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たんけんぼくのまち

 『たんけんぼくのまち』は、1984(昭和59)年にスタートした小学校3年生社会科の学校放送番組。店員として働いている「チョ―さん」が、働いている人たちの姿や地域社会の仕組みを配達用の自転車「チョ―さん号」に乗って調べていき、毎回、手書きのイラスト地図にまとめて発表するスタイルをとっていた。

ダジャレあり、コントありの構成で、笑いながら町や社会のしくみが楽しく学べる番組は、当時の子どもたちから熱烈な人気を集め、舞台の町を変えながら8年間にわたり続いた。

2008年10月から1年間行われた「ETV50・もう一度見たい教育テレビリクエスト大募集」でも、常にベスト10の1、2位を競い続けた『たんけんぼくのまち』。人気の秘密を、改めて振り返ってみよう。

『たんけんぼくのまち』上諏訪駅に降り立ったチョーさん(第1回)

愛されるキャラクター「チョ―さん」

『たんけんぼくのまち』の主人公は「チョ―さん」(長島茂、のちに長島雄一、現在の芸名は、チョー)。最初の舞台となった長野県諏訪市の上諏訪駅に降り立った時は、ギターを背中に抱え、両手いっぱいの荷物を持ち、将来は食料品店の店長になる夢をもって登場した。

ところが、スタートからいきなり、働き先のおじさんのお店が見つからない。町中を走り回り、諏訪の町のことをいろいろ聞いてまわる、ドタバタ劇でスタートした。

『たんけんぼくのまち』諏訪市に到着したチョーさん

チョ―さんは、元気でハチャメチャなところもあるものの、おじさんのお店と住んでいる町をこよなく愛し、奮闘する。店員として配達や棚卸しなどをしながら、ダジャレを繰り出し、またあるときはVTRのスピード倍速状態で、苦手の犬に追いかけられる。

『たんけんぼくのまち』犬が苦手なチョーさん

おじさんのお店を繁盛させようと、いろいろなアイデアを思いめぐらせることもしばしば。お店の商品をテレフォンショッピングで販売しよういう奇抜な発想をパロディ風に繰り広げるなど、これまでの「学校で見る社会科の教育番組」とは思えないテイストも、人気の要因だった。

そして、最終回。チョ―さんはついに念願の「お店のオーナー」となることに。地上3階、地下1階の店の名前は「絶対に損はさせない店、あなたのチョーソン」だった。

『たんけんぼくのまち』チョーさんのおじさんのお店

みんなが真似した「たんけん地図」

番組の名物は「たんけん地図」。町で調べたいろいろな疑問や、配達などを通じて知ったこと、感じたことなどを、チョーさん自身が手書きの地図にまとめるというものだった。

温かみのある絵のタッチもさることながら、町の特徴やポイントが子どもたちにも理解やすい地図だった。「自分でもたんけん地図を描いてみたい」と感じる子どもたちも多く、番組あてに自作のたんけん地図やイラストなど、お便りが頻繁に送られてくることから、年度末には毎年は「きみの便りにジーンときた」と題する回で紹介された。

『たんけんぼくのまち』名物「たんけん地図」

出演者は地元の人たち

『たんけんぼくのまち』のもう一つの魅力は、チョ―さん以外の出演者が、その町で実際に暮らしている人たちであったこと。チョ―さんの、時にコミカルで、とはいえ素なのか演技なのかわからないような雰囲気と、地元の皆さんとのやり取りが非常に新鮮だったことも見逃せない。

8年間で次の6つの町が舞台となった。
・長野県諏訪市 (1984~1985年度)
・茨城県那珂湊市(現・ひたちなか市) (1986~1987年度)
・福島県いわき市 (1988年度)
・静岡県清水市(現・静岡市) (1989年度)
・長野県岡谷市 (1990年度)
・神奈川県三浦市 (1991年度)

『たんけんぼくのまち』地元のみなさんが出演

社会科嫌いをなんとかしたい! 制作スタッフの思い

これまでの学校放送番組といえば、教科書に準拠した内容を、視覚的にわかりやすく説明するのが主な目的であり、『たんけんぼくのまち』のようなダジャレやパロディ、アドリブ的な演出といった「遊び」の要素が盛り込まれるのは、極めて異例であった。

そんな番組のねらいを、番組を立ち上げた当時のディレクター・郡俊路(こおり・としみち)さんは、広報番組『三つのたまご』のインタビューでこう答えている(2009年10月放送・ETV50もう一度見たい教育テレビの特集にて)。

「社会科が好きじゃない、という子が多いって聞いて、それをなんとかしたいなという気持ちがありました。そのため、見ていて面白いお兄さんを配した方がいいんじゃないかと、印象深いメガネをかけてもらったり、苦手な犬を配したり。あわてん坊だけど、ものすごく前向きで一生懸命なお兄さんをということになりました」

『たんけんぼくのまち』遊びの要素を取り入れた社会番組

「そして、お兄さんの具体的な行動を見ることによって、見終わったとき、子どもたちに社会科のメッセージが伝わっていけばいいなあ、という色々な工夫をしました。社会科だから当然地図を描くということはあったので、いわゆる教科書に載っているような模範的な地図じゃなくて、イラストを入れるとか、自分で調べたポイントを入れる、ここへいくと近道だとか。そういう工夫が、子どもたちも描いてみたいな、という気持ちになったのかもしれません」

主役のチョ―さん、地元のみなさん、そして制作スタッフがひとつとなって、子どもたちに社会科を好きになってもらおう、学ぶことの楽しさを感じてもらおうという思いでできあがった番組、それが『たんけんぼくのまち』であった。

『たんけんぼくのまち』おじさんのお店を探すチョーさん

【アカイさんの一言】

今なお、当時の子どもたちが語り続けてきた『たんけんぼくのまち』。ETV50のリクエストでも上位を走り続けてきたが、果たして最終的に何位になるか?『ETV50、もう一度見たい教育番組フィナーレ』(2009年12月31日)には、チョーさんもスタジオ出演した。

たんけんぼくのまち

  • 放送期間1984(昭和59)年~1992(平成4)年
  • 放送時間教育テレビ
    • 1984年度 月曜 10:45~11:00 火曜 11:30~11:45(再放送)
    • 1985~89年度 月曜 11:30~11:45 木曜 9:45~10:00(再放送)
    • 1990~91年度 月曜 11:45~10:35 木曜 11:15~11:30(再放送)
  • 出演者
    • 長島茂(のちに長島雄一・チョー)
    • 地元のみなさん

(2009年12月25日 記)

※NHKアーカイブスブログ(2009年12月25日)より転載、加筆

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