2020年08月03日 (月)鉄道フォトライター 矢野直美のおススメ鉄道旅
「ケーブル坂本駅」(滋賀県)


ケーブル坂本駅

ケーブル坂本駅

 全国を鉄道で旅してきたフォトライター・矢野直美さんが、「みちしる」の動画の中から、日本各地、おススメの鉄道、駅舎、車両を紹介していきます。今回は、滋賀県大津市のケーブル坂本駅です。比叡山の滋賀県側登山口にあるケーブルカーの駅。昭和2年開業当時のモダンな作りが駅舎のあちらこちらに残っています。

矢野直美さん





矢野直美

 北海道札幌市在住。国内外を旅しながら写真を撮り、文章をつづる「フォトライター」。鉄道旅をこよなく愛することから「鉄子」の愛称でも呼ばれる。著作に『汽車通学』『ダイヤに輝く鉄おとめ』『おんなひとりの鉄道旅』など。

ケーブル坂本駅

 ケーブル坂本駅は、滋賀県と京都府にまたがる比叡山の滋賀県側の登山口です。世界文化遺産である比叡山延暦寺と、延暦寺の東側玄関口として栄えた坂本を結ぶケーブルカーの発着駅となっています。
 坂本は、昔ながらの「穴太衆積みの石」が残る美しい町。比叡山の護法神とされる山王総本宮日吉大社や、歴代天台座主の住居の一つであった滋賀院門跡など比叡山ゆかりの寺社や史跡が数多く存在。比叡山を訪れるときは一緒に訪ねたい場所です。
 歴史ある街並みに、ケーブル坂本駅のモダンな洋風木造建築はよく似合います。ケーブルカーは全長2,025メートル。短いながらもトンネルや橋梁が設けられ、面白味のある山岳鉄道です。車窓を流れる木々の緑はまるで鉄道に乗りながら森林浴をしているかのようで、高度を上げるにつれて琵琶湖をはじめとする爽快なパノラマ風景が広がります。頂上駅のケーブル比叡山駅では山麓より気温がかなり低くなることを実感、山の清浄な空気に包まれます。
 ケーブルカーの車両はヨーロピアン調のデザインがほどこされ、「縁」号と「福」号が運行しています。「縁」と「福」は坂本ケーブルを象徴する文字といい、参拝者に良い縁と幸福が訪れるようにと、第253代天台座主・山田恵諦猊下が祈りを込めて揮毫されたといいます。揮毫は車体だけではなく、乗車きっぷにも用いられています。良縁招来・延寿福楽のお守りとして、私もきっぷを記念に持ち帰りました。

坂本の町と比叡山山頂を結ぶケーブルカー
坂本の町と比叡山山頂を結ぶケーブルカー


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