竹に大異変!日本全国で竹林がごっそり枯れている
日本人がこよなく愛する竹に、大異変が。山の中腹に真っ白な傷跡のようなものが見え、竹林がごっそり枯れた痕だという。しかもこの異変、全国各地で一斉に発生しているのだ。
竹は花が咲いたら枯れる?これが淡竹(はちく)の花の映像
聞き込みを続けていると「竹は花が咲いたら枯れる」との声。同志社大学の竹研究の専門家と一緒に枯れた竹林を探しに行ってみる。枝の周りの茶色く見えるところが全部花で、これは淡竹(はちく)という種類の竹の花。
九州から東北まで竹の花が120年に一度の大規模開花中
今、九州から東北まで東西1000kmに渡って一斉に開花しているのだ。こうした大規模な開花は120年に一度だという。番組では貴重な開花の様子を記録しようと、撮影に挑んだ。
竹の花の貴重な開花の瞬間を撮影!
黄色く飛び出てきたのがおしべ。竹の花にはいわゆる花びらはない。おしべの根本の白くひらひらしているのがめしべ。竹の花粉は風に運ばれて受粉し、実をつけるといわれている。本当に小さくて可憐な花だ。
淡竹の花はなぜ120年に一度咲くのか?
淡竹は120年に一度、枝中に花をつけ、一世一代の繁殖を試みた後、力尽きて枯れていくと考えられる。なぜ120年に一度咲くのか。都立大学・立木佑弥助教は、竹の進化の過程を解き明かそうとしている。
竹の祖先はジャングル生まれ~熱帯の竹は狭い範囲に密集して生える
謎を解く鍵は熱帯のジャングルにあるという。世界で1200種類あるといわれる竹。その祖先はジャングルのような環境で生まれたと考えられる。熱帯の竹は地面の狭い範囲に密集して生える株立ちというスタイル。
熱帯の竹は地下茎が短く開花の周期も短い
日本の竹と比べると地下茎を横に長くは伸ばさない。開花の周期も数十年などと短く、地下茎の長さと開花の周期の長さが関係しているように見える。立木さんは植物の密度と光を巡る競争の結果だと推測している。
光が射すエリアが狭い熱帯では狭い範囲に集中して頻繁に開花する竹が生き残る
熱帯のように光が射すエリアが狭い場合、限られた範囲に集中して生えた方が有利。しかし、やがて寿司詰め状態になってしまうので、頻繁に開花して種をつけ、離れた場所に勢力を広げられる竹が生き残った。
光が射すエリアが広い温帯では地下茎を伸ばして開花周期の長い竹が生き残る
日本のような温帯では光が射すエリアが広く冬になれば落葉するので、地下茎を伸ばして成長することが出来る。頻繁に種をつけることにエネルギーを使う必要がなく、開花周期の長い竹が生き残ったのではないかという。
120年に一度、竹の花が大規模開花中!開花の瞬間の貴重映像も
サイエンスZERO
「竹の花」とはいったいどんな花?全国各地で120年の竹(ハチク)の開花が進行中、その貴重な開花の様子の撮影に成功!しかしなぜ120年周期なのか?それは、竹のルーツや育ち方に関係があると言われる。いまだ解明されていない不思議な生態を持つ「竹」の謎に迫る。(サイエンスZERO)