2020年06月01日 (月)鉄道フォトライター 矢野直美のおススメ鉄道旅
「善通寺駅」(香川県)


善通寺駅

善通寺駅

 全国を鉄道で旅してきたフォトライター・矢野直美さんが、「みちしる」の動画の中から、日本各地、おススメの鉄道、駅舎、車両を紹介していきます。今回は、香川県の北西部、弘法大師のふるさととして知られる善通寺市の善通寺駅を紹介します。JR四国の中で一番古い、明治22年開業の木造駅舎です。

矢野直美さん





矢野直美

 北海道札幌市在住。国内外を旅しながら写真を撮り、文章をつづる「フォトライター」。鉄道旅をこよなく愛することから「鉄子」の愛称でも呼ばれる。著作に『汽車通学』『ダイヤに輝く鉄おとめ』『おんなひとりの鉄道旅』など。

善通寺駅

 2014年に「四国八十八ヶ所霊場」お遍路の旅をしました。そのときに行ったのは「区切り打ち」という方法で、たとえば一週間歩いた後に一旦は自分の生活拠点に戻り、また時間を作って数日間歩きに出かけるということを繰り返しました。
 お遍路さんが霊場(札所)巡拝することを「打つ」といい、八十八ヶ所全てをつなぐことを「結願(けちがん)」と呼びます。徳島県にある一番札所「霊山寺」からスタートし、香川県の八十八番札所「大窪寺」で結願するまで、すべてを歩き通したのではなく、鉄道やバスといった公共交通がある場所は利用し、ない場合や山道などは自らの足で歩きました。このスタイルを私は「鉄道お遍路」と呼んでいます。
 鉄道お遍路にはさまざまな思い出があります。雨上がりの空に見上げた大きな虹や、一面を黄色に染める菜の花畑、もちろん鉄道旅も心に残っています。JR善通寺駅は、空海の生誕地といわれる「善通寺」のアクセス駅です。この駅を訪れるのは初めてではありませんでしたが、白衣(びゃくえ)と呼ばれるお遍路さんの道中衣を身につけてホームに降りるとき、それまでとは全く違う「あらたまった心」になりました。
 JR四国で一番古い駅舎の善通寺駅は、地元の人々から「善通寺市で一番立派な桜がある駅」としても親しまれています。善通寺駅がある土讃線は、その名の通り土佐(高知)と讃岐(香川)結んで走る長大路線。列車の車窓からは景勝地として知られる「大歩危・小歩危」をはじめ、のどかな田園風景や海が望めます。2020年には高知-窪川間を走る観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」が登場し、鉄道旅の楽しさがさらに広がります。

お遍路さんも利用する善通寺駅
お遍路さんも利用する善通寺駅


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