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春風亭柳昇落語家しゅんぷうてい りゅうしょう
新作落語の名手・春風亭柳昇。少しとぼけたひょうひょうとした語り口で親しまれ、「大きなことを言うようですが、春風亭柳昇と言えばわが国では私一人でございます」の名文句で人気を集めた。また自らの戦争体験や落語家人生を綴った著作も多く、短歌やトロンボーンの演奏など多才ぶりでも知られた。
春風亭柳昇は大正9年東京で生まれた。高等小学校卒業後、電気会社に就職。昭和15年徴兵検査で甲種合格、終戦まで6年間の軍隊生活を送る。昭和20年、輸送船で上海から青島に向かう途中、アメリカ軍の空襲を受け負傷、傷痍軍人となる。戦後、元に会社に復職しようとするが負傷のため叶わず、戦友の父親だった6代目春風亭柳橋に入門した。しかし古典落語では芽が出ず、自分ならではの新作落語を目指した。昭和33年真打昇進。病院で繰り広げられるカラオケの様子を滑稽に描いた「カラオケ病院」、マンション建設と日照権の問題をユーモラスに描いた「日照権」など、日常の出来事を題材にした新作を次々に発表した。中でも自らの軍隊時代を描いた「与太郎戦記」は、庶民の本音を伝える戦争体験談として注目され、映画化され大ヒットとなった。戦争をきっかけに思いがけず落語の道に入り新作落語を開拓した、噺家人生が語られる。
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