2021年1月18日 (月)鉄道フォトライター 矢野直美のおススメ鉄道旅
「札幌の路面電車」(北海道)


札幌の路面電車

札幌の路面電車

 全国を鉄道で旅してきたフォトライター・矢野直美さんが、「みちしる」の動画の中から日本各地、おススメの鉄道、駅舎、車両を紹介していきます。今回は、札幌の路面電車です。1年のうちおよそ4か月は雪に覆われる札幌。冬に大活躍する除雪用の車両「ササラ電車」を紹介します。

矢野直美さん





矢野直美

 北海道札幌市在住。国内外を旅しながら写真を撮り、文章をつづる「フォトライター」。鉄道旅をこよなく愛することから「鉄子」の愛称でも呼ばれる。著作に『汽車通学』『ダイヤに輝く鉄おとめ』『おんなひとりの鉄道旅』など。

札幌の路面電車

 札幌市電には北海道でしか目にすることができない除雪車「ササラ電車」が走っています。ちょっと面白い仕組みで、竹を細く裂いて作った「ササラ」を利用した回転ブラシでレール上の雪を履き飛ばしていきます。北海道だけの、しかも冬にしか登場しないために「一度は見てみたい」と願う鉄道ファンが少なくありません。
 実はこのササラ電車、とても働き者です。通常の除雪車は雪が降ると出動しますが、ササラ電車は雪が降らなくても冬期間は毎日走ります。出発は朝4時。始発電車が走りだす前に、レールに積もった雪や架線に張り付いた氷を取り除き、電停が停電していないかなど沿線の確認をしていきます。そのため晴天の日であっても早起きをして沿線に出かけるとササラ電車に会うことができます。降雪時のように雪を跳ね上げながら走るシーンは目にできないかもしれませんが、黄色と黒のツートンカラーの車両が力強く走る姿を見ることができます。
 もちろん雪の日はこまめに出動します。圧雪状態になるとレールが雪で埋まってしまうため、降り始めたばかりのまだ固まっていない新雪のうちに除雪しなければなりません。レールからたくさんの雪が掃き飛ばされる様子は、時にまるでクジャクが羽を広げているような形にも見えます。
 札幌市電は併用軌道で沿線には商店街や商業ビルが立ち並んでいます。車や人々が行きかう町の中心街で、雪を履き飛ばしながら走るササラ電車の姿はまさに北海道ならではのもの。他にはない冬の風物詩です。

待合室内に切られた囲炉裏
札幌市電 冬の風物詩「ササラ電車」


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