刀鍛冶は玉鋼を熱して何度もたたいて鉄を鍛練する
世界が注目する刀鍛冶・吉原義人さん。刀の原材料は日本古来のたたら製鉄で作られた純度の高い鉄・玉鋼。溶ける寸前のおよそ1300度まで熱し、槌(つち)で不純物をたたき出し、鍛練してより強い鉄にする。
柾目肌に板目肌…地金の模様は刀工や流派の個性
鍛練を繰り返すと地金という刀の肌に何層にも重なった鋼の模様が現れる。直線が重なり合う柾目(まさめ)肌や杢目(もくめ)交じりの板目肌など。こうした地金の模様も、刀工や流派の個性を味わう楽しみの一つだ。
刃文は作者の腕や流派を見分ける刀鍛冶の創意工夫の結晶
刀鍛冶が最もこだわる刃文。木炭や砥石の粉などを混ぜた粘土を置いて文様を描くと、熱した刀を水で冷やす際、粘土を置いたところが文様となる。刃文は作者の腕や流派を見分ける決め手で、刀鍛冶の創意工夫の結晶。
刃文が浮かぶ芸術品としての刀剣
焼き入れは刀を700度から800度まで熱し、水で一気に冷やす。研ぎあげると刃文の光沢が白く浮かび上がる。「刀ってのは、日本の場合は武器じゃなく、すばらしい宝物として大事にされていた」と吉原さんは語る。
刀鍛冶がこだわる刃文~「刀剣」を芸術品として味わう
美の壺
いにしえより魂が宿るといわれる刀剣。武器にとどまらず、芸術品としても、時代を超えて愛されてきた。原材料は玉鋼。日本古来のたたらによって作られた純度の高い鉄。刀鍛冶が最もこだわるのが、波紋。木炭や砥石の粉などを混ぜた粘土を置いて文様を描いていく。熱した刀を水で冷やす際、粘土を置いたところが紋様となる。波紋は作者の腕や流派を見分ける決め手とされる、いわば個性でもある。(美の壺)