まいにちロシア語(応用編)

メッセージ

八島 雅彦

八島 雅彦 やしま まさひこ

開講のことば

語学を始めるきっかけは人それぞれでしょう。

私がロシア語を始めるきっかけになったのは、トルストイという一人の作家でしたが、ロシア語を始めたばかりのころに抱いていた、トルストイを原書で自由に読みたい、という希望は、残念ながら、今なお、かなえられているとはいえません。トルストイを読む難しさは増す一方のような気がするくらいです。どんなにスラスラ読めるようになっても、トルストイは決して易しくはならない作家です。そして、その感じは、私の場合、ロシア語の学習そのものにもあてはまります。トルストイは難しい、が、ロシア語はもっと難しい ―、それが私の実感です。

そんな私が、勉強を続けるうえで、本当に助けられたと思うのは、「好き」という感覚でした。「ロシア語が好き」などという、そんな大げさな感覚ではありません。もっとずっとちっぽけなものです。私はなぜかкарандашという単語が好きで、今でも、この単語を発音するのが好きですが、いつのころからか、こういう小さな感覚こそが助けになると思うようになったのです。そうして、その感覚をロシア語のいろいろなジャンルにあてはめてきました。ことわざ、格言、早口言葉、なぞなぞ、アネクドート、ロシアのロマンス、といった具合です。ですから、トルストイは難しいし、ロシア語はもっと難しいのですが、好きなものならたくさんあります。

「好き」に理由はありません。理屈もありません。ただ「好き」というだけです。出会ってみたら好きだった、ということです。ただ、そのためには、出会うことが必要です。というわけで、今回のシリーズのテーマは、「好き」との出会いです。

ロシア語が好き、という感覚は大きすぎると思います。もっと小さなもの、たとえば、一つの単語の発音が好き、というほうが、むしろ信頼できるのです。一つのことわざ、一つのなぞなぞ、一つの歌、一つの人生観、そういうものにこだわって番組を進めていきたいと思っています。みなさんが、番組を通して、一つでも、二つでも、「好き」に出会えることを心より願っています。

NHKゴガク

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