、渡辺いっけいさん、加藤治子さん、所ジョージさんら、すごいいいキャスティングでしたよね。

大河ドラマ 毛利元就(1997)

大河ドラマ 毛利元就

インタビュー

 大河ドラマの執筆をお引き受けし、主人公を誰にするかというとき、毛利元就はどうかとプロデューサーとディレクターに提案されたんです。でも私は“三本の矢”のエピソードしか知らないし「あんな地味な人…」という感じがして(笑)。ただ、調べてみようと思って毛利元就の年表を見てみたら、58歳で厳島の合戦に出て、人生を変えてきた人なんですね。当時は人生50年の時代でしょう。だから58歳なんて90代のおじいさんですよね。そこから攻めに転じているなんて、これは高齢化社会に希望を与えると思い「毛利元就しかない!」と決めました。

「三矢の教え」で知られる毛利元就(中村橋之助)

 毛利元就は奇襲をしかけたり、人をうまく貶めて勝利を収めたりと、世の中の人には“ずる賢い男”として知られていて、私自身のなかにもそういうイメージがありました。それが調べてみると、ものすごく家庭的で、あの時代に側室を置かなかったりと愛妻家の一面があったことを知ったんです。妻が亡くなった後に「妻よ、子どもが言うことを聞かずに困っている」などと書いた手紙が残されていて「これは等身大の元就が描けるのではないか」と思いました。

松寿丸(元就の少年期)を森田剛、杉の方(元就の育ての親)を松坂慶子が演じた

 番組がスタートしたとき私は48歳でした。それまで大河を担当した脚本家のなかで最年少でしたから「若い視点で楽しくやりたい」と思ったんです。だから当初の内容はかなり弾けたものだったんですよ。森田剛くんが演じた少年時代までは特にすごかった。当時ドラマ部長だった松本さんは「面白い!いける!」と言って下さったのですが、やっぱりプロデューサーたちにしてみれば“格”を守る必要があると思われたんでしょう。完パケを見たら登場人物のキャラクターが勝手に直されていました(苦笑)。そこだけは今も残念ですが、主演の中村橋之助(現・中村芝翫)さんと美伊の方を演じた富田靖子さん、杉の方を演じた松坂慶子さんらが好演してくださり、本当に面白い作品になったと思っています。

元就は最愛の妻・美伊の方(富田靖子)に先立たれる

連続テレビ小説 私の青空(2000)

連続テレビ小説 私の青空

インタビュー

 NHKドラマ部の松本さんから「連続テレビ小説、2度目の登板をしないか」と打診されたとき、「未婚の母を描きたい」と言いました。今はシングルマザーという呼び方が一般的ですが、当時はそういう言葉はまだなかったんじゃないかな。未婚の母というと、多くは不倫で好きな人の子どもを産んだ人のことを指していて、そういう人たちがどんな風に生きていて、家族や父親はどうなのかという話を描きたかった。連続テレビ小説で取りあげるにはタブーに踏み込む勇気が必要な題材でしたが、松本さんが正面からゴーサインを出して下さいました。

シングルマザーの道を選んだヒロイン・北山なずなとその息子・太陽

 執筆にあたっては、ヒロインのなずな(田畑智子)と同じような境遇の方々にたくさん取材をさせていただきました。懸命に子育てしている皆さんのお話のなかで印象的だったのは、子どもと2人の写真がないということ。思わず「あら、どうして?」と聞いてしまったのですが、「誰かに撮ってもらわないといけないから」とおっしゃった。鏡の前で子どもを抱っこして撮るんだとうかがって、「こういう現実は聞いてみないと分からなかったな」と痛感し、実際のシーンにも描きました。

マグロ漁師の父・辰男(伊東四朗)と母・珠江(加賀まりこ)

 ヒロインの両親を演じてくださった伊東四朗さん、加賀まりこさんをはじめ、素晴らしいキャストに恵まれて、個々のキャラクターが立体的になる感じを得たことは、脚本家冥利につきる経験でした。たとえば、私は脚本に「美空ひばりの『津軽のふるさと』を歌う」と書いてあるだけなのに、伊東さんが実際に歌うとさまざまな思いがそこに立ちあがってくるんですから。今思えば過激な部分もありましたが、出演者のおかげでヒロインを取り巻く人々の愛情や思いも丹念に表現されたと思います。

プレミアムドラマ すぐ死ぬんだから(2020)

プレミアムドラマ すぐ死ぬんだから

インタビュー

 脚本家ではなく原作者として関わった作品。脚本は長田育恵さんが担当してくださいました。はじめ小松昌代プロデューサーから「ご自身で脚本も書きますか」と聞かれたのですが、小説をテレビドラマにするとなると相当切らないとダメでしょう。だから「自信がない」ってお断りしたの(笑)。力のある長田さんがセリフを生かしながら見事な脚本にしてくださいました。

おしゃれにこだわる78歳の主人公・忍ハナを演じる三田佳子さん

 そもそもこの小説を思いついたのは、リュックを背負っている人が町中にあふれていることに気付いたから。年を取ると本当に便利なのだけど、TPOってあるでしょう。一番驚いたのが告別式にリュックで来ている人を見たとき。黒いズボンに黒い上着を着ていたので葬儀仕様ではあるけれど、使い古したリュックを背負っていた。ホテルで会食したり、クラス会もそう。だけどあるとき、70〜80代の人が集まるパーティーにオブザーバーで出て、おしゃれに気を使う男女とリュックの男女が完璧に二手に分かれていたんですよ(笑)。それを見たとき、やはり外見は中身と連動しているなと感じました。見た目に手をかけている人は明るく活発で自分に自信もある。片やリュック派はそういう人たちを見て「あんなの若作りよ」とでも言いた気な目をしていた。それを見た時「一本書ける」と思いました。

おしゃれに目覚める前のハナと娘・苺(松下由樹)

 ヒロインの忍ハナを演じてくださるのは大女優の三田佳子さん。ご本人が「演じたい」とおっしゃっているとプロデューサーから連絡をいただいたときは、驚きました。最初は私が描いたハナのイメージからして、キレイすぎると思ったのですが、まったく身なりに構わない状態で登場する第一話を見たら全然別人! そこからおしゃれでキレイになっていく姿を想像して、やっぱりこれは三田さんが絶対にいいと思いました。ロケも見学に行きましたが、もう完全にハナでしたね。

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