2020年12月14日 (月)鉄道フォトライター 矢野直美のおススメ鉄道旅
「湯野上温泉駅」(福島県)


広尾線

湯野上温泉駅

 全国を鉄道で旅してきたフォトライター・矢野直美さんが、「みちしる」の動画の中から日本各地、おススメの鉄道、駅舎、車両を紹介していきます。今回は、福島県の湯野上温泉駅です。江戸時代の宿場町・大内宿の町並みに合わせた、茅葺(かやぶき)屋根の駅舎が人気です。

矢野直美さん





矢野直美

 北海道札幌市在住。国内外を旅しながら写真を撮り、文章をつづる「フォトライター」。鉄道旅をこよなく愛することから「鉄子」の愛称でも呼ばれる。著作に『汽車通学』『ダイヤに輝く鉄おとめ』『おんなひとりの鉄道旅』など。

湯野上温泉駅

 福島県の西若松駅と会津高原尾瀬口駅を結ぶ57.4kmの会津鉄道。愛らしい駅長猫がいる芦ノ牧温泉駅をはじめ、特徴的な駅が点在し、湯野上温泉駅はとても珍しい茅葺屋根の駅舎です。
 湯野上温泉駅が位置する下郷町には江戸時代に会津若松と日光を結ぶ宿場町として栄えた「大内宿」があり、現在も当時の面影を伝える茅葺屋根の民家が立ち並んでいます。大内宿の町並みに合わせて造られた茅葺屋根の駅舎内には、囲炉裏を設置。囲炉裏の煙には防虫と乾燥の効果があり、茅葺屋根を丈夫に保ってくれるからです。
 茅葺屋根や囲炉裏を維持するには手間がかかりますが、その甲斐あって国内外から訪れる観光客に大人気。絶好の撮影ポイントとして喜ばれています。梁がむき出しになった天井の下、囲炉裏の前に座り、香ばしい煙の匂いに包まれていると、映像や写真でしか知らない古い時代へ時間旅行しているような気持ちになります。
 湯野上温泉駅や芦ノ牧温泉駅という名の通り、沿線には温泉郷があります。沿線のビュースポットで一旦停車する期間限定の観光列車「お座トロ展望列車」も走り、トロッコ席・掘りごたつ式のお座席・展望席を連結します。
 会津鉄道は東武鉄道と野岩鉄道の相互乗り入れによって、首都圏から近い感覚で観光計画が立てられるのが特徴です。JR線とも接続するため、鉄道好きにとっては旅のプランニングをさまざまに練ることができることが大きな魅力となっています。

待合室内に切られた囲炉裏
待合室内に切られた囲炉裏


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